『人生を変える習慣のつくり方』(グレッチェン・ルービン)(〇)
最近のテーマの一つである「習慣化」。約380ページと少し長いですが、経験や研究に裏付けされていて、自分でも取り入れたいと思う箇所が多数ある良書でした。人間は、期待やルールに対してどのように反応するかによって、4つのタイプに分類されることを前提において、タイプによっても対処・行動の仕方が異なることを考慮に入れながらまとめられています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇4つの傾向
①アップホルダー
他人や社会から課されるルールと自ら課す期待を進んで守ろうとする。
②オブライジャー
他人や社会のルールには従うが自分でかすか代にはうまく応えられない。
③クエスチョナー
あらゆる期待やルールを疑問視し、自分で正当だと判断したものにだけ応えようとする。
④レブル
ルールや他人からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発する。
〇知る
人の性質の中には、絶対に変わらないものがある。習慣を形成するときは、そうした性質を踏まえるべき。
・ヒバリ(朝型)からフクロウ(夜型)か
・長距離ランナー、短距離ランナー、先延ばし屋のどれか
・買い控えタイプか、買いすぎタイプか
・減らしたい派か、増やしたい派か
・終わらせたがりか、始めたがりか
・保守的か、新しいもの好きか
・上昇派か、回避派か
・堅実か、大胆か
〇測定する
・自分の行動を測定すると、自分に対する理解が深まり、自分への理解が深まれば、自分をコントロールする力が高まる。測定をする場合は測定すべき行動を厳密に特定する。
・実際に測定することが何よりも重要。推測では、大幅に現実と違っていることが多い。自分の習慣を正確に測定すると、その習慣に時間やお金、エネルギーを費やす価値があるかどうかの判別がしやすくなる。
・測定によってデータを得ることで、以前よりも「良くしよう」という気持ちが生まれる。
〇初めに手をつけるべきは
・大きくて分かりやすい問題から取り組む
・土台となる四大習慣
①睡眠
②運動
③食生活
1回の食事に費やす時間は平均12分、満腹感を感じるのは約20分。ここに食べ過ぎの原因がある。
④整理整頓
自分を取り巻く環境が整っていると、自分の思い通りに行動できるという実感(自制心)が養われる。
〇予定を入れる時間帯
・自分にとって大事だと思う習慣は、できるだけ午前中に予定を入れたほうがいい。午前は自制心が一番働く時間帯。毎日その行動を予定に入れれば様々な恩恵にあずかれる。
・「一度きりか、毎日のどちらか。一度しかやらないことは刺激的だし、毎日やることも刺激的。でも2度やったり、たまにやらない日があったりすると、つまらなくなる」。
〇最初の一歩
・最初の一歩はできるだけ小さく無理ないものにすると、習慣として長続きすることが多い。「習慣のための習慣」が定着し、自分のものになったという実感が得られやすい。
・人は、「まだ始めていない」ことに不安を覚えるとますます億劫になり、ますます不安になる。始めるのが不安なときは、最初の手順をまとめるだけで始めやすくなる。
・やめざるをえないきっかけ(長期旅行や夏休みなど)に直面したときは、戻る日を具体的に決めておくとよい。
〇衝動
・悪い習慣の多くに共通するキーワードは「衝動」。人は衝動に駆られて行動すると、欲求を満たすことを優先してしまい、長期的な影響を考慮できなくなる。
・やりづらければ、衝撃的に行動することはできない。やりづらくする6つの方法。
①必要となる物理的・精神的エネルギー量を増やす
②きっかけとなるものを隠す
③時間を遅らせる
④まったく違うことをする
⑤かかる費用を上げる
⑥元から断つ
〇習慣を破ったときの条件式
・人は目覚めている時間の1/4前後を、何かしらの欲求に抵抗することに費やしている。誘惑となり得るものを無効にするには、まずその存在を認識する必要がある。予防策を講じる第一歩は、誘惑に繋がる要因の排除。
・一番簡単なのは「隠す」。視界から消えれば意識からも消える。
・「〇〇が起これば、××をする」
条件式を活用している人のほうが、そうでない人に比べて良い習慣を維持できる確率がはるかに高い。
・「つまずいて今日は台無しになったから明日から元に戻そう」と考えるんじゃなくて、一日を、午前、日中、夕方、夜に区切って考えるの。失敗は小さいほうがいい。大きく広げない。
〇良い習慣を破る原因
①見返り
②先延ばし
③こじつけの二択化(成立しない二択で1つを選ぶ。両方できるのに。)
④「どうしようもない」と思い込む
⑤屈服する
⑥カウントしない(この場面はカウントしないと言い聞かせる)
⑦根拠のない決めつけ
⑧他人のため
⑨開き直り
⑩1枚のコイン(このくらいはいいだろう)
〇気をそらす
・自分で自分の気をそらすと、意図的に思考の矛先を変えることにより、ひいては認識も変わる。意識だけを別のことに向けようとしても難しいので、物理的行動を伴う方がいい。
〇欲求と時間の関係
強い衝動であっても大抵15分以内に収まる。良い習慣を怠けたい誘惑に駆られたら、「15分後にしよう」と自分に言い聞かせる。
〇ご褒美は習慣の大敵
・ご褒美を与えるようにすると、それをやりたいからではなく、ご褒美が欲しいという理由でやるようになるので、習慣にしたい活動に、義務感、喪失感、犠牲とった感情が結びついてしまう。
・ご褒美はゴールになる危険性がある。ゴールを設定するとそれが停止地点になる。一度止まるとまた一から始めないといけない。一から始めることは、続けることよりも大変。
〇心の霧を晴らす
・簡単に身に付く習慣とそうでない習慣との違いは、心の霧が晴れているかどうか。
・霧を晴らす対象は、①価値観、②行動。自分で自分に期待する行動が明確になるほど、習慣にしたい行動は続きやすくなる。
〇習慣の形成に一番大事なもの
「自分の性質が土台にあること」
習慣化できているものとできていないもの。多くの方に実感があるテーマだと思います。「自分の性質×価値観×行動」。ここを明確にして具体化していくという風に理解しました。これは、現在取り組んでいるコーチングとも相性がよいです。「習慣化コーチング」もできそうな気になってきました!コンテンツを考えてみようかな。