MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

陰陽師の教え(幸輝)

陰陽師の教え』(幸輝)

 著者は、四国霊場陰陽師の末裔。祈祷師である祖母から幼年より精神世界について学び、その道を30年前より歩み始め5万人以上の人生を変えてきた方です。運とは自分が作るものだということ、それも一瞬一瞬の運を自分次第で変えられる。運とは運気のこと。気はエネルギーそのものであり、この世のあらゆる現象は、気の動き、気の流れによって現れ、変化していく。運び方次第で運気の流れは上向いたり、下向いたりする。運気とは小さな矢印をイメージし、その自分の気という小さな矢印を、その瞬間どこに向けるのか。本書では、その運気の流れを作る変える方法について、書かれています。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

陰陽師とは

 朝廷内にある専門の役所、陰陽寮に所属する官人であり、陰陽道の知識・技能を持つ人。もともと陰陽道とは森羅万象を理解するための学問で、陰陽師は、天文学、方位学、暦学、易学などに基づいて、都市計画や暦、年中行事の作成などに携わっていた。

 

◯目に見えないものの力を、人生に生かす

・目に見えるものに対しては、自然と意識が向かうが、目に見えないものに対しては、自発的に意識を向けないとその存在を忘れがち。しかし、目で見ることができなくても、手で触れることができなくても、存在していることに変わりはない。

・呪術の中の一つで生活様式に溶け込んでいるものが「結界」。結界とは「見えない壁」。結界という見えない壁を張ることによって、目に見えない眷族(けんぞく)をその場所から退散させたり、特定の場所に封じ込める。

・昔ながらの日本家屋では、門と玄関が向かい合わせにならないように配置されているが、これも結界の一つ。門から玄関に続く道は飛び石を不規則に敷くなどして、直線ではなく曲線にしていることも同様。

 

◯運気を上げる朝の暗示

・利き手でない方の手で、利き手を、甲側からぎゅっと包み込んで握る。そのとき、「絶対うまくいくぞ!」と自分の目標や夢をイメージして、プラスの言葉を言いながら、ギュッギュッと3回握る。これは、手のひらに生命線を刻み込んでいる。「握手をする数が多いほど出世する」。政治家やアイドルが握手の回数が多いのも運命線がくっきりする理由。運命を変えるには、手相を自ら描くよう意識すること、すると運命もそれを追いかけるように好転することが多い。

・おへそあたりの高さで、手のひらを上に向け親指を内側に折り曲げるというポーズで太陽のエネルギーを浴びる。親指を内側に曲げた手は、光を受けた手のひらに、親指が影を作る。これは陰陽を象徴する太極図の陰陽魚になっている。

・目に見えるものの中で、最も言霊を込めやすいものが「水」。水の注がれた水を両手で包み込むようにしてプラスの言葉を3回かける。プラスの言葉をかけた水はまろやかで甘く感じられる。マイナスの言葉をかけた水との違いははっきりわかる。

・改札を通るときは、どの改札を通るか自分の中で決めて通る。改札は、空間と空間の間にある「中庸」という大事な空間。一事が万事。自分の意図した道を自分で切り開く。

・人は生まれた時に命を宿し(宿命)、日々を生きることで命をその目的へ向けて運び(運命)、これに命を使うぞということを必死にまっとうする中で(使命)、天が自分に与えた命(天命)に向かう。

 

◯1〜9の数字の持つ意味

1)「始まり」を表す。

2)「つながり」を表す。柏手を2回打つのは神と結びつくため。

3)「支え」を表す。調和を表す縁起のいい数字。

4)「安定」を表す。

5)「結び」を表す。中央に位置し、全ての中心。

6)「自然」を表す。

7)「人間」を表す。7個のチャクラを持つ。

8)「無限」を表す。メビウスの輪を平面で表すと「八」。

9)「神」を表す。

→人と神の間には無限が存在し、その差を縮めようとする行為が悟り(差取り)。

・1・4・7が人間界を表す数字。

・2・5・8が結びつきを表す数字。

・3・6・9が神に通じる数字。弥勒菩薩(みろく=369)

・神の数字を除いた「142857」は特殊な数字。×2、×3、×4、×5、×6をすると「142857」の数字が順序を崩さず順送りされる。×7をすると「999999」になり神の数字一色になる。

 

◯運気を変える昼の暗示

・話す内容によって、相手の右目を見るか左目を見るかを変える。仕事の話は相手の右目を見て話す。右目から入った光は視神経を通り左脳に、左目から入ってきた光は、視神経を通り右脳に到達する。

・陰陽の世界では、いい運気や悪い運気というものはなく、どんな物事にも、いいところと良くないところの両面がある。だから自分の身に起こる出来事には全て意味があると説いている。

・一瞬一瞬の運気を上向きにするには、それぞれの場面で、一度フラットで俯瞰的な場所、つまり「中庸」に自分の心をおき、陽気へのきっかけを作ることが必要。

・コーヒーは低いテンションを徐々にあげるもの(静から動へ)。日本茶は本来あるべき精神へとグッと立ち返らせるもの(静からさらなる静へと移行させるもの)。

 

◯スケジュール帳を予言帳に変える

・手帳を開いた最初の見開きのページと最後の見開きのページに願い事を書く。

・最初の見開きの右のページに書いたら、裏表紙を開けた最後の見開きページは左に書くというように、最初と最後で対称になるように書く。

・願い事を2回書く。一回目は、「〜たい」と願望を書き、「〜たい」の文字をバツで決して、その横に「〜ます」と宣言を書く。2回目は、はじめから「〜ます」と言い切った形で書く。

 

◯運気を浄化する夜の暗示

・お風呂は、1日活動した「陽」から休息という「陰」へとスイッチが変わる場所。交感神経と副交感神経が入れ替わる場所。嫌なことは全て水に流して「中庸」に立ち返る大切な時間。

・鏡に寝姿を映さない。古来、見えないものを映し出す鏡は、現実世界と別世界を繋ぐ装置と考えられていた。起きているとき、私たちの魂は肉体にあるが、寝ているときは魂は肉体から離れることができる。肉体から離脱した魂が鏡の向こう側の世界に引き寄せてしまうことは十分考えられる。かつて家庭にあった三面鏡はパタパタと閉じることができる。一面鏡にも布がかけられていた。

・明日を良い1日にするには、前日の夜にどういう状態で眠りにつくかが大切。口角をあげて入眠すること。笑顔で寝るにつくことは、1日に「終わり、まる」と句点をつけるようなもの。その日の心にきちんと片を付け、翌日の準備を整えるということ。

・陰陽の世界では、人は泣き叫んで生まれてきて、周囲の人に笑顔で迎えられる。人が死ぬときは、周囲の人は泣き悲しむが、本人は「我が人生に悔いなし」といって笑みを浮かべて亡くなると言われている。

・「一日は一生である」

 

 他にもたくさんの古来から受け継がれてきた智慧が書かれています。現代は急速に変化する人類史上でも特殊な時期。変わらず大切なもの、ことを見失いがちですが、改めて長い長い歴史の一部を生きていることに立ち返ると、本書で記載されているようなことの大切さを感じます。

悪運をはねのけ強運を引き寄せる陰陽師の教え

悪運をはねのけ強運を引き寄せる陰陽師の教え

 

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