MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ミッション(岩田松雄)

『ミッション』(岩田松雄)(〇)

 元スターバックスCEOである著者が企業のミッションに焦点をあて、企業は何のために存在し、従業員は何のために働くのかという命題について経験をもとにまとめた一冊。自分自身の働き方、ひいては、自分の人生のミッションを考え、生き方そのものを考えるヒントにもなると思います。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇ミッションについて

・世界を変えてきた人たちは、何かに「突き動かされるように」生きている。単なる自己満足のためだけではなく、ミッションを持って闘っている。その使命感こそが、人々の期待を大きく超え、感動を呼び、社会を交点させる源泉になる。

・重視すべきは「働くスタイル」ではなく、「いかに人々を喜ばせるか」だと信じている。ミッションを掲げ、社会を変える一翼を担うことだと信じている。

 

〇ミッションの大切さ

①社会は常に変化しており、「想定外」の連続。すべてケースを事前に想定してマニュアルを作成することは到底不可能。「想定外」のときにむしろ重要なのは原理原則である。

②同じ企業といっても、そこに集まる人は様々な価値観を持っている。みんなを同じ方向に向かわせるには、目印となる明確なゴールが必要になる。

③ミッションを高く掲げることによって、それに共鳴する人たち、つまり最初から目指す方向が同じ人たちが入社してくる。

④ミッションとは、通常とても崇高なもの。それを目指しいると、社員のモラルが高くなっていき、離職率が減る。

 

〇火花

 日産自動車に新卒で入社した際に教わったこと。「溶接アームが正確に火花を散らせ、つなぎ合わせて自動車のボディを形づくる瞬間。火花散る一瞬が価値を生み出している」。スターバックスで火花が散る一瞬は、お買い上げいただいたお客様を、笑顔で気持ちよく送り出す瞬間。オーダーを受けてお金を受けており、出来上がった最高のコーヒーを自信を持って笑顔でお渡しする瞬間。そこにこそ、全社員のすべての意識を集中させる必要がある。

⇒イオンフォレストの社長を務めた際、好みの商品を選び喜んでお金を支払ってくださったお客様を笑顔で送り出す瞬間。それこそが火花が散る瞬間だと思ったが、実際に目にしたのは、お客様に向けられた監視カメラ(万引き防止)であった。「おかしい!」と思い、監視カメラを全廃し火花散る瞬間に集中すると、お客様に目配りができるようになり、逆に万引き率は減少した経験がある。

⇒「あなたの会社の火花が散る瞬間とは?」

 

〇mission、vision、passion

 経営者にとって大切なことは、ミッション、ビジョン、パッションだと言われるが、この中でもミッションが重要。ミッションさえしっかりしていれば、よいビジョンが描け、強いパッションは自然と湧き上がる。

 

スターバックスの「好循環」

・ミッションを徹底教育したあとは権限移譲(エンパワメント)をして、その実現のための自主性と創造性を発揮してもらうこと。これこそがスターバックスの接客の核心。

・新しく入ったパートナーニどのくらい教育を行うか?。答えは70時間。一般的な機魚のアルバイトの場合、せいぜい数時間だろう。

・「何をやりなさい」ではなく、「なぜそれをやるのかを考えなさい」というスタンスを貫く。

・70時間もかけるからこそ、スターバックスのミッションが理解でき、自分の頭で考えたよいサービスが提供できて、それが働くことのかけがえのない充実感に繋がり、スターバックスを大好きになって定着してくれる。会社もパートナーたちが定着してくれるからこそ、もっと丁寧な教育や研修ができるようになる。そんなパートナーたちの姿を店頭で見て、志が高く、スターバックスの価値観を共有してくれる人が、自分もパートナーになりたいと思ってくれるからこそ、良い人材が集まる。

 

〇「こんにちは」がマニュアル化するとき

 「いらっしゃいませ」の代わりに「こんにちは」でお迎えする意味は、お客様と店員の関係ではなく、あたかも顔見知りの人であるかのような気持ちでお迎えするため。相手を瞬時にしっかり観察して、状況にふさわしいお迎えをすることが大切なので、毎回、「こんにちは」である必要もない。「おはようございます」でも、「こんばんは」でも、「外は寒いですか?」でもいい。

 

〇ミッションをつくる7つのヒント

①働き方ではなく、働く目的を考える

 「人間は努力する限り悩むものだ」(ゲーテ

②自分、ミッション、会社は三位一体で成長する

③「私」をなくす

 自分の気持ちが「世の中をよくするためだ」と信じられるかどうか。

④3つの輪は何かを考える(ビジョナリーカンパニー:ハリネズミの概念)

・情熱を持って取り組める⇒すきなこと

・世界一になれること⇒得意なこと

・経済的原動力になるもの⇒何か人のためになること

⑤ミッション探し、自分探しの旅はずっと続く

⑥自分の存在を肯定する

⑦「自分はまだまだ」の気持ちが成長を加速する

 

〇火花を見逃さないリーダーの8つの習慣

①リーダーは御用聞きと心得る

②リーダーにしかできないことをする

③ラブレターのようにマネジメントレターを書く

④背景と意義を必ず説明する

⑤褒めるときはみんなの前で、注意するときは個別に

⑥会議や朝礼では「いい話」から入る

⑦結果ではなく過程を褒める

⑧補欠の気持ちを理解する

 

 ミッションが根付いている経営には好循環がある。好循環が継続するとやがて社風になる。スターバックスも一時、好循環が崩れた時期がありましたが、今ではミッションが浸透している代表的な企業であり、毎日のように利用している私は、肌感覚として、ミッション浸透のスゴさを日々実感しています。

ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由

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