『運気を磨く』（田坂広志）（◯）＜２回目＞
最新刊『死は存在しない』(2022/10発売）を読むにあたり、前作を読み直しました。
本書『運気を磨く』から『死は存在しない』への流れがあり、本書を読んでおくことが最新刊を読む効果を高めます。本書は、良い運気を引き寄せる核になるものは何か。科学的にはまだ証明されていないが、多くの人が存在を感じている「運気」に焦点を当てながら、現代科学の最先端の研究の一つである「ゼロポイントフィールド」について（ここは最新刊『死は存在しない」で深掘りされています）も述べられています。
（印象に残ったところ・・本書より）
◯良い運気を引き寄せられない本当の理由
・従来の方法は、心の世界を「ポジティブな想念」で満たせば、「ポジティブなもの」を引き寄せ、「良い運気」を引き寄せるということを述べている。
・しかし、ネガティブな想念を消すことなく、ただ、ポジティブな想念を心の世界に持とうとしても、すでに心の中に存在するネガティブん想念の力が、ポジティブな想念の力を打ち消してしまう。
・どうすれば、心の中のネガティブな想念を消すことができるのか？（本書の主題）
◯良い運気を引き寄せる３つの方法
①人生の習慣を改める
②人生の解釈を変える
③人生の覚悟を定める
◯運気とは
①直観が閃くこと
②予感が当たること
③好機をつかむこと
④シンクロニシティが起こること
⑤コンステレーションを感じること（星に意味合いを見つけ星座ができるように一見無関係な出来事や出会いに何らかの意味を感じること）
◯良い運気を引き寄せる心の５つの世界
・従来から、運気というものは「心の状態」がその心と共鳴するものを引き寄せるために生まれてくると考えられてきた。
・心の世界には５つある
①個人的な意識の世界
②集合的な意識の世界
③個人的な無意識の世界
④集合的な無意識の世界
⑤超時空的な無意識の世界
◯これまで語られてきた「無意識を変える方法」では、無意識の世界を変えることができない３つの理由
①我々の無意識の世界には、日々、多くのネガティブな想念が刷り込まれ続けているから
②我々の無意識の世界には、すでに、かなりのネガティブな想念が染み込んでしまっているから
③我々の無意識の世界は、表面意識の世界と反対の想念が生まれる「双極的な性質」を持っているため、ポジティブな想念を抱こうとすると、逆に心の奥深くにネガティブな想念が生まれてしまうから。
・問題は、表面意識と無意識の世界にあるネガティブな想念をいかに消していくかである。
→「無意識を変える方法」として最も大切なのは、「ポジティブな想念」を抱く方法ではなく、「ネガティブな想念」を消す方法。
◯ネガティブな想念を消す３つの技法
①「無意識のネガティブな想念」を浄化していく技法
１）自然の偉大な浄化力に委ねる
⇨自然に身を浸し、自然と正対する
２）言葉の密かな浄化力を活かす
→ネガティブな日常言葉を使わない/ポジティブな日常言葉を使う
３）和解の想念の浄化力を用いる
→心の中で感謝の言葉を述べる
②「人生でのネガティブな体験」を陽転していく技法
１）自分の人生には多くの「成功体験」があることに気づく
２）自分が運の強い人間であることに気づく
３）幸運に見えることが起こった時だけが運が良かったのではない。不運に見えることが起こった時も、運が良かったことに気づくべき。
４）自分に与えられた幸運な人生に感謝する
５）自分の人生に与えられた究極の成功体験に気がつく
③「究極のポジティブな人生観」を体得していく技法
・５つの覚悟を定めた人生観を体得していく技法
１）自分の人生とは、大いなる何かに導かれていると信じる
２）人生で起こること、すべて、深い意味があると考える
３）人生における問題、すべて、自分に原因があると引き受ける
４）大いなる何かが、自分を育てようとしていると受け止める
５）逆境を越える叡智は、すべて与えられると思い定める
本書を読むと、「ポジティブ思考＝プラスのことを引き寄せる」と思いがちですが、ポジティブに考えようと思っていても、深層心理では「それはできないんじゃないか」というようなネガティブ感情が湧いていることを見落としがちだということに気づきます。だからこそ、どう考え、どう行動するか。目に見える世界と目に見えない世界の両方を捉えて、運気を高めていく。在り方を一歩深めるのに役立つ良書だと思います。
