MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

組織開発と人的資源管理の進め方(エドガー・H・シャイン他)

『組織開発と人的資源管理の進め方』(エドガー・H・シャイン他)

 キャリアカウンセラー・コンサルタントの方が、クライエント側だけではなく、企業側の人的資源管理(HRM)や組織開発を学びましょうというコンセプトの一冊。MBAの人材マネジメント×キャリアカウンセリングという両方の領域にまたがった内容です。確かに、有効なキャリアカウンセリング・コンサルティングを実施するなら、クライエントのことも、人事のことも、経営全般のことも、かなり幅広く知っておく必要があります。キャリアカウンセリング・コンサルティングと企業の人材マネジメントは分野が別々なので、書籍も別々・・・という中、こういう書籍はありがたい。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇エンプロイアビリティ保障(雇用機会の保障)

 いくつかのプロジェクトに関わるうちに、何らかの新しい技術や知識が身につき、結果的にそれによって別の会社でも通用するような人材になっている。別の視点から言えば、若いエンジニアのようなきゅおいく水準の高い従業員は、いずれにしろ別の会社に転職することも多く、それならば初めからそうしやすいようにしたほうがいい。これが、アップル社がいう「忠誠心を持たなくても良い」ということの意味。

 

HRM(Human Resource Management)部門の4つの役割

①従業員の擁護者

②専門的管理者

③トップの戦略上のパートナー

④善悪を判断するプロフェッショナル

 

〇キャリアへの文化の影響

個人主義集団主義

②権力の格差

③計画対象期間

④ワーク・ライフ・バランス

⑤性差(ジェンダー

⑥年齢差

 

〇各キャリア・アンカーが求める人的資源管理システム

①「専門・職能別コンピタンス」の従業員

・常に自分の専門分野のやりがいのあるおもしろい仕事を求める

・自分の能力に対し、市場価値にふさわしい給与を求める

・自分の才能を真に理解してくれる、同業種の仲間から認められることを求める

・管理職につきたがらない

②「全般管理コンピタンス」の従業員

・管理職タイプで管理職や重役を目指す

・組織全体を理解するために、たくさんの部署の経験を望む

・部下よりもどれだけ高い賃金を貰っているかが成功の基準

・対人関係やグループ・スキルが非常に重要

・部下に気配りができるような人間性が求められる

③「ライフスタイル」の従業員

・自分の生活のすべてをキャリア=仕事に支配されることを好まない

④「起業家的創造性」のキャリアアンカー

⑤「自律・独立」のキャリアアンカー

⑥「保障・安定」のキャリアアンカー

⑦「奉仕・社会貢献」のキャリアアンカー

⑧「純粋な挑戦」のキャリアアンカー

 

〇プロセス・コンサルテーションの典型的なプロセス

①クライアント組織との初めての接触

 コンサルタントが余談を持ってしまうと、コンサルタント側の決めつけや押しつけにつながりかねない。

②率直な質問と傾聴

 大切なのは、まずは、クライアントが言っていることをよく聞いて、彼らが何を問題だと思っているかということを静かに耳を傾けること。

コンサルタントとクライアントとの人間関係の確立と心理的契約の明示

コンサルティング活動の環境と方法の選択

⑤診断のための介入とデータ収集

⑥対決的介入とデータの収集

⑦介入行動の縮小と終了

 

コンサルタントはいかに文化を取り扱うべきか

・クライアントが、組織の存続のために解決しなくてはならないビジネス上の問題を抱えているということを確認したうえで仕事に取りかかる。

コンサルタントはクライアントから問題は何なのかということを説明してもらう。

・問題を具体的な行動を示す表現や言葉で表せるように助ける。「ちょっと例を挙げて説明してください」

 

〇組織文化をどう分析するか

・ポイントは「一緒に」。プロセス・コンサルテーションで最も重要なのは、クライアントとコンサルタントがチームになって、一緒に次のステップへ進むということ。

・従来型のコンサルタントは、コンサルタントが解決策を見つけ、それをクライアントに勧める。それに対し、プロセス・コンサルテーションでは、これをクライアントとともに行う。

 

 冒頭の「はじめに」に、シャイン理論は抽象度が高いことにより「難しい」と言われることも少なくなく・・とありましたが、それは感じる内容でした(したがって、まとめにくい)。本書一冊ではなく、他のシャイン先生の書籍とあわせて読んでいくとだんだんと繋がっていくような気がします。ということで、これ1冊では終われない感覚です。

シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方: プロセス・コンサルテーション技法の用い方

シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方: プロセス・コンサルテーション技法の用い方

  • 作者: エドガー・H.シャイン,尾川丈一,石川大雅,Edger H. Schein,松本美央,小沼勢矢
  • 出版社/メーカー: 白桃書房
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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