『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』(嶋浩一郎)
著者は、博報堂ケトルCEOでクリエイティブディレクター。アイデアを生み出し続けるための、日ごろの情報収集方法と情報の結び付け方について書かれた本で、シンプルで分かりやすい内容です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇混沌はクリエイティビティの巣
情報を既存の方法で整理整頓して考える人(分類コントロール型)より、とっ散らかった情報の中から、突然変異的に情報と情報を組み合わせアイデアを生む出す人のほうが面白い結果を出す。
一見、関係ないものが結びついた方がアイデアが斬新。情報は一度ラベルを貼ってフォルダに入れて片付けてしまうと死んでしまう。情報をキッチリ整理するとダメ!
〇「手帳」は情報の交配の場
手帳の中にいろんなジャンル、いろんなレベルの情報をひたすら羅列する。様々な情報をページをめくりながら俯瞰できる手帳は、整理整頓されたら二度と出会わないであろう情報と情報の格好の交配の場。
〇情報は生き物
ケージに入れておくよりも、そこかしこに泳がせておいた方が交配する。「分類コントロール型」と比較するまでもなく、羅列したほうが情報をズラッと見渡せる。確率的に言っても交配するチャンスは増える。プレゼンにおける説得力や演出力、企画立案力における発想のジャンプ力など、多くのビジネスシーンで役立つはず。
〇情報収集
・とにかく集める(2軍ノート、本には付箋)、分類は不要。
・情報は差別しない(価値は同じ)
・着眼は、①事実、②意見、③分析、④疑問、⑤表現
・情報源を明記しておく
〇情報を寝かせる
1カ月くらい経ったら、一軍手帳に書き写す。思い出す作業は、情報の交配時に役立つ。Google、ウキペディアで情報を付け足してもよい。
〇情報の接着術を鍛える(上位概念をつくる訓練)
一見、無秩序な目の前の混沌をひとまとめにする整理法
・例えば、「ノルマ」「カンパ」「いくら」という一見関係ないワードをひとまとめで表現してみる
・平積みされている本のタイトル、電車の中の吊り広告のタイトルをひとまとめで表現してみる
・「三題噺」:3つの関係ない単語が出題されて、3つの言葉が入った文章をつくる
〇大事なことは、カオスを楽しめること!
発想が真逆でした。私は、情報を整理整頓したがるタイプなので、情報を羅列し、混沌とさせ、そこから思いつかないような繋がりを生み出すという発想自体が新鮮でした。だから、私は当たり前のことしか思いつかないのかなぁと考えさせられました。
情報はあっという間に流れていくので、書き溜めてみると確かに何かがつながるのかもしれません。確かに、続けている読書ブログも、本の羅列のようなものですが、違うジャンルの本なのに、「あの本とこの本は繋がっている!」という感覚になることがあります。
それにしても、毎日大量にインプットしていく努力はスゴイと思います。