リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ(高野登)
『リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ』(高野登)
今月の自主勉強会の課題図書です。著者は、ホテル業界に35年、うち20年をリッツ・カールトンで勤務され、日本支社長も務められた方です。
至高のホスピタリティというアウトプットに至る考え方や行動について、実務経験をもとに書かれています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇ホスピタリティとは
相手の心に自分の心を寄り添わせて、相手の立場になって対話をする姿勢そのもの
〇ホスピタリティにひそむ「上から目線」
「誰々のために」という発想そのものが、実はものすごく上から目線。「人のために」「お客様のために」という言葉を全部なくして、「人の立場に立って」「お客様の立場に立って」という言葉に総入れ替えした。
〇サービスの基準
サービスの基準、つまり、仕事をしていくうえでの基準がどこにあるのか。どこまでのレベルなのか。それは、自分のモノサシではなく、相手のモノサシで計測することで変わる。同時に、どこまでもその幅を広げることができる。
誰の目線で見てるのだろう?誰のモノサシでそのことに感動しているのだろう?と考えてみることが大切。
〇心の筋トレ
1~2分でもいいので、「今日一日何を発見したのか」「何に気が付いたのか」ということを振り返ってみる時間を持つ習慣を付けること
〇神は細部に宿る
リッツ・カールトンのスタッフは、直接ペットボトルに口をつけて飲まない(必ずグラスに注ぐ)。日本古来の文化には、瓶や徳利からグビグビと飲む振る舞いはなかったから。おもてなしの3要素「装い・ふるまい・しつらえ」。
〇1年の計は元旦の前にあり
リッツ・カールトンでは、11月終わりになると、今年1年でやり残した重要事項を全て紙に書き出すという課題を出す。重要事項を認識すると、翌年52週間の過ごし方が変わってくる。
〇ホスピタリティの原点
伝えるということ、伝えられるということ、自分がどうやって受け止めてもらいたいか。このことを突き詰めていくと、「相手の気持ちに自分の気持ちを添える」というホスピタリティの原点にたどりつく。
どの会社でもリッツ・カールトンやオリエンタルランドのようなレベルのホスピタリティが求められているわけではありませんが、その会社に相応しいホスピタリティというのがあるはずで、1社1社がこのレベル感や具体的行動を顧客視点で考えることに意義があると思いました。それにしても、社員一人ひとりに会社の思いが浸透しているリッツ・カールトンの組織文化は素晴らしい。