『SPRINT 最速仕事術』(ジェイク・ナップ他)(〇)
ベストセラーになっている本書。テーマ・課題に対してチームを編成し、個別作業・プロトタイプ作成時間・逃れらない締切をワークショップに加えた「SPRINT」と呼ばれる「短時間で成果を生み出す方法」。月曜日・火曜日・・金曜日までの5日間で成果をあげる、「Google式仕事術」とは?
(印象に残ったところ‥本書より)
〇SPRINTの1週間
①月曜日
問題を洗い出して、どの重要部分に照準を合わせるかを決める
②火曜日
多くのソリューションを紙にスケッチする
③水曜日
最高のソリューションを選ぶという困難な決定を下し、アイデアを検証可能な仮説のかたちに変える
④木曜日
リアルなプロトタイプを完成させる
⑤金曜日
本物の生身の人間でそれをテストする
〇メンバーを決める(人数は7人以下)
①決定者
②財務の専門家
③マーケティングの専門家
④カスタマー業務の専門家
⑤技術/ロジスティクスの専門家
⑥デザインの専門家
〇月曜日(目標を固める)
・どんな目標にも危険な前提が潜んでいる。前提を検証せずにいると、失敗のリスクはどんどん高くなる。
・スプリントクエスチョン
■このスプリントでどんな質問に答えを出したいか?
■長期目標を達成するには、どんな前提が満たされなくてはならないか?
■未来にタイムトラベルしたら、プロジェクトが失敗に終わっていた。どんな原因が考えられるだろうか。
⇒これらのクエスチョンをもとに「終わりから始める」ことで不安に向き合える。
・マップをつくる
①「役者」(ストーリーの主要人物:新規顧客など)を書き出す(左端)
②「完了」(購入など)を書く(右端)
③「一言フレーズ」と「矢印」で「役者」と「完了」をつなぐ
④シンプルに‥マップは5~15程度のステップで構成する
⑤マップを書きながら、チームに「このマップでいいか?」何度も確認
・専門家に聞く‥専門家と話をすると知っているのに忘れていたことを思い出せる。
・「どうすればメモ」
どうすればマップを実現できるか、「どうすれば」から始まる質問の形で付箋に1項目1枚で書いていく。
①附箋の左上に「どうすれば」と書く
②そのまま待つ
③何か面白いことを聞いたらそれを質問のかたちに変える
④質問を附箋に書く(どうすれば・・?)
⑤附箋をはがして脇に重ねていく
⇒「どうすればメモ」を似たようなテーマの「どうすれば」に分類し、それぞれにタイトルをつける
〇火曜日(思考を発散させる)
・各自がソリューションのヒントになりそうな既存製品/サービスを考えてリストアップし、自分の提案する製品の3分間高速デモを行う
⇒「肝となるアイデアは何ですか?」。ホワイトボードにメモをとる。
・ブレストするより、各自が個別に問題に取り組んだほうがより良い結果が得られる。
・4段階スケッチ
①メモ:重要情報を収集(20分)
②アイデア:大まかなソリューションを走り書き(20分)
③クレイジー8:素早くバリエーションを生み出す(8分)
④ソリューションスケッチ:詳細を3コマで考える(30分+α)
⇒スケッチは水曜日の朝に壁に貼り出す。
■重要ルール
1)一目瞭然にする
2)匿名にしておく
3)下手でも構わない
4)言葉は大切
5)キャッチ―な「タイトル」をつける
〇水曜日(ベストを決める)
・「くっつく決定」
①美術館:ソリューションスケッチをマスキングテープで壁に貼る
②ヒートマップ:黙ってソリューションを見て回り、面白いと思った部分にドットシールを貼っていく
③スピード品評:それぞれのソリューションの見どころを素早く話し合い、ビッグアイデアを附箋に書き出す
④模擬投票:各自がソリューションを一つ選び、シールで投票する
⑤スーパー投票:決定者がシールで最終決定を下す
・「ガチンコ対決」
2つの矛盾するアイデアがあったら、どちらか一方を選ぶ必要は全くない。両方のプロトタイプをつくって、金曜日のテストで顧客の反応を見ればいい。
・プロトタイプ全体を15分ほどでテストできるように、ストーリーを固める
〇木曜日(幻想をつくる)
・「9割方リアル」なものをつくる
100日かかるものでもファザード(リアルに見えるだけの必要最低限のプロトタイプ)なら、1日で9割レベルに到達できる。
・プロトタイプをつくる4つの手法
①正しいツールを選ぶ(画面、紙、サービス、物理的空間、モノ)
②「5つの係」で分担する
1)メイカー:プロトタイプの構成要素を作成
2)スティッチャー:メイカーが作った要素を違和感なく繋ぐ
3)ライター:言い回しを考える
4)資産コレクター:使える要素を見つけ、メイカーを作業に集中させる
5)インタビュアー:金曜日にインタビューを実施する
③つなぎあわせる
④試運転
〇金曜日(テストする)
・「5幕構成」で話を聞く
①「親しみを込めた歓迎」でインタビューを始める
②自由回答式で「顧客の背景を理解するための質問」をする
③プロトタイプを紹介する
④「タスクと促し」でプロトタイプに対する反応を見る
⑤「簡単な振り返り」で全体的な考えや印象を聞く
本書では、具体的なイメージ図や写真も取り入れられています。詳細が気になった方は、実際に本書を手に取ってみてください。マップの書き方、投票方式、付箋の書き方、スケッチの書き方、これらをどのように統合して、プロトタイプにつなげるか。かなり興味が湧きました。
SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法
- 作者: ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー,ブレイデン・コウィッツ,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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