MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

寂聴 般若心経(瀬戸内寂聴)

『寂聴 般若心経』(瀬戸内寂聴)(◯) とってもわかりやすい寂聴さんの全11回の講話集。毎回、前半戦は余談から入り、半ば以降が般若心経の解説という構成。語り口調というのもわかりやすいし、端的にでありつつ、大事な点は繰り返し出てくるのが、ちょうど…

論語と算盤(渋沢栄一)

『論語と算盤』(渋沢栄一)(◯)<4回目> あまりに良書なため、勉強会のテーマとして取り上げることにしました。コンテンツ作成のために改めて読み直しましたが、特に前半戦は線引き箇所が多数になります。今回は、これまでに線を引かなかったところで、…

墨子(浅野裕一)

『墨子』(浅野裕一) 中国春秋時代末、墨子によって創始された墨家の学団は、約200年間、巨大な静慮を維持して、思想界を儒家と二分する存在だった。秦による中国再統一から帝国の滅亡などの中で突如姿を消し、以後約2000年間『墨子』はほとんど読む人もい…

働き方5.0(落合陽一)

『働き方5.0』(落合陽一)(◯) 2016年に出版された本のリバイバル本です。リバイバル本は商業目的っぽくて好きではないのですが、2016年の感覚と4年経った現在の状況で読む感覚では何かが違い学びになるかもしれないと思って、敢えて買ってみました。そし…

売上を減らそう(中村朱美)

『売上を減らそう』(中村朱美)(◯) 京都で国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋」を経営する著者が、「ランチのみ1日100食限定で残業ゼロという飲食業界の常識を覆す経営の実態を語った一冊。かなり引き込まれるストーリーと工夫があり気づきが多かったことや…

宋名臣言行録(朱熹編、梅原郁編訳)

『宋名臣言行録』(朱熹編、梅原郁編訳)(◯) 『貞観政要』と並ぶ帝王学の書で明治天皇の愛読書のひとつ。今から約1000年近く前、中国の北宋時代の八代の皇帝と臣下の会話をまとめた一冊です。統治に必要な心構えを転じて、リーダー、その中でもトップの考…

本の読み方(平野啓一郎)

『本の読み方』(平野啓一郎)(◯) 「スロー・リーディングの実践」と題された本書。速読のデメリットを突きつつ、多読するよりも一冊をじっくり読んだ方が結局は良いと言うことが伝わってくる一冊です。小説、文学作品、そして私の場合は、内省目的の本も…

非対称情報の経済学(藪下史郎)

『非対称情報の経済学』(藪下史郎) 「スディグリッツと新しい経済学」というサブタイトルが付された本書。『世界標準の経営理論』(入山章栄)の第5章・第6章のテーマであった情報の経済学「情報の非対称性」「モラルハザード」をメインに扱った新書があ…

ゼロからつくるビジネスモデル(井上達彦)

『ゼロからつくるビジネスモデル』(井上達彦) 本書は、実践を前提とした「ビジネスモデルのつくり方ガイドブック」。何が起こるかわからないという状況で頼りになり、実践者の生きた知識を体系化した一冊です。多数の事例掲載とともに底から帰納法的に導き…

人生の哲学(渡邊二郎)

『人生の哲学』(渡邊二郎) まだ私には早かった一冊。生と死、愛、自己と他者、幸福論、生きがいといった、人生そのものと言っていいテーマについて論じた一冊。とても魅力的に感じ、買ってみましたが、まだ深く入っていけるようではありました。おそらくそ…

両利きの組織をつくる(加藤雅則、チャールズ・A・オライリー他)

『両利きの組織をつくる』(加藤雅則、チャールズ・A・オライリー、ウリケ・シューデ)(◯) VUCAと呼ばれる目まぐるしく変わる現代社会。そんな中で従来型の大企業がどのように既存事業を守りながら、新規事業を立ち上げていくのか。2019年に『両利きの経営…

私とは何か(平野啓一郎)

『私とは何か』(平野啓一郎)(◯) 田坂広志さんの『人は誰もが、「多重人格」』を題材にして勉強会資料を作成していた際に、お友達からご紹介いただいた本書。内容的に同じテーマの話でした。「個人」という普段使っている言葉に対し、「分人」という、実…