MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

大人のほめ言葉(西村貴好)

『大人のほめ言葉』(西村貴好)

 ほめ達(ほめる達人)として年間2万以上に「ほめる」ことを指導されている著者。結果が出てから「ほめる」では遅く、結果が出る前から「ほめる」ことで成果が出る。本書は、「ほめる」言葉のダイジェスト。自分の言葉のバリエーションを広げるのに参考になると思いますが、まずは自分が心からそう思えるかということの方が大事。自分が誰かと話をするときの基本姿勢のようなものを改めて考えてみるのも良いかもしれません。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯「ほめ」の基本と、特に使える「ほめ言葉」

・話の聞き方8つのポイント

1)目を見る

2)うなずく

3)あいづちを打つ

4)繰り返す

5)メモを取る

6)要約する

7)質問する

8)感情を込める

・3S×S(「すごい」、「さすが」、「素晴らしい」×サンドイッチ(最初と最後にこれらの言葉を使う)

・「頑張っていたもんね」

・「完璧!」

 

◯日常使いしたい「ほめ言葉」

・「あっ、おはよう」

・「いつも助かっています」

・「今の話、ちょっとメモを取らせてもらっていい?」

・「どうしたの?珍しいね」

・「雰囲気ありますよね」

・「◯◯さんにほめられると、さらに気合が入ります」

・「それ、面白そうだね」

・「尊敬するよ」

 

◯ピンチで使える「ほめ言葉」

・「今、お言葉をかみしめていました」

・「この数字を達成したら何人の人を笑顔にできるだろうね」

・「このミスをどう活かす?」

・「そうくるか!」

・「長くお付き合いしたいので本音でお話しさせてください」

 

◯印象アップできる「ほめ言葉」

・「聞き上手ですよね」

・「さすがの質問です!ありがとうございます」

・「きみらしくないよ」

・「任せたよ。責任は全部俺が取る」

・「やっとお会いできまいした」

・「その言葉だけで3年は頑張れます」

 

◯元気を引き出す「ほめ言葉」

・「気づきの目盛りが細かいね」

・「さっそくご対応いただきありがとうございます。おかげで私の仕事が2日ぶんくらい進みました!」

・「成長が待ってるね」

・「いつもながら、完璧」

・「悔しいということは頑張った証拠。よくやったな」

・「頑張っているね。成長しているよ」

・「おっ、早いね!」

・「『3年先の稽古』だね。見てくれている人は必ずいるよ」

 

◯使っていませんか?NGワード

・×「ネクタイが素敵ですよね」

→アイテムをほめる祭に言ってしまいがちだが、言われた側は「素敵なのはネクタイだけなの?」と感じてしまう。例えば、「今日のネクタイも素敵ですね」と言い換えれば、いつも見ていること、その中でも特に、と言うことが伝えられる。

・×「きみに任せたよ」

→なんで自分ばっかり?と感じたり、丸投げしている印象を与えてしまう。期待を伝えたいのであれば、「目標達成にはきみの力が不可欠なんだ」「力を貸してもらいたい」とお願いするニュアンスで。

・×「勉強になります」

→何が勉強になったのか、どのように改善するのかが伝わらず、その場しのぎの印象になってしまう。「今回勉強したことを踏まえて対策を3つ考えてみます」など、具体的な行動もセットで伝える。

・×「いつも美味しそうなもの食べていらっしゃいますよね」

SNSなどで相手のことを細かく知ることができますが、初対面の人にあまりパーソナルな部分にまで踏み込まれると、詮索されているような気持ちになるので避ける。

・×「いえいえ、めっそうもない」

→ほめられた際に謙遜するのは、それを突き返すことになり、失礼になってしまうので、ほめ言葉はありがたくいただくクセをつけましょう。

・×「さすがプロですね」

→当たり前だろ、素人と比較するの?と受け取られかねないので注意が必要。「素人の私には思いもしない発想です!」という言い方なら、プライドがくすぐられる。

・×「がんばって!」

→「今でも十分がんばっている」と反感を持たれるかもしれないので、「がんばってるね」と、たった2文字足すだけで大きな違いになる。

・×「◯◯は頭いいもんね」

→「◯◯がいい」というほめ方は、そのジャンルの壁にぶつかったときに「自分はここまでだ」という限界を設定してしまう。「天才だね」「最高だね」という言葉ならば、ジャンルを限定しないし、上限がなく、限界は感じないので OK。

 

◯ここで一番、とっておきの「ほめ言葉」

・「興奮するね!これが成功したら伝説になるよ」

・「ここからは俺の出番だな、ほれるなよ」

・「◯◯さんの出番を作ることが昔からの夢でした」

・「私淑させていただいています」

・「自分のDNAを誇りに思うよ」

 

 どうでしょう?「私だったら絶対に使わないな・・」とか、「私だったらこう言うけどな」とか、「NGワードって言うけど、私だったら嬉しいな」と言う感覚がある言葉もあるのではないでしょうか。これだけで自分の言葉に対する内省が始まっていると思います。私だったら、相手のことを考え、気持ちに寄り添い、その結果自然に出てくる自分らしい言葉がいいなと思います。自分本位にならないよう、日頃の会話について注意したいと思います。

結果を引き出す 大人のほめ言葉 (DOBOOKS)

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