まんがで読破シリーズから。きちんと読みたいと思う中国古典。でも、だいたい途中で止まってしまいそのまま積読という悪いパターンにはまるので、まずはマンガでざっくり要点を掴んでみようと思い、読んでみました(これなら最後までいける)。
(印象に残った言葉‥本書より)
〇空のままでは器は器の役割を果たさず、度が過ぎてしまえば身の破滅を招いてしまう。つまり大切なのは気を維持することではなく、気を循環させること。それが道。
〇世の中にはとらわれることが多すぎる。それは財であったり名誉であったり、権力や欲であったり、さまざま。しかし、そのどれかひとつをとっても自己を満たすにはかなわないであろう。なぜならそれらを求める心がやまない限りそれらを巡って争いが繰り返され常に他人のものを奪わなければならなくなる。だが、わざわざそうして、人から奪わずともそれらは各々にちゃんと巡ってくる。争いの中に飛び込むよりも自然にやってくる時を楽しむほうが遥かに長く安楽でいられることを人は知るべき。
〇柔が剛を制する道理が分かったとしても、それを自分に実践することはなかなか難しい・・。自分を引っ込め柔弱な態度をとることを社会的に汚辱を受けること。人は自ら弱虫や意気地なしと笑われることは進んでやらない。しかし、自ら汚辱や災いを見に受ける者こそ成功者になる。
〇いつの世も人々は欲で溢れている。欲望を追い求める生き方は社会に生きる人の常。欲を求めて生きるのならば多くの苦しみや苦痛を伴わなければならない。だが、現代に問いかけたい。金欲であったり物欲であったり、欲から生じた災いであったり、人の上に立つ者のあり方であったり、今一度世の見方や自身のあり方をあらためるべきではななかろうか。
〇老子とは長い中国の歴史の中、それぞれの時代を生き抜く道程で獲得し受け継がれた生きる知恵。人も偉大な自然の一部にすぎない。ゆえに自然に沿って生きることが本来の道理。だが、もし世のしがらみにとらわれることがあれば、今一度老子の教えが各々のあるべき道を導き出してくれるだろう。
ひと言でいうと、「欲に惑わされず、自然体で生きる」ということでしょうか。
それにしても、マンガにするとシンプル。そして、ストーリーと画像は印象に残りやすい。難しいと感じたジャンルにマンガ本があれば、とりあえず手に取ってみる価値はあると思います。さて、次は積読になっていた岩波文庫「老子」へジャンプアップしてみます。