『カリスマ講師THEバイブル』(渋谷文武)(〇)
本書は、「カリスマ講師養成クラブ」(2015年1月現在でFacebook77,000いいね、YouTube400万回再生)を主催するセミナー業界のカリスマ講師が、そのノウハウや心構えなどについて紹介したもので、「カリスマメソッド」の名にふさわしい内容です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇導入部分より
・人は楽しんでいるとき、最も学び、成長する
・でも単に楽しいだけでは物足りない。そこには魅力的なキャラクターも必要
・「魅力的なキャラクター」と「楽しいコンテンツ」が組み合わさることで、最高・最上の学びのエンターテイメントが生まれる
〇好き嫌いの感情8割、ロジック2割
人は、自分が好きな人から言われたことは、その人のために動こうとする。嫌いな人から言われたことは、正論であっても従わない。
〇講師は人を育てるアーティスト
講師はアーティスト。人生も教育も仕事もすべてエンターテイナーであるべき
〇恥×カッコよさ
「ダサい×カッコいい」、「ダサい×美しい」、このバランスがポイント。
「恥×カッコよさ」は共感性とカリスマ性を生み出しやすいキャラを立てる方程式。
〇講師と受講者は鏡の関係
講師がピリピリすると、受講者もピリピリする。冷めた受講者ばかりということは、講師も受講者を冷めた目線で見ているということ
〇反省≠自己否定
反省と自己否定は違う。真面目な人、いい人ほど失敗をすると、自己否定をする。
〇自己採点
①今現在の自分として、これ以上ないくらい全力で仕事(講義)をしたか
②今のタイミングでこれがベストだったと胸を張って言えるくらい周到な準備をし、講義に全霊を込めたか
〇100回以上の練習
適切なやり方を知っているのにうまくいかないとしたら、それは才能じゃなくて練習量が足りないから
〇カリスマ講師チェックリスト
①自分でなければ、話せない内容だったか?
②受講者にとって実践的で、一番知りたいことだったか?
③分かりやすく、具体的だったか?
④続きが気になって、もっと聴きたくなる進め方だったか?
⑤興味のない人、やる気のない人でも、惹きつけられていたか?
⑥受講者にとって、不思議な魅力を感じてもらえたか?
〇プレゼン・講義に際に最優先で意識すべきこと
①内から湧き出る情熱
②輝き、イキイキとした表情
③勢いのある話し方
→感情的に話すこと。さらに情熱をこめて話すことは、大前提。受講者に与えたい感情を、まずは、講師が自ら味わうこと。
〇飽きさせないためには、ギャップ
①ずっと大声 →ここ一番で小声で話す
②ずっと歩き回って話す →ここ一番で立ち止まって話す
③ずっと紳士的に話す →ここ一番でエネルギー爆発、感情あらわに熱く語る
④ずっとマシンガントークで話す →ここ一番の手前で数秒間の沈黙をつくり、間を取ってゆっくり話す。
〇1.5倍の法則
1.5倍の大きさで声を張り、ハキハキ話す。1.5倍くらい大げさに感情表現をしてメリハリを付けて話す。1.5倍の速さでテンポよく話し、ワークをする。
〇講師は動きを
講師が動けば動くほど、受講者の興味や関心を惹きつけやすくなる。講師に動きがないと聞き手は退屈になる。講義中は、大きくスピーディに動くこと
〇板書
想いをこめて、筆圧は強め、文字は大きく、素早く書く
〇冒頭の「つかみ」
講演でもセミナーでもプレゼンでも「つかみ」は、最も重要。一気に非日常を演出し、受講者の意識を変え、これから学べることの期待値を上げ、集中力と学習効果を飛躍的に上げていく、効果絶大の魔法のツール。
・固定概念と180度違うこと
・クイズは、意外な数字、興味深い数字であること
・有り難味は数値化する。
・キーコンテンツは暗号化する
〇受講者を惹きつけるために
入り口では、受講者が一番知りたいことを伝え、心を掴んでから、出口で講師の一番伝えたいことを語る。キラーコンテンツほど先出し。
「つかみ」→「共感」→「新たな挑戦、エンディング」の流れ。
〇人が急激に成長するとき
①心から楽しんでいるとき
②崖っぷちに立たされたとき
〇深い気づきは、「対比」
〇カリスマレジュメ7カ条
①レジュメ自体が大きな「つかみ」になっいるか?
②講義が始まる前から、レジュメを見ただけで受講者がわくわくするものになっているか?
③レジュメを見ただけで、知らない講師だったとしても受講できる有り難味が感じられるようになっているか?
④終了後も講義中の感動や余韻をレジュメから感じられるようになっているか?
⑤レジュメ自体が営業マンになっているか?
⑥レジュメ自体に、受講者の記憶に残る学習効果の高い仕掛けがあるか?
⑦受講者にとって、レジュメ自体が財産になっているか?
〇オンリーワンの見つけ方
①不幸自慢(過去のネガティブ経験)
②自慢(過去のポジティブ経験)
③好きなこと
④得意なこと →おそらく勝てるというものを書き出す
〇人が学びたくなる3つの時
①人は困ったときに学ぶ
②人は夢を持ったときに学ぶ
③人は学ぶこと自体が楽しい時に学ぶ
今年は、プロ講師の方々と講師スキルを学ぶ機会に恵まれています。理解と実践のギャップの大きさに改めて難しさを感じます。背後では考え込まれているけれど、人前に立てば、人間性(自分の持ち味)で思い切って表現できる人になりたいですね。
講師スキルは、講師として何かを教えるというためだけではなく、人に何かを伝えるとき、全般に役立つスキルであり、自分のコミュニケーション上の特徴もよく見えてくるので、とてもやりがいがあるトレーニングになっています。