『経済のニュースが面白いほどスッキリわかる本』(村中和之)
帯に「高校生1万人が学んだ世の中の「基本」」とあるように、経済ニュースを初学者向けに書いた入門書です。著者が駿台予備校講師ということもあり、内容も生徒の質問と先生の回答・解説といった感じで、経済の素朴な疑問に、「なぜそうなるのか?」を平易な言葉で答えており、とっつきやすい内容だと思います。
(目次とポイントを抜粋‥本書より)
〇本書で取り上げられているテーマ
①経済学は金儲けの学問?
・そもそも経済学とは?
・どうすれば効率化ができる?
・市場の失敗
・再分配の必要性
②日本は本当に豊かなの?
・国の豊かさとは?
⇒国の豊かさは、資産(ストック)である「国富」と一定期間の付加価値である「国民所得」の両面から図れる。国富は実物資産と対外純資産からなるが、地価の下落によって、日本の国富は減少傾向。GNPはGNI(GNPに海外からの利子・配当収入を加算)にシフトし、海外からの投資収益が増加している。
・国民所得
・日本経済の実力
⇒経済成長の負の側面が目立つようになったため、GDPに変わる新たな指標を作りだそうという動きがある。国民総福祉(NNW)は、国民所得のうちマイナス価値を持つもの(環境維持経費、交通事故・都市化による損失など)は差引き、プラス価値を持つもの(余暇時間・主婦の家事労働など)は加える。
③日銀は何をやっているの?
・そもそもお金とは?
・銀行の役割
・日本銀行の金融政策
・金融緩和を巡る論点
④インフレになるとどうなるの・
・インフレ・デフレとは?
⇒消費者物価指数は、総務省統計局が600品目に及ぶ財について毎月価格調査を行っている。品目は5年に1回見直される。2010年改定では、丸干しいわしや草履が廃止され、紙おむつ(大人用)、音楽ダウンロード料などが追加されている。
・インフレとデフレの影響
・インフレ目標政策は成功するのか?
⑤日本の借金って大丈夫?
⇒国債約1053兆円(2015年3月)は、GDP約500兆円の約2倍。ギリシャの約1.7倍よりも負担が大きい。だが、日本国債の約95%は国内の銀行・家計が保有しており、ギリシャは約7割が外国が保有している点が異なる。
・国の借金が増えるとどうなるのか?
・赤字財政の効能
・財政破綻するとどうなるのか?
・財政再建は緊急課題か?
⑥年金は本当にもらえるの?
・少子高齢化と年金
・年金制度に求められる改革
⑦円安になる日本経済はどうなるの?
・現代の国際通貨体制
・為替相場の決定要因
輸出増加→ドルを円に交換→円高が進む
輸入増加→円をドルに交換→円安が進む
対内投資の増加→ドルを円に交換→円高が進む
対外投資の増加→円をドルに交換→円安が進む
・円高・円安の影響
⑧グローバル化で社会はどう変わる?
・自由貿易の是非
・自由貿易をめぐる論点
たまに経済は学び直しが必要だなと思います。素朴な疑問に答えられるかどうかを理解度の目安にしていますが、イメージは分かるが言語化が難しい。。。経済は特にそんな気がします。幅が広いですからね。本書のような疑問に平易に応えてくれる書籍を読むと、時間をとってノートに自分の言葉でまとめたてみたいという気になります。たくさんの本を読むよりもその方が理解の近道かもしれません。