『自信を持てない人のための心理学』(フレデリック・ファンジェ)(◯)
これもいい本でした!一言でいうと「思い込みをなくして、自信を持てる良い循環を作るための一冊」です。自身には、「自己評価」「行動」「自己主張」の3つの要素が関連しています。この3つを進めていけるように認知を変え、行動を促す考え方や手法が紹介されています。カウンセラーならではの現場の実例が多数ある点と、随所に表形式と循環図でイメージを整理している点が理解しやすく優れています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯自身のピラミッド
①第一階層:自己評価(自分に対して自信が持てる)
②第二階層:行動(自信を持って行動できる)
③第三階層:自己主張(他人に対して自信が持てる)
◯自信を持てなくさせる7つの「思い込み」
①私には能力がない
・ほとんどの場合、子供の頃に出来上がって、特別なトレーニングをしない限り、それを変えるのは難しい。
②いつでも人から愛され、認められなければならない
・思い込み(人から愛され認められなければならない)
→態度(ひたすら認められようとする、相手の言いなり)
→態度の裏にある気持ちや考え(人の考えに従っていれば、受けれてもらえる)
→日々の体験(みんなから受け入れられる)
→思い込みの強化
→更なる思い込み
③私はダメな人間だ
・自分の悪い面を過大評価する
・自分の良い面を過小評価する
・悪いことが起こったら、一般化する(いつも・・・)
④何事も完璧にやらなければならない
・完璧にやって初めて、私は価値のある人間になる
・完璧にやらないと見捨てられてしまう
⑤いつも正しい決断を下さなければならない
・失敗するのが怖い
・自分には責任が重すぎる
・リスクをとるのが怖い
⑥世の中は危険に満ちている
・潜在的な危険を過大評価する
・予想外の出来事に直面するのが怖い
・どんな悪いことが起こるのか、前もって考えておけば、適切な対処ができる(問題は悲観的すぎる、現実離れする場合)
⑦人を信頼してはいけない
◯自信を持てるようにするための3つの鍵
①自己評価を高めるためのトレーニング
1)自分を知る
2)自分を否定する言葉が正しいかどうかをチェックする
3)現実を歪めて解釈しないようにする
4)自己評価の根拠を見極める
5)自分を自分の親友だと思う
6)何でもかんでも自分が悪いと思わないようにする
7)ネガティブな考えをポジティブな考え方にする
8)ポジティブな考えを受け入れる
9)自分を否定する思考パターンを知る
10)自己評価の悪いサイクルから抜け出す
11)行動や自己主張をする
②行動するためのトレーニング
1)自分の強みを知る
2)周りの人にあなたの良いところを聞いてみる
3)うまくできたことをメモする
4)決断する
5)目標は身近なところに設定する
6)失敗とうまく付き合う
7)イメージトレーニングをする
8)行動を先延ばしにしない
9)不安に少しずつ慣れていく
10)少し立ち止まって感覚をリフレッシュさせる
③自己主張をするためのトレーニング
1)自分の希望や要求を伝える
2)自分が不快だと伝える
3)相手の要求に対して「ノー」と言う
4)批判に対して反論する
5)自分をアピールする
◯自分の思い込みから自由になるトレーニング
①自分の思い込みを知る
②自分の思い込みを疑う
③自分の思い込みのデメリットを知る
④とことん悪い方向に考えてみる
◯専門家と行うトレーニング
①過去を遡って原因を突き止める
②自分の過去を書き換える
③両親のコピーではない、自分の個性を作る
④両親に手紙を書く
本シリーズはどれも良書揃いなのですが、特に応用範囲が広く、私の持っているコンテンツ類の裏付けとして今後出番が多くなりそうです。良い循環を無意識レベルで回したいのですが、その最初の一歩は認知であることが多く、この認知が否定的であった場合、こうやって自身のなさ、そして無行動へと人を導くのかと思うと、セミナーやコーチングセッションなどで活用できるように早く頭を整理したいと思います。ご紹介しているワークは、本書の中ではそれぞれ具体的な方法が記載されています。