『都合のいい読書術』(神田昌典)
本書は、一人で読むのが辛い方に向け、読書会のメリットとフォトリーディングを説いた一冊です。著者が広められている「リード・フォーアクション読書会」。これは読んでない本を持ち寄り、ファシリテーターのガイダンスのもと、互いに語り合うことによって、短時間で本の内容を把握する方法。読書会に参加すると、今までの自分を超えた新しい発想ができるようになる。短時間で、異なる多様な意見に触れられるため、今までの思考の狭さに気づき、相手の視点に立った言葉を使い始める。すると繋がらなかったもの同士が繋がるので、創造的活動が始まる。そんな、読書会の魅力について。わたしも読書会コミュニティ立ち上げを考えているので、とても役立ちました。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯読書会開催によって、自然に身につく7つの力(主催者側)
①課題図書を選ぶための「スピード情報収集力」
②魅力的な読書会テーマを打ち出すための「企画力」
③開催日までに参加者を集めるための「集客力」
④読書会運営のための「プロジェクト・マネジメント力」
⑤参加者の異なるニーズを満たすための「傾聴スキル」
⑥異なる意見をまとめ上げるための「リーダーシップ」
⑦継続的に集客していくための「独自の強み」
◯参加者側のメリット
・手に持つ本を変えると、出会う人が変わる
・自分の才能を見つめるには、映し出してくれる鏡、すなわち、向き合って対話をする相手が必要。
・そうした観点から眺め直してみると、読書会は、本から情報を得る場のように見えて、全く別物であることがわかる。そこは、本をきっかけに人々が集い対話するうちに、自らの内面を見つめ、自らの才能を思い出す場になっている。
◯3つのシンプルな原則
①目的思考型の読書をする
・なぜその本を読むのか
・私「◯◯◯◯」は、本を読むことで「◯◯・・」(目的)できるようになります。
・目的を明確にして読書をすると、その効果がすぐに実感できる。必要な情報が目に飛び込むようになる。読まなくていい場所がわかるので、読む時間が短くなる。行動に繋がりやすくなる。
・1冊の本の中身のうち、内容を把握する上で重要な文章は、全体の4〜11%とも言われている。
②複数の人と共に読む
・読書会は、本を触媒にすることで、参加者の脳を刺激し、さらに参加者同士のつながりによって、新たな「知」を生み出すことを可能にする。
③即、行動に結びつける
・読書会なら、自分が見解を述べたことに対して、ほかの人から自分が考えていなかった意見や感想を聞くことができ、思考をさらに深めることができる。そしてブログなどとは違って、目の前に相手がいるので、「あとで読もう」「あとで答えよう」などと保留することができず、エスク・フォーメーションが活性化される。
◯異分野・世代の異なる人たちと交わる
・知的創造型の読書会は、なるべく、自分と属性が異なる人と行うべき。それだけ多様な視点を得ることができるから。
◯リード・フォー・アクション読書会
①1テーブル4〜5人のグループに分かれ、そのグループのメンバーと話し合いながら本を読んでいく。
②「この読書会が終わったあと、どんな目的を達成していたいか」をメンバーの前で発表する。
③「数分間読んで、その内容についてグループのメンバーと話し合う」ということを繰り返す。
④「監訳者の前書きを3分間で読む」
⑤「目次とまえがきと奥付を3分間で見て、全体像をつかむ」
⑥「目次から気になるキーワードを4分間で抜き出す」
⑦「20ページごとに本を開き、キーワードを抜き出す」
⑧「6分間で自分の目的を達成するための答えを、本の中から探す」
→大勢の頭を利用することで、より多くのことをより深く把握できる。たった、2〜3時間で数百ページもある分厚い本を読めるようになる。
◯フォトリーディング・ホール・マインド・システム
①準備:読書の目的を明確にする
・「この本を読んだ結果、最終的にどのようになることを期待しているのか」
・「私が読もうとしているものは、私にとってどのくらい重要か。それは長い目で見ても価値があるものか」
②目的を絞り込む
・「特に必要としている情報は何か。本全体の概要を知りたいのか、ある部分を詳細に知りたいのか」
・「必要な情報を得るために、いま、費やすことができる時間はどのくらいか」
③ミカン集中法
1)手のひらの上にミカンを乗せたことをイメージする。重みや手触りなど、できるだけリアルにイメージを。そのミカンを左右の手の間で、お手玉のように行き来させる。
2)そのミカンを後頭部の上の方、15〜20センチ程度のところに持って行き、浮かせてみる。浮かせたら、静かに腕を下ろしてリラックスを。
3)そっと目を閉じて、後頭部のミカンのバランスをとる。
4)リラックスして集中力が高まってきたと感じたら、目を開けて、本を読み始める。
④本を「予習」する
・本の内をざっと見渡す
・ざっと見たら、その本が自分の目的に見合う価値があるかどうかを検討する。大概甘めに判断することが多いので、「その本は、自分が読むべき上位20%の中に入っているか」と自問する。そこから外れる本に時間を割くのは時間の浪費。
1)フォトリーディングの準備
・改めて、目の前の本から何を得たいのか、何が得られるのかを意識する。
2)加速学習モードに入る
・楽な姿勢をとって、深く息を吸い込んだら、息を吐きながら目を閉じる。
・もう一度呼吸をして、少しの間止める。
・その後ゆっくりと息を吐きながら、数字の「3」を頭の中で浮かべつつ、心の中で「リラックス」という言葉を唱える。
・リラックスできたら、今度は数字の「2」を思い浮かべながら、再び、心の中で「リラックス」という言葉を唱える。こちらは、精神的にリラックスするための合図。
・最後にもう一度深く息を吸い、少し止めた後に、ゆっくり吐き出す。すると頭の中で数字の「1」という音が聞こえてくる。すると集中力が高まり、加速学習モードに突入する。
3)アファメーション
・否定的な思考や雑念が入ると、フォトリーディングの邪魔になる。
・これから読む本に対する自分の能力と目標をアファメーション(肯定的自己断言)する。「フォトリーディングの最中、私は完全に集中できる」「私は◯◯を達成するために◯◯(本の題名と著者名)の中の情報が欲しい」
4)フォトフォーカスの状態に入る
・目の焦点を緩めてページの四隅と文書の行間の余白を見ること。
・書籍の場合は、見開き2ページを一緒にフォトリーディングする。うまく視線が分散すると、閉じ目の部分に丸く膨らんだ柱のようなものが見える。
5)安定した状態でリズムよくページをめくる
・1〜2秒に1ページのペースを保ちながらページをめくる。
6)終わりのアファメーション
・「私は今この本の印象を感じ取っています」
7)復習
・トリガーワード(特にこれが知りたいという語句)を取り出す。
8)活性化
・10〜20分間、生産的休息をとる。
読書会コミュニティ立ち上げは今一番取り組みたいこと(ちょっと遅れていますが・・)。フォトリーディングは初めて中身を知りましたが、これは私にとっては必要がないので、今回は知っておくだけでいいかなと思いました。じっくり文字を読んだり、考えたり、少しくらい遠回りしてもそれでいいかなと思っているからだと思います。私にとって読書はゆるく、癒し効果がある存在なので、気楽に読んで行きましょうという感じです。
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