MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大学(宇野哲人)

『大学』(宇野哲人) 四書五経の四書のひとつ『大学』。著者ははっきりしていないようです。五経の『礼記』の一篇だったものを分離独立したもので、儒教の政治思想の根幹を要領良くまとめた内容になっています。あの二宮金次郎が薪を背負いながら読んでいる…

『言志四録(四)』(佐藤一斎、全訳注:川上正光)(◯) 四巻セットの第四巻は『言志耋(てつ)録』。著者(佐藤一斎:1772〜1859年)が80歳から82歳に記した340条からなる語録です。ピンとくるもの、来ないもの。古典、特に語録系を読みながら思うのは、読…

孟子(貝原茂樹)

『孟子』(貝原茂樹) 孔子と並ぶ賢者として孔孟と呼ばれ、著書『孟子』は四書五経の四書のひとつとされています。魏・燕・斉などの七強国が覇権を争った中国戦国時代に、小国の鄒(すう)に生まれ、諸国を巡って説いた仁政とは。本書は、『孟子』本文に入る…

四書五経 一日一言(渡部昇一)

『四書五経 一日一言』(渡部昇一)(◯) 言葉の美味しいとこどりができる一日一言シリーズ。最初に「一日一言」から入って、本編の書籍に移るもよし、本編の書籍をある程度読んでから、総まとめ的に「一日一言」を読むもよし。私は後者でしたので、復習的に…

いつでも100%の力を発揮できる心の整え方(東篤志)

『いつでも100%の力を発揮できる心の整え方』(東篤志)(◯) 著者は、帯にもあるようにスポーツクライミングの楢崎選手、野口選手をサポートされているスポーツメンタルコーチ。ともにコーチングを学んだ同期で、都内・神奈川県内に整骨院、パーソナルトレ…

『言志四録(三)』(佐藤一斎、全訳注:川上正光)

『言志四録(三)』(佐藤一斎、全訳注:川上正光)(◯) 四巻セットの第三巻は『言志晩録』。著者(佐藤一斎:1772〜1859年)が67歳から78歳に記した292条からなる語録です。ピンとくるもの、来ないもの。古典、特に語録系を読みながら思うのは、読み手の体…

孫子(浅野裕一)

『孫子』(浅野裕一)(◯) 最近、講談社学術文庫を読み進めています。友人とたまたま孫子のことをことが話題になったので、改めて孫子を読み直してみようと思い本書を買ってみました。孫子はたくさんの本が発売されていますが、本書はとても読みやすい内容…

クレーム対応 最強の話し方(山下由美)

『クレーム対応 最強の話し方』(山下由美)(◯) 著者は元地方公務員で、1日200件もの苦情に対応。クレーム解決力がすごすぎて、「クレーマーファンクラブ」まで作られるようになったという強者の方です。独立してからは、指導企業1000社・延8000人以上に…

空の哲学(OSHO)

『空の哲学』(OSHO) 20世紀のインドの思想家OSHOのタントラ瞑想シリーズの一つで、1年以上にわたる全80回の講話集のうち8講話が納められています。成功を願う欲求、エゴとそれを手放す空による幸福の世界観。精神世界のテーマでもあるので、読み手がどう…

奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業(荻野弘之、かおり&ゆかり)

『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』(荻野弘之、かおり&ゆかり)(◯) エピクテトス(50/60年頃〜135年)は、ローマ時代(ネロ帝〜ハドリアヌス帝)のストア派を代表する哲学者。人間に付き纏う共通の悩みや不安を一変させるような言葉。一読して「な…

言志四録(二)(佐藤一斎、全訳注:川上正光)

『言志四録(二)』(佐藤一斎、全訳注:川上正光)(◯) 四巻セットの第二巻は『言志後録』。著者(佐藤一斎:1772〜1859年)が57歳からの約10年間に記した255条からなる語録です。ピンとくるもの、来ないもの。古典、特に語録系を読みながら思うのは、読み…

原始仏典 長部教典II(第2巻)(監修:中村元)②

『原始仏典 長部教典II(第2巻)』(監修:中村元)②(◯) ボリュームがあり、内容も濃いため分割してまとめています。今回は、「大縁方便経」。大本経で語られた縁起(※)の詳説に加え、無我の教えとの関連も示される重要教典。本経では、①縁起、②無我、③…

言志四録(一)(佐藤一斎、全訳注:川上正光)

『言志四録(一)』(佐藤一斎、全訳注:川上正光)(◯) 江戸時代末期の大儒である著者(1772〜1859)が後半生の四十余年に渡って書き上げた4つの語録(言志録、言志後録、言志晩録、言志耊(てつ)録)の最初の1冊目です。門下生には佐久間象山(さらに…

神社に行っても神様に守られない人、行かなくても守られる人(岡田能正)

『神社に行っても神様に守られない人、行かなくても守られる人』(岡田能正) つい先日著者の講演を拝聴する機会に恵まれました。在り方が素敵な方だということが、感覚的に伝わってきました。謙虚な姿勢、物腰の柔らかさ、お話される言葉の選び方。滋賀県近…

科学的な適職(鈴木祐)

『科学的な適職』(鈴木祐)(◯) 就職・転職の失敗の7割が視野狭窄。本書は、仕事選びにおける意思決定の精度を高めることを目的に、分かりやすい職業選びの視点をまとめた一冊。「えっ?」という驚き、気づきも得られ、就職・転職が頭をよぎる方は一度目…

エモいプレゼン(松永俊彦)

『エモいプレゼン』(松永俊彦)(◯) プレゼンは、相手に自分の考えを伝え、納得し、行動してもらうこと。相手に行動してもらうことが大事で、伝えることがすべてではありません。そのためには、先に感情、後から理屈。エモーショナルなプローチが有効とな…

実践行動経済学(リチャード・セイラー他)

『実践行動経済学』(リチャード・セイラー他) 2017年ノーベル経済学賞受賞の著者による行動経済学の入門書。といっても400ページ近くあるしっかりした本です。日常においてどんな場面で行動経済学の原理が働いているのか、貯蓄・投資・借金、医療・環境・…