『マジ文章書けないんだけど』(前田安正)
本書は、朝日新聞ベテラン校閲記者が教える文章教室。就職活動中の女子大生と謎のおじさんとのドラマ仕立てで、文章の書き方(本書ではエントリーシート記載に向けた文章指導)について要点と文章のBefor-Afterがまとめられています。文章の書き方としては、基礎編というくらいのレベル感です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯一つの分には一つの要素
・これを心掛けるだけで十分わかりやすくなる。そうすれば、必然的に分は短くまとまるはず。
・文と文章の違いを意識する。
・主語と述語が噛み合うようにする。
・そのために文を分解してみる。
◯「が」と「は」
・「が」は直後の述語に、「は」は遠くの術後にも影響する。
・未知情報の後には「が」がつき、既知情報の後には「は」がつく
◯あれこれ言っても伝わらない
・丁寧に書くことと、何度も同じことを書くことは違う。
・読む人にわかりやすい言葉を整理する。
◯つなぎは少なめが美味
・つなぎの意味しかない「だが」「ので」「が」「けど」が出てきたら文を2つに分けてみる。そうすれば、必然的に文は短くなる。
◯視点をずらすと世界が変わる
・能動態と受動態で視点が変わる。
・受動態は、大まかな情報を伝えるときに便利。そして客観的な書き方もできる。
◯二股かけると失敗する
・一つの分は一つの要素で書く。
・要素が増えたら、文を分ける
・これだけで、文章が変わる。
◯好きなら好きと最初に言おう
・書き出しに前提はいらない。
・書きたいと思う部分から書き出せ。
◯「なう」だけじゃ心は伝わらない
・文章は人間の思考の組み立て
・人間は「状況」に応じた「行動」をとり、それによって「変化」する。
→文には「状況」「行動」「変化」という要素が含まれる。
・だから、思考の組み立てがおかしいと思ったら、これに照らして考えるべし。
・5W1Hで一番大切なのが「Why」。「なぜ」「どうして」という問いに答えるように書いていかないと、読み手がフラストレーションを持ってしまう。
とりあえず、小難しく考えず、小ドラマを楽しみながら、文章の勉強をしてみよう!という印象でした。ストーリー的、題材の選定から見て、大学生が読者ターゲットになっていると思います。「「なう」だけじゃ心は伝わらない」というのは、その通りで、対話が表面化する時代だからこそ、文章を長くしっかりと書くことに慣れておらず、戸惑いがあるのではないでしょうか。文章力はこれからの時代、必須になると思いますが、短文(SNS系)だけでなく、しっかりと長文(ブログ系)も書けるように意識しておかないと、表面的な文章で終わってしまうのではないかと危惧しています。
マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~
- 作者: 前田安正
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2017/04/19
- メディア: 単行本
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