『7日間で自己肯定感をあげる方法』(根本裕幸)
生きる軸を他人軸から自分軸へ。本書は延15,000人以上のカウセリングと年間100本以上のセミナーを行う、プロカウンセラーがまとめた自己肯定感をあげるための一冊。コーチング活動を始めるようになって、自己肯定感が低いために自信を持って将来に向かえない、過去・実績を根拠にしてしまい、未来もその延長戦で描いてしまうといった方にお会いすることもあります。そんな方は、得てしてすごくできる方なのに、自らにより高いハードルを課してしまっているがために、できない自分に目がいってしまう。本書にあるように、自己肯定感をあげると、心に余裕ができ、心に余裕ができると、自分に自信が持てるようになる。「自己肯定感を高めること」、「他人軸ではなく自分軸で考えること」を同時に取り組むプログラムです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯7日間の流れ
①今の自分に意識を向ける
②過去を見つめ直す
③過去の家族関係を見つめ直す
④自己肯定感を高める
⑤自分のペースで人間関係を築く
⑥敏感であることを強みとする
⑦自分が本当にしたいことを実現する
◯今の自分に意識を向ける
・「〜しなきゃいけない」は他人軸の考え方
・「どうすべきか?」と常に考えるクセがある人は、その先にどんな怖れがあるか意識してみる。
・自己肯定感を高めるためにまず大切なこと。それは自分を客観的に見つめること。そのために有効なのが「書き出すこと」。頭の中でイメージするだけでなく実際に書き出したものを見ることで、より客観的に自分の姿を見ることができる。
問1)「あなたはどうしたいの?」と聞かれて困ったことはありませんか?それはなぜでしょうか?
問2)自分にダメ出しすることはありますか?それはどんな内容ですか?
問3)人に嫌われないために、「どうすべきか?」を考えていませんか?それはどんな内容でしょうか?
問4)あなたの好きなものはなんですか?それはあなたが本当に好きなものですか?
問5)自分もしくは他人に対して罪悪感を抱いていませんか?それはどんな内容ですか?
◯過去を見つめ直す
・思春期の出来事はコンプレックスになりやすい。
・あなたは思春期をどのように過ごしていましたか?小学校高学年から大学までを振り返り、書き出してみましょう。
問1)ショックだった出来事はありますか?それはどんなことでしたか?
問2)恥ずかしい思いをした出来事はありますか?それはどんなことでしたか?
問3)大きな失恋を経験したことがありましたか?そのとき、どんな気持ちになりましたか?
問4)受験や就職活動で自分を否定されたような気持ちになったことはありますか?
◯過去の家族関係を見つめ直す
・敏感すぎる人はそのほとんどが子ども時代の親子・家族の関係の中でその基礎を育んでいる。
・どのような家庭で育ちましたか?幼少期の自分を振り返って書き出していきましょう。
問1)家族との印象的な出来事は何ですか?一つひとつ書き出してみましょう。
問2)それはいい思い出でしょうか?辛い思い出でしょうか?
問3)子どもの頃、お母さん、お父さんはどんな人でしたか?
問4)お母さんやお父さんに「振り回された」「コントロール(支配)された」あるいは、お母さんやおとうさんのことを「いつも心配していた」とか「寂しさを我慢していた」ということはありませんでしたか?
問5)思春期の頃に、反抗期はありましたか?
問6)家族からかけられた言葉で印象的な言葉はありますか?それを聞いてどんな気持ちになりましたか?
◯自己肯定感を高める
・自己肯定感が低い人は、常に自分のダメなところを探す癖がある。
・自己肯定感を高めるためにまず意識して欲しいのは、自分の感情を否定しないこと。
・いい自分も悪い自分も認めるポイントは、「これが私だから」「これも私だから」という姿勢を持つこと。
・自信=経験×自己肯定
問1)あなたの周りにいる素晴らしい人を思い浮かべて、その人たちの特徴を書き出してみましょう。それがあなたの価値であり、魅力です。
問2)2日目、3日目のワークで書き出したショックだった出来事やお母さんなどとの関係の横に、そのとき感じたことを素直に書き出してみましょう。
問3)問2で書き出した文字の上から◯をつけて、「よく頑張ったね」と自分自身に言ってあげましょう。
◯自分のペースで人間関係を築く
・自分の気持ちを優先することにモヤモヤしたり、悩んだり、苦しんだりと「痛み」が発生することがある。「痛み」を取り除くために最も有効なのが「許し」という心理的アプローチ。
・許しの最初のステップは心の中に溜まっているその人への思いを吐き出すこと(感情の解放)。
・次に、「なぜその人がそんなことをしたのか」を感情的に理解する。
・「許し」の最終段階は、「感謝」。
問1)敏感すぎる自分をつくる原因となった相手を思い浮かべ、その人に対する思いを書き出す。
問2)その人の立場になって、相手を理解してみましょう。その人はなぜあなたにそのようなことをしたのでしょうか。
問3)その人に感謝できることを10個書き出してみましょう。
・その人がしてくれたこと
・その人がいてくれたおかげで気がつけたこと
・その人に「ありがとう」が言えること
◯敏感であることを強みとする
・「私は私、あなたはあなた」という意識を持つと、敏感すぎる人が苦手としてきた「NO」が言えるようになる。
問1)友達や先輩、上司からの誘いで困っていること、以前に困ったことは何でしょうか?そのシーンを思い浮かべて「私は私、あなたはあなた」と心の中で唱えてみる。
問2)あなたへの誘いや依頼の返事を出していないものを書き出してみましょう。そして、勇気を出して断ってみましょう。
問3)今、困っていることを誰かに正直に話して助けを求めてみましょう。「片付けられない」「メールの返信が早くできない」「パワーポイントで資料を作るのが苦手」など、何でもいいので、誰かに相談してみてください。
◯自分が本当にしたいことを実現する
・「すべての問題は自作自演」。問題とは、それを感じる本人が自ら作り出すもので、自分がより自分らしく生きられるように起きるもの。カウンセリングで相談を受ける際も「この問題はもっと自分らしく、好きなこと、やりたいことをやって生きなさい、というメッセージなんですよ」という話をする。
問1)あなたが本当にしたいことは何でしょうか?やりたいことの大小は気にしなくて構いません。誰かに見せるためではなく、ありのままの自分が思う、本当にやりたいことを書き出してみましょう。
問2)この本を読んで、あなたはどのような変化がありましたか?小さな変化でも構いません。心の中の変化を書き出し、褒めてあげましょう。
コーチングの際のワークにも使える要素がたくさん。少し気持ちを前に向けることができるだけで、自信やその人が持っているいいところがたくさん出てきて、それが相手に伝わるとさらにいい循環が生まれる。引き寄せもそういうところから来るのかもしれませんが、そんないい循環が生まれる世の中になるといいなと思います。