『新エクセレントカンパニー AIに勝てる組織の条件』(トム・ピーターズ)(◯)
1982年に発行されたベストセラー本『エクセレント・カンパニー』から38年。タイトルどおり、AI時代を勝つための組織に必要な要素を盛り込み書き起こされた本書。AIにどう対応するかという観点も多数盛り込まれていますが、基本は、組織を作るリーダーはどうあるべきか、どう行動すべきかというビジネスリーダーが振り返り、自己チェックし、次の行動を考えるための一冊です。名言の引用も多く、お勧め本も多数紹介されているので、「使える」本だなと感じました。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯実践より
・「アマチュアは戦略について語り、プロフェッショナルは兵站術(ロジティクス)について語る」(ノルマンディー上陸作戦開始時の米国司令官:オマール・ブラッドレー)
・部署間の調整不備やコミュニケーション不足が全ての遅延の主な要素だ。
・いつも実践について話をしていると、それを実践する可能性は高い。話さなければ、実践されない。
・毎朝、その日にすべきことをリストに書け⇨それを実行せよ。
◯エクセレントより
・「あなたが奉仕しているチームのメンバーは、人として成長しているか?」
・「チームのメンバーは、奉仕されることで、より健康に、賢明に、自由になり、より自立してその人自身も奉仕者になれているか?」
・エクセレントは長期目標じゃない。超短期戦略だ。今から5分くらいの間のことだ。
・エクセレントは、最高かつ最重要の生き方。毎日、毎秒、周りの人間に対する思いやりや敬意を込めた振る舞い。要するに、エクセレントは精神的なもの。
・優良企業は、①短期的な儲けではなく長期的な価値を管理している、②徹底的に顧客中心のサービスを追求する、③人材という資本を開発し続ける。
◯人びとより
・「顧客と同じように従業員を扱うこと」
・「スタッフに最高のサービスを求めるなら、そのスタッフに最高のサービスを与えよ」
・「従業員が体験したことを、顧客も体験する。最強のマーケティングは、幸せで熱意のある従業員。従業員以上に顧客が幸福を感じることはない」
・「あなたが利用したいのは、スタッフが自分の仕事を愛しているホテルだろうか、それとも経営者がお客様を最優先にしているホテルだろうか」
・「採用の時に判断するポイントは、聴き上手で、思いやりがあり、笑顔を絶やさず、「ありがとうございます」が言え、心が温かいかどうか」(サウスウエスト航空元社長:コリーン・バレット)
・リーダーには、ビジョンや人徳その他諸々が必要かもしれない。けれども、マネジャーやリーダーが発揮する大きな影響力の核であり源でもあるのは”雑務”つまり採用や評価といった細々したタスクである。だが、はっきり言って、マネジャーやリーダーの仕事のキモであるこれらの細々したタスクに精通している”プロ”と呼べるリーダーはほとんどいない。
◯イノベーションより
・数打ちゃ当たる。失敗は最速の成功のもと。
・プロジェクトの革新性を評価するための指標
⇨あなたが関わっているプロジェクトのうち活動的なプロジェクト上位5つをリストにして、①「びっくり仰天』、②「ワオ!」、③「ヤバイ」という尺度で10点満点で評価をしたとき、8点以上のプロジェクトはいくつあるだろうか?
◯付加価値より
・優れたデザインは、①「ワオ」、②役立つ、③使いやすい。
・男性は表やランキングを好む。女性は想像力を掻き立てる「物語」を好む。
・自分のチームメンバーがやってくれる確率を高めるには、
①親切で共感力の高い人を雇うこと
②「人助けのために時間を使う」文化を育てること
③有言実行
④褒め称えること
◯エクセレントなリーダーより
・症状を説明している患者の話に、医師が口を挟むまでの時間は18秒。あなたは18秒で相手の話に割り込んでいないだろうか。
・相手の話を聞きながら、どう返事しようかと考えているなら、それはもちろん、あなたは話を聞いていないということ。
・一つ質問をして、その後二つ、三つと質問が続かないなら、あなたは相手の答えを聞いていない可能性が高い。
・覚えておこう、真剣な会話の後に疲れを感じていないなら、本当は話を聞いていないかったのだ。
550ページくらいのボリュームがある本なので、読むのに骨は折れますが、どこから読んでも大丈夫な内容なので、関心のあるところを拾い読みするのもいいかもしれません。