MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2017年の5冊

【2017年 印象に残った5冊をご紹介】

 2017年は約230冊の投稿をしてきましたが、その中で特に印象に残った5冊をご紹介します。今年もたくさんの良書に恵まれました。ブログを読んでいただいた皆様、ありがとうございました。

 2018年はブログ投稿の継続はもちろん、①読書会コミュニティの立ち上げ&読書会の開催、読書を習慣化したいけれどできなくて困っている方向けの②継続コーチングおよび③勉強会など、コーチング&コンサルティング活動に本の要素を加えていきたいと思っています。開催準備が整い次第、Facebook上でご案内いたしますので、ご興味ある方は、よろしくお願いいたします。

 

■『生くる』(執行草舟

 内省本として秀逸でした。著者は実業家であり著述家。時代を経ても変わらない本質的な考え方にズバッと切り込み、時代を経ても変わらない考え方が説かれています。一見逆説的な部分も実は真理であったり、盲点を突かれたところも多く、あっという間に線引きだらけになりました。どのように生きるのかを考えるうえでとても参考になりました。

生くる(執行草舟) - MBA男子の勝手に読書ログ

 

■『人前で話す・教える技術』(寺沢俊哉)

 講師として人前に立つときに考えたいことがギュッと凝縮された良書。ブログも前編・後編の2回に分けて投稿しました。著者は、日本生産性本部コンサルタントで、ライブ講師®︎として講師界でも著名な寺沢さん。研修講師としても数万人の研修を担当され、リピート率8割以上。コンサルタントとしても28年間のご経験がある著者。ロジカルからも感性からもアプローチが多様で、本当によく考え抜かれた研修を実践されています。本書は、研修コンテンツを作る講師側の意図が実例とともに詳しく解説されており、著者が2015年に開講されたライブ講師®︎実践会(様々な領域で教えることに携わる方が学び合うコミュニティ)で披露されている講師ノウハウとともに、52のテーマに整理された内容の濃い一冊です。人前で教える機会がある方には特にお勧めです。コラムも秀逸です。

人前で話す・教える技術(寺沢俊哉)(前編) - MBA男子の勝手に読書ログ

人前で話す・教える技術(寺沢俊哉)(後編) - MBA男子の勝手に読書ログ

 

■『社員をサーフィンに行かせよう』(イヴォン・シュイナード)

 パタゴニアの創業者による事業に対する思いを綴りながら、約60年にわたる事業を振り返った一冊。今年読んだ書籍の中では、かなり上位のおもしろさでした。経営者本としても秀逸です。まず、経営者自身の「好き」を突き詰めるとこういう経営になるのかという尖った部分(これはなかなか真似できない)、そして、環境に対するこだわり・熱意がすごすぎる。これと経営の舵取りをうまく融合させてしまっている経営の仕組みづくり(これも真似できない)。さらには、社風、人事制度など経営にまつわるユニークさ。

 本気のサーファーは、来週火曜日の午後2時にサーフィンをしようなどと予定したりはしない。サーフィンは潮回りが良くていい風が吹き、いい波が立ったら行くものだし、パウダースキーは粉雪が降ったら行くものだ。そして、悔しい思いをしたくなければ、いち早く駆けつける必要がある。そんなことから生まれたのが、「社員をサーフィンに行かせる」フレックスタイム制度だ。やりくりが効くから、自由とスポーツが大好きで画一的な職場を窮屈と感じてしまう大切な社員に仕事を続けてもらえるわけだ。ちなみに、この制度を悪用する人はほとんどいない・・・。

社員をサーフィンに行かせよう(イヴォン・シュイナード) - MBA男子の勝手に読書ログ

 

■『夢実現の習慣64』(原田隆史)

 オープンウィンドウ64(曼荼羅シート)(※)を自分で実際にやってから、将来の見え方、加速度、感情の入り方がどれも凄まじいと実感できた今年。原田さんの著書は何冊もありますが、その中でオープンウィンドウ64を中心に据えた 本書を選定しました。

 コーチングとの相性もすごくいいので、気になる方はお声掛けください。

(※)3×3の9マスの中心に目標を記入。残りの8マスに手段を記入。その8マスをそれぞれ放射線状に伸ばし、新たに3×3の9マスを8個作る。最初の8マスに記入した手段は新たに作った3×3のマスの中心に記入し、その周りの8マスにさらに手段を記入する目標達成をブレイクダウンする方法。

夢実現の習慣64(原田隆史) - MBA男子の勝手に読書ログ

 

■『「空気」の研究』(山本七平

 世の中では「忖度」が流行語大賞となり、私自身も今年はちょっとした空気ブームだったので、空気本の古典的存在の本書を選定しました。本書は昭和52年に発行された単行本が昭和58年に文庫本化されたものです。現代に発行されている場の「空気」に関する本は、だいたい本書を参考にしています。目に見えない空気と同じく、目に見えない場の空気に支配されることがあり、意思決定も空気が決めるというような、よくよく考えれば訳がわからない絶対的高速である「精神的な空気」にスポットを当てて、「空気」としてもう一つの概念「水(を差す)」を掘り下げた一冊です。

「空気」の研究(山本七平) - MBA男子の勝手に読書ログ