『コーポレートファイナンス(上)』(リチャード・ブリーリー他)
<2回目・1~3章>(〇)
2周目は、各章ごとに主要ポイントをまとめながら読み進めていきたいと思います。
(ポイント‥本書より)
【第1章:企業の目標とガバナンス】
〇財務担当者の問題
①企業は何に投資すべきか
企業の市場価値と株式の現在価値を上げること
②その投資の支払いをどのように行うか
〇財務担当者は、株主が企業に提供する資本の機会費用を参考にする。
企業の成功は、いかに上手に経営者や社員全員を価値の増大に向けて働かせるか。
適切なインセンティブや報酬パッケージを組み合わせた、コーポレート・ガバナンスの優れた仕組みによって、価値増大に向けて協力するよう仕向けること。
〇コーポレートファイナンスの3つのテーマ
①価値の最大化
②資本の機会費用
③インセンティブとガバナンスの決定的な重要性。
〇ハードルレート(最低限の収益率)
企業がリスクのある投資を行う場合の資本の機会費用は、投資家が金融市場において同じリスクの水準で達成できるであろう期待収益率である。
【第2章:現在価値の計算方法】
〇今日の1ドルは明日の1ドルよりも価値がある
お金は投資されれば利子を生む。資産は、(1+金利)のべき乗(複利計算)で増えていく。
〇現在価値(PV)
将来のキャッシュフローを適切な率rで割り引く。
例えば、キャッシュフローをt年後に受け取る場合は、「キャッシュフロー/(1+r)のt乗」となる。
収益率rは、割引率、ハードルレート、資本の機会費用とも呼ばれる。
〇純現在価値(NPV)
「現在価値ー投資額」。現在価値から投資額を引くだけ。
・純現在価値ルール:正の純現在価値を有する投資は採用
・収益率ルール:資本機会費用を上回る収益率を提供する投資は採用
〇安全なドルはリスクのあるドルより価値がある
将来のキャッシュフローが絶対安全であれば、割引率は米国債のような安全な証券の金利である。将来のキャッシュフローが不確実であれば、期待キャッシュフローは同等のリスクを有する証券が提供する期待収益率で割り引かれるべき。
〇融資の金利はプロジェクトのリスクとは何の関係もない
〇永久債:政府に元本の償還義務はないが、毎年一定額の利子を永久に払い続ける債券
〇年金型投資商品:限られた期間において定額のキャッシュフローを生み出す投資
【第3章:債券の評価】
〇債券のデュレーション
「債権のデュレーション(※)」と「債券価格の金利変動」には直接的な関係がある。デュレーションの長い債券のほうが金利の変動の影響が大きい。
(※)債券がもたらす現金支払いを受け取るまでの平均期間を加重平均したもの。加重平均は、その時点で受け取る(各年の)キャッシュフローの現在価値を総額で割った値(年数)。
・デュレーション/(1+r)=例:3.6年÷1.03=3.49%
→最終利回りが1%変化すると、債券価格は3.49%変化することを意味している。
〇期待理論
「長期のスポット金利」が「短期のスポット金利」より高いことは長期で投資する方が収益性が高いということではない。短期の債券を継続的に保有する投資家が長期の債券を保有する投資家と同じ収益率を期待できるように債券は価格付けされる。
〇債券は、年金型投資商品(クーポンの支払い)と1回の最後の支払い(元本の返済)のパッケージとして評価できる。
〇債券価格と金利
債券価格と金利は必ず反対の方向に動く。債券の金利の尺度である最終利回りは、債券価格を説明する割引率として定義されている。
2周目に入っても分からないところはあるわけで。
不明点には印をしつつ、とりあえず主要論点を押さえながら先に進むことにします。1周目よりも、読みやすくなった感じがします。ちょっと慣れてきたか!
- 作者: リチャード・A・ブリーリー,スチュワート・C・マイヤーズ,フランクリン・アレン,藤井眞理子,國枝繁樹
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/06/20
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