MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

成功するのに目標はいらない!(平本相武)

『成功するのに目標はいらない!』(平本相武)(〇)

 チームフロー代表の平本あきおさんの著書。未来のビジョンをありありと思い浮かべ、そのビジョン実現に必要な出来事(目標)を見つけアクションする「ビジョン型」と、過去の充実体験から大事な価値観を引き出し、その価値観を満たすアクションを積み上げる「価値観型」。本書では、成功や充実した人生には、一般的に前者が着目されがちですが、実は日本人の7~8割は後者であり、どちらであっても自分軸を見つけることが大切であり、その自分軸をどうやって見つけていくかということがまとめられています。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇やる気の素

・行先=ビジョン⇒本当はどうありたい?

・理由=価値観⇒自分にとって何が大事?

 「自分らしさ」や「ありたい姿」が私たちの行動を起こさせる「素」、つまり「やる気の素」になる。この「やる気の素」となる「自分らしさ」や「ありたい姿」を、あわせて「自分軸」と呼ぶ。「自分軸」がはっきりしてくることで、「やる気」、「能力」、「やり方」が引き出されてくる。

 

〇行動を起こさせる2つの自分軸:「ビジョン型」と「価値観型」

 「何年後にどうなりたい」という未来の夢に向けて目標を立てることでやる気が出る人と、日々「自分にとって何が大事」という価値観を満たそうとすることでやる気になって結果を出す人がいる。どちらがいいかではなく、どちらが自分に合うか。自分に合った「やる気の素」を知り、そこから自分にあった成功の方法を引き出して実践することが、充実した人生を生きることに繋がる。

・ビジョン型:行先を重視する、〇〇に行きたいと思ったほうがやる気が出る

・価値観型:理由を重視する、〇〇するためにと思ったほうがやる気が出る

 ⇒価値観型の人は、どんな仕事をするかよりも、巡りあった仕事をどうこなしていくかに価値を見出す。

 

〇自分軸を見つける5のポイント

①自分にとって無理なくできるものから入る

②時間軸と空間軸を使う

③具体的なエピソードから引き出す

④それぞれのエピソードは自分にとって「いい」か「イヤ」かを探る

⑤世界でたった一つの自分の意味づけを見逃さない

 

〇時間軸と空間軸

■時間軸

①過去から探る(充実体験、至福体験、成功体験、人生を変えた出来事・出会い)

②現在から探る(現在の充実、不満の裏返し、3週間後の死)

③未来から探る(何の制約もなかったら、〇年後、何を実現させたい)

■空間軸

・人生の8つの分野

①楽しみ/娯楽

②生活環境(衣食住、持ち物、通勤、職場環境など)

③健康(体調、病気、節制、ダイエットなど)

④仕事/他者への貢献

⑤お金

⑥友人/対人関係

⑦大事な人(パートナー、恋人、師匠など)/家族

⑧自己成長/学び

・自分らしさを表すもの

①それは何?

②どうしてそれが自分らしさを表す?

③どんな意味がある?

④自分にとって何が大事?

⑤その自分らしさを日常に活かすには?

・やりたいことの洗い出し

①欲しいもの

②やりたいこと

③なりたいもの

 

〇目標がなかなか達成できない、価値観があまり満たされないとき

①ビジョンと価値観の拮抗

②価値観同士の拮抗

③大事な価値観と避けたい価値観がかみ合わない

 

〇自分軸にはならない7つの条件

①人に言われたこと

②人に要求・期待されたこと

③みんながやっているからやること

④やらないと不安だからやること

⑤気晴らしや現実逃避でやること

⑥過去からの思い込み

⑦中毒で「はまっている」こと

 

 一般的には、ビジョン型が求められますが、無理してビジョンを設定しても、なんとなくしっくりこない・・・そんな感じがしてましたが、価値観型というものがあり、どちらのタイプもあるんだということを知って、安心感が生まれました。自分が本来持っている自分軸に気付くことは、様々な場面でとても役立つと思います。 

成功するのに目標はいらない!―人生を劇的に変える「自分軸」の見つけ方

成功するのに目標はいらない!―人生を劇的に変える「自分軸」の見つけ方

 

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