『ザ・ビジョン』(ケン・ブランチャード)
『1分間マネジャー』などの1分間シリーズで有名な著者がビジョンをテーマに、シリーズ同様に物語仕立てにしながら、ポイントを示していくスタイルでまとめられています。会社にビジョンがあれば、一丸となって頑張れる。人生にビジョンがあれば後悔することなく生き生きとした毎日が過ごせる。ビジョンの創造と実践本です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇ビジョンとは何か
ビジョンとは、①自分は何者で、②何を目指し、③何を基準にして進んでいくのかを理解すること。
(これに対し、ミッションは、「何のために?」という目的)
〇ビジョンの要素
①有意義な目的
②明確な価値観
③未来のイメージ
〇有意義な目的
・目的というのは、自分はなぜこの会社で働いているのか、自分はなぜ生きているかを理解すること。全員が目的の達成に向かって力を終結できるように、自社の使命は何なのかを、社員みんなが理解すること。
・『全速前進!』。目標をはっきり見定めて、思い切り前進すること。実力をフルに発揮すること。目的をはっきりさせ、懸命に取り組み、自分の目的達成能力を信じ、どんな障害があっても断固として突き進むこと。
〇明確な価値観
・価値観とは、ある種の特質を好ましいと考える、深い信念のこと。自分にとって何が正しく、何が大切かは、その人の価値観によって決まる。
・目的が「なぜ?」を説明するものだとしたら、価値観は「目的」達成への道筋を示すものである。つまり、「目的を達成するために、日々どのように行動すればよいか」を教えてくれるもの。
・「自分が一番愛着を感じているものは何か」「自分の信念は何か」と自分に問いかけて思い浮かぶこと。その中でも、もっとも愛着を感じるものは何か。人はみな、自分の価値観がどんなものか分かっているもの。
・「これまでにした重大な決断を一つ挙げて、決断に至るまでにどんな要素を考慮にいれたか?」「仕事でも家庭でもいいから、誇りに思っていることを挙げてほしい」「危険に直面したとき、どんな理由があれば、逃げずにぶつかっていけるか?」
〇未来のイメージ
・最終結果に到達するプロセスではなく、最終結果そのものに焦点を絞ったとき、イメージの力は効果を発揮する。曖昧ではなく、はっきりと思い描けるイメージ。なくしたいものではなく、作りだしたいものに焦点をおく。
〇目標とビジョンを見分ける
目標とビジョンを見分けるには、『次はどうするか』を考えてみるといい。ビジョンがあれば、次に取るべき行動がはっきり見えてくるし、ある目標が達成されても、次の目標が設定できるはず。逆にビジョンがなければ、目の前の目標が達成されればそれでおしまい、ということになる。
〇説得力あるビジョン化どうかを確かめるためのチェックリスト
①そのビジョンは、自分たちの使命をはっきりさせてくれるか。
②そのビジョンは、日々の決断を正しく行っていくための指針になりうるか。
③そのビジョンは、目指すべき未来を目に見えるような形で描いているか。
④そのビジョンには、永続性があるか。
⑤そのビジョンには、ライバルに勝というだけではない、何か崇高なものがあるか。
⑥そのビジョンは、数字の力を借りずに、人々に活気を吹き込むことができるか。
⑦そのビジョンは、あらゆる人の心と精神に訴えかけるか。
⑧そのビジョンは、ひとりひとりに自分の役割を自覚させるか。
〇ビジョンと現状
ビジョンを念頭に置きつつ、現状を正直に見つめてこそ、『全速前進!』で進んでいける。言い換えれば、ビジョンがはっきりしてきたら、直ちに目の前のことに集中する態勢に移らなきゃいけない。もっと言えば、ビジョンが完成しないうちから、確定した部分については実践を開始すべきなのかもしれない。ちょうどビジョンを現実に手繰り寄せるような感じ。つまり、ビジョンは単なる未来志向じゃなくて、現在進行形でもある。
ビジョンを描く⇒未来像を描く。現在取り組んでいるコーチングとの相性がよい領域です。どうなりたいかをできるだけ臨場感をもって具体的に描く。セリフレベルで。これは、会社も人生も同じですね。コーチングに取り組んでからというもの、この領域が「好き&得意」領域に入ってきているので、どんどん場数を増やしていきたいところです。
- 作者: ケン・ブランチャード,ジェシー・ストーナー,田辺希久子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/01/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 7人 クリック: 63回
- この商品を含むブログ (30件) を見る