『面白法人カヤック会社案内』(柳澤大輔)
「あすか会議」(グロービス経営大学院のビジネスカンファレンス)に登壇される柳澤さんの著書を読んでみました。
何このタイトル?と思って読んでみたら、そのまま、会社案内(紹介)でした。カヤック(Web事業)は、面白法人とあるように、取り組みが取ってもユニーク。
面白いけど業績大丈夫?となるかもしれませんが、本書及びHPで公開されている業績をみると、とても優良な内容。ユニークな取り組みも、より興味が増して読めました。
(本書で印象に残ったところ)
〇年がら年中イベント
・「ぜんいん社長合宿」:半年に一度、全員が社長になったつもりで会社のことを考える。経営理念もここから生まれた。「つくる人を増やす。」
・エイプリルフールの「ニセニュースイベント」
・プロジェクト単位で遊びつつ働く、「リゾート合宿」
〇ダイバーシティより似た者同士
くつることに興味がある人に絞って採用。「何を面白いと思うか。どんな人が尊敬に値するか」といった価値観を一致させる。
〇サイコロ給(加算給)=基本給×サイコロの目(%)
査定に一喜一憂するよりもサイコロで決まるくらいがちょうどよい。
ちなみに、サイコロで減給はない。
〇「漫画っぽい」は、最大の賛辞
「どっちが漫画っぽい」が判断基準
・必殺技、まっすぐ、まさかの展開、決め台詞、最後は勝つ、すごい仲間、弱点
〇計画は持たないことを大切にする。
丸腰だからこそ、良いものが生まれることが往々にしてある。
〇採用面接
「過去に作ったものを教えてください」
作品からどのくらいのスキルがあるか、どんな感性のひとなのかが分かる。「どこが面白いと思ったか、どういったものを作りたいのかどういったものを作る人を尊敬するのか」、その完成を判断基準とする。
などなど。
この書籍の面白いのは、最後に、なんと!神戸大学の金井教授が学問的に解説しておられるところ。決して楽しんでいる組織ではなく、成長する仕組みになっている。
セルフセオリー(自分の経験による持論)からワールドセオリー(他人にも当てはめ実践できる持論)への展開。「ぜんいん社長合宿」は、二重ループラーニング(前提そのものを問い直し、必要に応じて修正を加える組織学習)。
この企業のお話が「あすか会議」で聞けるのなら、これは、とても面白そうです(^^)