『からだに「いい塩・悪い塩」』(細川順讃)
今の日本で流通している多くの塩は塩化ナトリウム99%以上の「精製塩(ミネラルがほとんど入っていない化学塩)」。精製塩からは、天然の恵みは受けることはできず、化学工業品である塩化ナトリウムという成分を摂取しているに過ぎない。ここに現代人の健康トラブルの元凶がある。減塩が推奨されるのは、塩分を摂って体内にナトリウムが増えると、カリウム不足を助長しやすいと説明されていますが、過度な減塩をしながら、カリウムの摂取が増えれば、体内はカリウム過剰になってバランスが崩れ、細胞に悪影響を与える。
本書は、康のために欠かせない「いい塩の摂り方」について、書かれています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇塩分=高血圧⇒悪?
・血圧が高くて減塩しなくてはいけない人は、100人中2人くらいしかいない。
・ねずみによる塩が高血圧を引き起こす実験などが引用されるが、ネズミは高血圧で死んだのではなく、体液のバランスが崩れたために食塩の排泄が出来なくなったのが原因。
・多くの場合、塩の摂取によって血圧に直接影響を与えることはない。ごく一部のひとにおいて、塩分摂取による血圧上昇が起こることも事実。
・高血圧症の9割の人は遺伝による本態性高血圧で、残りの1割は寒冷地などの環境によるものか、肥満、不眠、過労を強いられる環境にいるか、病気からくる高血圧。実際減塩している人が増えているにもかかわらず、高血圧性疾患の患者数は増えている。
・そもそも高血圧になるというのは、体が血圧を高くしないといけないと判断したから高くなっているので、その原因を究明しないで薬だけで血圧を下げても、生体バランスが崩れてしまうばかり。
〇減塩を一生懸命頑張ると・・
・使っている塩は塩化ナトリウム99%以上の塩。減塩で体のミネラルバランスがおかしくなり、さらに、摂りいれている塩が悪いのでは、健康のためにと思ってやっていることが裏目に出ている。盲目的に減塩に突き進んでいると、必ずや大きなツケを背負わされることになる。
・化学塩には、必須ミネラルである、鉄・亜鉛・銅・モリブデンなどが含まれていないので、体内のミネラルバランスが狂ってしまう。
・カリウム過剰でも、ナトリウム過剰でも、どちらも良くないわけで、いずれも肝機能障害を引き起こす。
〇どうすればいいか・・
・ミネラルバランスが整っている自然塩を摂ること。
・自然塩は、ミネラルバランスが血液と似ているために体に負担がない。
・料理に使ったり直接口にする塩はどうすればいいか。塩に含まれる有機物は、250度以上の熱を加えると気化して無くなってしまうので、焼き塩を使うのがベスト。
・お勧めの焼き塩は、「海の精 やきしお」(海の精株式会社)
〇食事を含めた生活指導の現場で感じること
・肉料理には岩塩?⇒岩塩はミネラルバランスが悪いので、病気の人にはお勧めできない。
・魚料理でも肉料理でも、塩は海水から作られたミネラルバランスが整った塩が一番。
・減塩できるなら少しくらい味が薄くても美味しくなくても構わないという人が多いが、逆に味覚障害になる。
・塩分濃度は、地域差を入れたとしても、0.9%に収まる。万人が「うまい!」という塩味。この0.9%は何かというと、私たちの体液と同じ塩分濃度。
「へぇ~、使っている塩の良し悪しによって全然ちがうんだ」というのが率直な気づきです。ずっと、血圧をさげるには、何はともあれまず減塩だ!と思っていました。
外食や販売されている弁当・加工食品の塩は、ほとんどが化学塩。良い塩を摂るには、自炊しかなさそうです。気になる「焼き塩」を買ってみようと思いました。何事もバランスですね。