MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

仏教要語の基礎知識(水野弘元)

『仏教要語の基礎知識』(水野弘元) 高野山大学の参考書籍です。本書は、仏教を学ぶ上で欠かせない重要ワードを解説した一冊。言葉を見ただけでは理解するのが難しいものが多いので、解説を読みながらイメージを掴んでいくことは学びの過程としても大事だと…

ガンダーラ美術にみるブッダの生涯(栗田功)

『ガンダーラ美術にみるブッダの生涯』(栗田功) 高野山大学の参考図書。仏陀の生涯を彫刻で辿る、言葉と写真が程よいバランスの一冊です。ブッダの本を読んでいると、なんせ2500年も前の話なので、言葉だけではイメージが湧ききらないところがありましたが…

ブッダ 神々との対話(中村元)

『ブッダ 神々との対話』(中村元) 「サンユッタ・ニカーヤ」の前半部分です。「サンユッタ・ニカーヤ」とは「主題ごとに整理された教えの集成」の意味で5集より成る。第1集は「詩句をともなった集」と名付けられ、「ブッダのことば(スッタニパータ)」…

ブッダ伝(中村元)

『ブッダ伝』(中村元)(◯)<2回目> 高野山大学で受講している5講座のうちの一つに「仏教要論1(仏陀の伝記)」があるので、再読してみました。やはり昭和を代表する仏教研究家である著者の訳はとっても読みやすいことを認識しました。ブッダの生涯と…

荀子(上)(訳注:金谷治)

『荀子(上)』(訳注:金谷治)(◯) 性善説の孟子に対し、性悪説の荀子。良い悪いというよりも、性善説はリーダーシップの精神で仁を説く。性悪説は識字率が著しく低い当時、国民を統治するには統治の仕組みをしっかり作り制度で統制していくことが良いと…

ゴータマ・ブッダ(羽矢辰夫)

『ゴータマ・ブッダ』(羽矢辰夫) 高野山大学の通信講座のテキスト。まずは一読してみました。ブッダの生涯的な本はすでに何冊か読んでいますが、本書は、人生の流れに沿って要所を取り上げて解説した一冊で、一見してとても読みやすく、とっつきやすい内容…

仕事の報酬とは何か(田坂広志)

『仕事の報酬とは何か』(田坂広志)(◯) もう何回めかよく覚えていないほど読んでおりますが、「一体何のために働いているのか?」。単にお金のためではない。人生を豊かにするためには、仕事を自分の中でどう位置付けるか、どういう心構えで取り組むのか…

貞観政要(呉兢、訳:守屋洋)

『貞観政要』(呉兢、訳:守屋洋)(◯) 本書は、「帝王学」とも呼ばれる書物で、中国唐の時代太宗李世民(在位626〜649年)とそれを補佐した名臣たちの政治問答集です。創業とはまた違った苦労がある時代が安定期に入った際の守成(守り)の時代をいかに耐…

マンガ老荘の思想(蔡志忠、和田武司、野末陳平)

『マンガ老荘の思想』(蔡志忠、和田武司、野末陳平)(◯) 無為自然で有名なスローライフ生活の老荘思想。本書は、漫画で老荘思想のエッセンスがわかるというとっつきやすさ。ページ下部にミニ解説が書かれており、これがまた勉強になる。中国古典という難…

哲学と宗教全史(出口治明)

『哲学と宗教全史』(出口治明)(◯) 著者は、日本生命で部長職まで務め、ライフネット生命の社長・会長を経たうえで、立命館アジア太平洋大学学長に就任された方です。超読書家(1万冊以上)でもあり、世界1200以上の都市を訪れ、歴史への造詣が深く、歴…

老子(池田和久)

『老子』(池田和久)(◯) 老荘思想、無為自然、道で有名な老子は、道教の始祖。その後、『荘子』や『呂氏春秋』などに影響を及ぼした思想は、今でいうところの「スローライフ」。全81章を読んでみて感じたのは、逆説的な発想、正反合の弁証法的発想が随所…

孝経(全訳注:加地伸行)

『孝経』(全訳注:加地伸行)(◯) 中国古典。ちょっと難しいですが、『孝経』本編に加え、『孝経』とは何か、『孝経』の歴史など、『孝経』を読み解くのに役立つ情報が纏まっている一冊。そもそも『孝経』とは、「孝」という字が示すように、物・心ともに…

幸福論(ラッセル)

『幸福論』(ラッセル)(◯)<3回目?> 世界三大幸福論のひとつ。再読してみて、だんだんと日常生活で当たり前のものと感じている部分が多くなってきており、読んでいても入りやすくなってきたのを感じます。具体的には、以前線引きした箇所の納得感、途…

中庸(宇野哲人)

『中庸』(宇野哲人) 四書五経の四書ひとつである『中庸』。足して2で割ったような平均的な意味で用いる中庸ではなく、本書でいう中庸とは、その場、その時にもっとも適切妥当なこと。だから、本当の意味での中庸は、生易しいことではなく、常に中庸を得る…

渋沢百訓(渋沢栄一)

『渋沢百訓』(渋沢栄一)(◯) 原書は『青淵百話』。この中から57話が精選された本書。『論語と算盤』も良いですが、こちらの方も良書です。『論語と算盤』に比べると取り上げられているテーマが広く、「国家論」「人生観」「経営観」など経済社会全体を良…

人物を創る(安岡正篤)

『人物を創る』(安岡正篤) 四書五経のひとつ『大学』を読んだばかりで、やはり解説が欲しいなぁと思って再読(何回めだろ?)しました。本書は、「平成」の元号の生みの親でもあり、昭和を代表する東洋思想の大家である著者が、『大学』と『小学』について…

論語と算盤(渋沢栄一)

『論語と算盤』(渋沢栄一)(◯) 名著中の名著です。官僚経験があり、実業家の著者がバイブルとされている『論語』と実業が結びついた世界観。江戸から明治に変わる時代に、「和魂漢才」という菅原道真の言葉を文字って「士魂商才」と唱え、武士の精神のみ…