MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

カウンセリングの技術(今泉智樹)

『カウンセリングの技術』(今泉智樹)

 カウンセリングは100人いたら100通りのやり方がある?そう思っていた著者が、実際にカウンセリングをやっているとそこにはひとつのパターンを繰り返していたことに気が付いた。本書はそんなカウンセリング現場でクライアントの悩みの原因を浮き彫りにするパターンを初心者にもわかりやすく解説した一冊です。カウンセリングセミナーを受講した後に読んだこともあり、スッと入って来ました。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇人が悩みを抱える原因

 「思い通りか、思い通りでないか」

⇒カウンセラーにできるのは、その「思い」を変えるお手伝いをすること。人は、「思い」に気づいたとき、決まってこのセリフを使う。

「今、話していて思ったのですが・・」

この言葉が出てきたとき、クライアントの悩みが解決する。

 

〇カウンセリングの目的

・カウンセリングの目的は、「現場検証」。そして、そこにあるクライアントの受け取り方を見つけていく。

⇒例えば、上司が理不尽なことを言う。そのシーンをもう一度、しっかりと聞いていく。そこで何が起こっているのか?そこは、どんな場所で、上司はどんな格好をしていて周りには誰がいて、具体的に何と言われたのか?しっかりと聞いていくと理不尽なことを言われた瞬間が見つかる。その言葉を再現する。すると、そこにその言葉が出てきた瞬間、嫌な気持ちになるクライアントがいる。そこに大きなポイントがある。

 

〇カウンセラーの価値観

・カウンセラーが、自分の価値観でクライアントを見ていくと、その価値観に反する人の話は聞けなくなる。

・カウンセラーが常識や正論、自分の価値観に縛られていたのでは、クライアントの話は聞けない。だから、カウンセリングをするときは、全ての価値観を手放す必要がある。

⇒何も分からない状態になって、すべてをクライアントに教えてもらうこと

 

〇クライアントを信じてはいけないこと

 クライアントの言うことをそのまま信じてはいけない。なぜなら、クライアント自身、自分の悩みがどこから来るのか分からずに悩んでいるから。

 

〇クライアントを信じなければならないこと

・クライアントは、みんなOKである(どんな人でも価値ある存在)。

・人は自らの運命を決め、そしてその決定は変えることができる。

 

〇問題が明らかになると・・

 必ずクライアントに質問する。

「もし、その自分が変わったら、目の前の現実が変わると思いますか?」

 

〇潜在意識の特徴

①言葉よりもイメージに強く反応する

②現実と想像の区別が津穴井

③繰り返されるものを重視する

④論理的な思考能力がない

⑤否定形が理解できない

⑥時間や空間を認識することがなく、常に「今」であり「ここ」である

⑦適切な質問には、適切な答えを返してくる

⑧常に今を維持しようと働くホメオスタシス(恒常性)

⇒三歳児くらいの幼児と似ている(三つ子の魂百まで)

 

〇事前準備

・してはならないのは、「解決策を考えること」

・事前にクライアントから提出してもらった悩みの文章から、現場検証すべき場所をある程度特定していく。これがカウンセリングの本番で生きてくる。

 

〇クライアントとの対話

①クライアントの話した言葉を深めていく

②クライアントの気持ちはすべて受け入れる(承認)

③常に現場検証を心がける

 

〇カウンセリングの2つのステージ

①自分の今の悩みの原因がどこにあるのかを見つけだすステージ

 ⇒これができればカウンセリングの8割は終了。しかし、多くのカウンセラーがそこをないがしろにしてしまう。クライアントが話す悩みの原因を素直に受け入れて、その偽物の悩みの原因を解決しようとする。

②見つけだした原因を自分の中で書き換えて乗り越えるステージ

 

〇カウンセラーに必要な3つの基本的な考え方

①クライアントの話を客観的にとらえる

②クライアントの話を好意的にとらえる

③起こっている出来事をチャンスととらえる

 

〇現場検証のための質問

①「最近、いつそれを感じましたか?」

⇒具体的に感じた瞬間をイメージできないときは、それこそ、まだ総論でしか話をしていないという証拠。だから、この話をもっと深く聞く必要がある。

②「それって、どういうことですか?」

⇒悩みの原因は本当に、「ひとつ前」にある。要は、すべて自分の起こした行動の結果として、いろいろなことが起こっている。だから、カウンセリングでは、そのひとつ前をしっかり現場検証することで、自分をどう変えればいいのか?その答えを見つけていく。

③「もし、その〇〇な気持ちが湧いてこなければ、あなたの人生は変わると思いますか?」

 

〇PFC分析ノート

①状況を書き出す(いつ、どこで、だれと、どんな出来事が)

②自分の中で起こっている反応を書き出す

・悲しみ:〇%、恐れ:〇%、怒り:〇%、身体反応、行動

③思考はどんなことを考えていたか?

④反対思考(③で選んだ考えと反対の考え方)

⑤③の考えを持つメリットは?デメリットは?

⑥③のように思う理由は?

⑦④のように思う理由は?

⑧〇〇だったらどのように対処するだろうか(友人、尊敬する人など)

⑨友人から相談されたら、何とアドバイスしますか?

⑩⑥と⑦を「しかし」で繋ぎ、新しい考え方を作ってみる

⑪⑩のように考えたときの感情の強さの変化

・悲しみ:〇%→〇%、恐れ:〇%→〇%、怒り:〇%→〇%

 

 カウンセリングもコーチングも学んだら実践すること。分かっていても、不安だから実践せずに、さらに学び続けて不安を解消しようとする。でも、学んでも学んでも新たな不安が湧いてくる。そんな方のために書かれています。コーチングを学んだ時にそう思って、実践重視で動いていますが、それはそれで課題も多いのですが、実践している自分に慣れてくることもあり、やはり勇気をもって実践しないといけないなと感じています。カウンセリング領域もその心で臨みたいと思います。

クライアントの信頼を深め 心を開かせる カウンセリングの技術 (DOBOOKS)

クライアントの信頼を深め 心を開かせる カウンセリングの技術 (DOBOOKS)

 

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