『マーケティングと共に』(フィリップ・コトラー)
マーケティングⅡの授業で講師から推薦いただいた、マーケティングの大家、フィリップ・コトラーさんの自伝です。内容は、日経新聞の「私の履歴書」に2013年12月に連載された記事に大幅加筆されたものです。
自伝なので、学生時代から現在まで広く書かれており、様々な人との出会い、新たな研究のきっかけ、研究成果(著書など)が紹介されています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇マーケティングの考え方に最も影響を及ぼした書籍
『幻想の未来/文化への不満』(ジークムント・フロイト)
社会的及び宗教的制度がいかに自我を妨げ、最終的に攻撃性につながる不満の温床となる。不満が高まり過ぎないように文化をうまく制御し、協力しながらよりよい社会を築いていけるかという問題を提起をした本。マーケティングで「よりよい社会」を目指していたコトラーの考え方と一致。
→今日の学生の多くが、企業やイノベーション、技術に興味はあっても優れた思想にあまり関心が内容に見えるのは残念。過去の偉大な思想をしることは、世の中を変える源泉になり、若者には必要な栄養素のはず。
〇経済学とマーケティング
異なる学問だと認識している人もいるかもしれないが、そうではない。マーケティングは生産者から卸会社を経て小売業に至るまでに価格が実際にどのように決定され、企業の広告や販売促進などで需要曲線がどのようにシフトするかを分析する応用経済学の一つ。
〇マーケティングのプロセス
①R:research
②STP:segment、targeting、positioning
③4P:product、price、place、promotion
④C:control
〇ドラッカーとの出会い(感化された言葉)
「あなたの会社の本業は何か」「顧客は誰か」「顧客にとっての価値は」「本業はどうあるべきか」「企業の目的は顧客の創造にある」「企業の基本機能はイノベーションとマーケティングの2つしかない」「マーケティングの目的はセールスの必要をなくすことだ」
→目的、目標、業績評価の方法を設定することの重要性を学び、自分の仕事にも生かしている。
〇水平思考のアイデア
刺激を受けたのが、『水平思考の世界』(エドワード・デボノ)。あることを突き詰めて考える垂直思考よりも、いろいろな視点から考える水平思考のほうが、アイデアを生み出しやすい。例えば、新しをシリアル商品を考える(垂直思考)のではなく、シリアルを使ってキャンディやシリアルバーなど他に何ができるかを考える(水平思考)。ユニ・チャームは生理用品から始まり、子供用から大人用おむつ、ペットシートなど九州たいを軸い水平展開している。
私は、マーケティングと言えばコトラー、マネジメント言えばドラッカーと、その道の第一人者の方の著書を中心に学ぶことにしていますが、今回の自伝では、そのお二人が出会う場面があり、とてもワクワクさせられました。
マーケティングは実務ではやったことがない領域なのですが、経営の中の重要機能であるため、しっかり学びたいと思います。
そして、勢いあまって、『マーケティング・マネジメント(第12版)』を買ってしまった。。。