『アイスブレイク 出会いの仕掛け人になる』(今村光章)
研修・セミナーの冒頭で本題に入る前に、参加者の参加意欲を高めたり、受講者同士の関係を作ったりと、いわゆる場を温めるために導入されるアイスブレイク。本書は、出会いを演出するアイスブレイクが50事例紹介されています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇アイスブレイクとは
見知らぬ者同士の集団の場に投げ込まれたとき、私たちの心と体は、「アイス(氷)」のように張りつめて凍てついた状態になっている。そのアイスの状態を「ブレイクする(打ち破る)」ことがアイスブレイクである。「氷を打ち破る」というのが原義だ。つまり、見知らぬ複数の人がいる場所で硬い雰囲気を壊すことがアイスブレイクである。
〇アイスブレイクの基本的目的
①参加者全員が和やかな雰囲気に包まれるようにすること
②参加者同士の自己開示が進み、コミュニケーションが円滑になるようにすること
③参加者同士がお互いに協力しようという気持ちになるようにすること
〇アイスブレイクの3つの技法
①チェーン術 → 心をほぐす
②ペア術 → からだをほぐす
③グループワーク術 → チームをつくる
〇アイスブレイクの心得
①アイスブレイカー自信が自己開示すること
②参加者と共通点を見出せるような工夫をこらすこと
③「いま、ここ」の気分を語ること
〇心をほぐす、バースデイチェーン
・誕生日の月と日が早い方から順に、1月1日生まれ~12月31日うまれまで、月日別になるように並ぶ。
・時間制限がある。大体、一人当たり2~3秒かかる
・一番大事なことは、ここで、アイスブレイカーも参加者の一人としてチェーンの中に入ってしまうこと。
・チェーンを作るときに、参加者は他の参加者と協力する。さっきまでは見知らぬ人同士であったが、相手に話しかけなければならず、コミュニケーションが生まれる。
・チェーンが完成し、車座になって座ることが出来たら、結果を確認する。誕生日と姓名の名前だけを言ってもらう自己紹介をお願いする。
・チェーンを作ってからの目的
①参加者同士の最初のコミュニケーションを導き出す
②アイスブレイカー自信が参加者と対等の立場になる
③丸くなって座ると、平等な感じになることを体感してもらう
④最初に参加者全員にひと言話してもらう
〇バースデイチェーンの応用編
・言葉のコミュニケーションを禁じて、それ以外のコミュニケーション・ツールで輪になる
・ネームチェーン(名前のアイウエオ順)
〇自己紹介アイスブレイク
・スマホに保存されている気に入った写真を一枚だけ選んでもらい、それについての説明をしてもらう。話をする時間は、一人、1~2分で済ませ、その後、その写真についての質問の時間を同じく1~2分とる。
〇ネームキャッチボール
・全員で丸い輪になり、適当な大きさに広がって座る
・名前を覚えている人に向かって、あるいは、名札の名前が読める人に向かって、名前を言ってボールを投げる
・受け取った人は、また次の人にボールを投げる
・落としたらもう一度最初から
・一度全員に回し終わったら、もう一度さっきと同じ人にボールを投げる(二回目はスムーズに行く)
・次は逆回り
・できるだけ早く投げてみる
・ボールを途中から増やす(5個くらい)
・5分くらい経って、5つのボールが3~4周したところで止める
・どうしてうまくいったのか、うまくいかなかったのか、意見を聞いてみる
・ネームキャッチボールは、①相手の名前をしっかり呼んで、②アイコンタクトをして、③受け取りやすいボールを受け取りやすい位置へ、④タイミングを計って投げる
⇒コミュニケーションと通じている。
などなど、中には、「えっこんなの初対面でやるの~?」というようなものもありますが、「全員でやると意外と楽しいかも」と思ったり、そういうものこそ、場をほぐすのかもしれません。とりあえず、じぶんでもできそうな、やりやすそうなものから、試してみようと思いました。