MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ゼロからのプレゼンテーション(三谷宏治)

『ゼロからのプレゼンテーション』(三谷宏治

 コンサル駆け出しの頃に他人のプレゼンテーションを真似した頃から現在までの成長ステップに合わせて、著者が心がけていらっしゃるエッセンスをまとめた一冊。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯コンサル人生最初の大舞台に向けて

・プレゼンを自撮りし、いかに下手か、どんなにつまらないかを知るところからスタート。

・まず優れたプレゼンビデオを何回も見て、言い回しを全て書き取って、全部真似た。冒頭の入り方、ページごとのセリフ、途中の間の取り方まで全て。それをひたすら覚えて練習した。

・自分のプレゼンは、A4の白紙に赤ペンでセリフを全部書き込み、ジョークも、自分の笑い声も、語尾の一つひとつもすべて。

 

◯プレゼン進化の3段階

①基本レベル:少人数向けプレゼンテーション

 10枚20分。完結にわかりやすく。

②上級レベル:幹部相手の大プレゼンテーション

 50枚90分。場をコントロール

③達人レベル:誰でも、何人でも

 言葉に頼らず印象的に。

 

◯基本レベルの資料

・言いたいことを書き下す:アウトライン機能

・1枚:1文:ワンスライド・ワンメッセージ(短く:1文30字以内)

・表現:色や動きはシンプルに(いずれも3種類で十分)

・全体:マップとインパクト(流れが変わる)

 

◯基本レベルのトーク

・全部暗記:全部書き下ろして丸暗記する。アンチョコ付き。

・基本姿勢:視線は前、手は斜め上にしてあまり動かさない。1枚2分。

・ポイントのみメモ

・つなぎだけメモ(中級)

 

◯上級レベルのトーク(場を支配する)

・聴衆はバラバラ⇨場の支配(向きを揃える)⇨期待コントロール(でも立場は違う)⇨つかみとグループワークで意見シェア・参加感アップ。

 

◯ここの壁を破るために

・まず問題から⇨みんな失敗する⇨正解と手法を伝授⇨もう一回問題に取り組むとできる!

 

◯スライド化を習慣にする

・すでにある強い習慣(例:メール)⇨長文をベタ打ちしない⇨長文ものはワードでアウトライン機能を使う⇨これがメールのスライド作りの練習になる

 

◯基本編

①聞いてわかるシンプルな資料

・色、アニメーション、トランジションは、「絞る」「統一する」

・資料を声に出して読んだ時、相手が聞いてわかること

・伝わりやすい文章の極意は「文が短い」こと。文章は1行で。フォントは18ポイント以上。

トーク内容を書いて丸覚えする

・スライドは1枚2分

・伝えたいことができたら、まずは文章にして書き下す。全部書いて全部覚える。全部書き込む。

③ポイントだけメモする

・スライドで話すポイントだけを紙に書く

・大事な箇所を色付けするルールは、「原則1色、最大3色」「文章全体ではなく、単語か部分」

④流れを示す

・スライドのつなぎ言葉(7つ)

 だから、しかし、また、さらに、つまり、もしくは、ところで

・コツはスライドを次に送る前からつなぎの言葉を始めること。前のスライドのノートに書き込んでおく。

・最初に全体像を示す。「その理由は3つあります・・・」

 

◯アニメーション(基本は3つ)

①テキストは、「ダウン」

②図形は、「フェード」

③各スライドでのまとめコメントは、「カーブ」

 

トランザクション(3〜4種類で十分)

①フェード:基本

②さざ波:若干変わるとき

③キューブ:途中や最後のまとめのスライド

④扉:話が大きく変わるとき

 

◯プレゼンテーションスライドの役割

 報告資料が「本」だとすれば、プレゼンパックは、少なくとも「本の目次」や「要約」ではない。プレゼンパックは、「本の表紙や帯」であり、その結論。潜在的な読者を惹きつけ、手に取らせ、ある意思決定を引き出すためのもの。

 

トレードオフを明確に見せる

・戦略とは捨てること。大きなリターンを狙うということは、大きなリスクを背負うこと。ある方策を選んだということは、他の方策を捨てたこと。

・ピラミッド型の緻密な階層型の組み立てである必要はない。重要なのは、インパクトあるスライドを中核に組み立てるということ。

「1個の数字」

「1枚のグラフ」

「1行のコメント」

 

◯スタンド・アローン

・プレゼンでは、絶対座らない。立っていることは義務ではなく権利。立っている人間は、自動的に議論のファシリテーターになれる。

・舞台に役者は一人。喋る前から始まっている。あなたの姿勢は、観客に向かって多くのメッセージを発している。確信、不安、集中、余裕・・。

 

◯場の支配

①まずは社長との雑談から

・今朝の日経新聞ネタでもいいかもしれないが、どこでも役立つのが「今日の受付ネタ」。クライアント先に早めに行って30分。じっと受付(やロビー)周辺を観察してみる。

②バラバラの期待を整理する

・現実より期待を変えるしかない。

・「あなたの立場を教えてください」「次のうち、どれに一番近いでしょうか」

・最初の挙手と宣言。これだけでも「変な不満」はグッと減る。全員の満足なんて追いかけない。そう割り切って伝える方が、全体の満足感は上がる。

 

◯質疑応答

・質問自体が体をなしていないのに、それになぜただ応えようとするのか。質問者も意図があるならそれをなぜはっきり言わないのか。意図と違う答えが返ってきたら、なぜそこを突っ込まないのか。

・質疑応答は、何のために存在するのか。それは、「発展的議論」のステップ。

 

 当たり前ですが、著者にもそんな若かりし駆け出し時代があったのですねと、ちょっと微笑ましくもなってしまいました。だから自分も今からでも頑張れる。いきなりジャンプアップするものでもなく、工夫と努力の積み重ね。時間も投入しなければいけない領域。思ったことをいかに伝えられるか。1対1のコミュニケーションとは違った難しさがあるがゆえに実力差は結果に直結。説明力、構成力、コンテンツ作成能力、センス、質疑対応力・・そう考えると、コミュニケーションの総合格闘技っぽいですね。

ゼロからのプレゼンテーション ―「ものまね」から達人までの全ステップ

ゼロからのプレゼンテーション ―「ものまね」から達人までの全ステップ

 

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