『死について41の答え』(OSHO)
20世紀のインドを代表する思想家OSHOが語った、死に対する思想。タブー視されるテーマかもしれませんが、自分の中の内省の書として読んでみると、今の生き方を考えるきっかけともなり、死と生は表裏一体の不可分な関係であることを感じます。
◯「死が他のすべての人に起こっているとすれば、私も例外ではありえない」この結論に達したとき、人は本当に成熟した人になる。
・40代後半から急に意識しだし、仏教の勉強を始めたこともあり、この言葉がすっと入ってきました。
・田坂広志先生(多摩大学教授)のおっしゃる人生の3つの真実。
①人は必ず死ぬ
②人はいつ死ぬかわからない
③人生は一度しかない。
→50歳が近づくにつれ、この中の、特に2番目を言葉を意識するようになりました。だからこそ、時間の使い方について、とても敏感に、そして大切に考えるようになってきています。
◯「生まれた人は死ななくてはならない。始まったものは終わらなくてはならない。しかし、終わりがなければ、始まりもない。だから、終わりをまぬがれたいと思ったら、けっして始まりを望まないことだ」
→仏教に「諸行無常」という言葉があるように、ものごとは必ず移りゆき、けっして今のまま止まることはない。だけど、できるだけ長くとどめたいと思う気持ちを持つのが人であり、一方で長く永遠にとどめたいと思うから「苦」が生じる。何事もいつかは手放す時が来るという覚悟は持っておかなければいけないし、そう思うことで執着の気持ちが薄らぎ「苦」も薄らぎ、楽に生きられる。スローライフ、足るを知る、断捨離、それぞれ通じるところがあります。
◯死を越えるための瞑想
本書には、14種類の瞑想が紹介されています。いずれもマニアックな感じですが、いくつか実際に試してみて、普段から瞑想をしている人がさらに瞑想を深めるために効果があると感じました。タイトルだけあげるとこんな感じです。
①ハミング瞑想
②過去を終わらせる
③呼吸を使って生と死に気づく
④自分が消えていく
⑤全身と脳がくつろぐ
⑥生と死の瞑想
⑦死が存在しなくなる
⑧死は幻想だと気づく
⑨すべてを観照する
⑩死に方を学ぶ
⑪身体から自由になる
⑫死の恐怖を克服する
⑬身体が燃えて、無我の境地に至る
⑭世界が燃えて、超人の意識を知る
◯痛みへの対処法
①痛みをあるがままに受け入れる
・「身体とはこういうものなのだ」「物事とはこういうものなのだ」と闘いを生み出さない、格闘し始めないこと。
②痛みを見守る
・静かに痛みを見守ると、3つのことが生じる。
1)見つめれば見つめるほど、痛みがどんどんひどくなる
2)痛みはもっと一点に凝縮される
3)集中した一点を見続けていれば、何度もそれが消え失せることに気づく
③痛みと戦わない
④二度、痛みに気を止める
・仏陀は頭痛がするとき、ただ2回「頭痛、頭痛」と言うようにと、弟子たちに教えた。気に留めなさい。しかし評価はしない。
⑤感覚のすべてを閉じる
・一瞬息を止める。感覚のすべてが閉じるだろう。