『未来の働き方を考えよう』(ちきりん)
いったい、何歳まで働くのか。どのように働くのか。未来はどんな世界に変わっていくのか、想像を超える変化の中で、私たちはどのように生きていくのか。遠い未来は分からないけれど、次の10年で働き方は大きく変わるはず。正しい生き方、正しい働き方というのは存在しないので、一人ひとりが自分事で考えていくしかありません。そんな未来の働き方を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇世界を変える3つの革命的変化
①大企業から個人へ by IT革命
・ITの進化はこれまで圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大組織から、今までは従属するしかなかった個人や個人が集まっただけのネットワークへパワーシフトを起こしている。
・個人や新興企業でもこれまで大企業でなければとても調達し得なかった金額を調達できるようになった。
・小規模企業や個人のカリスマリーダーが率いる組織との経営判断とのスピード差はこれまで以上に大きくなる。
②先進国から新興国へ by グローバリゼーション
・日本ではグローバリゼーションは迫りくる脅威として受け止められることが多いこの言葉も、インドなどの新興国では完全にポジティブな言葉。
・教育を受ける機会が均等化すれば、人口の多い国で、より多くの才能が生まれるのは当然のこと。高度に知的な分野においても、先進国の圧倒的な有意性は大きく揺らぐ。
③ストックからフローへ by 人生の長期化
・人生が100年になり、80歳まで働かねばならない時代になれば、働く期間は57年(23~80歳)。そんなに長い期間、一つの職業に就いていると想像するのは、本当に現実的か?そもそも50年も経てば世の中は大きく変わり、職業自体が不要になる場合もある。
〇働き方の柔軟性
・「安泰だけど40年以上中断できないキャリア」「5年働いて数カ月休む」「10年働いて2年間留学する」「3年働いて、半年は専業主夫」・・。
〇人生と仕事
・どんなに頑張っても売上が上がらない仕事や、リストラやコスト削減ばかり行われている職場で、仕事から人生の意義を感じ取るのは容易ではない。
・むしろ「働くこと」と「生きる意味」を切り離し、仕事からは生活費とスキルだけを得て、仲間や社会からの承認、そして生きがいに関しては、ボランティアや趣味のコミュニティから得ようと考えるのも極めて合理的判断。
・これからの仕事、働くこととは、人生におけるすべての欲求を満たしてくれる土台となるものではなく、人生にとって重要なものの一つという位置づけに変わっていく。
〇職業人生は2回ある
・20代~40代後半までの前期職業人生と40歳代後半以降の後期職業人生。
・一生の間に2つのパターンの職業人生を送るという考え方は、寿命が延びる中で正解の見えない時代を生きる人にとって、様々なメリットがある。
〇第二の就活@40代の有利な点
20年くらい働いた40代こそ、自分に合う仕事を見つけるベストタイミング。
・自分のやりたいことや適性がリアルに理解できる
・現在の延長線上にある生活が、ほぼ予測できる
・今後の生活に必要なお金の額が、ほぼ把握できる
・社会の仕組みが理解できている
・大企業・中小企業のメリット、デメリットが客観的に理解できている
・自分の能力や知識がどこで活かせるか、想像し、自分でアプローチする方法も考えられる
〇就活
自分がやりたいことが見つからずに悩む若者が多いが、職業人生は2回あるという前提に立ち、最初はとりあえず目の前にある仕事をしてみて、その間に、自分が本当にやりたいことを見極め、後半人生はそれを中心に設計すればいいのだと考えれば、就活も少しは気楽になるはず。
〇支出マネジメント
・全ての大きな出費は、「この買い物をしなければ、自分は何年分、早く引退できるか」という年月に換算できる。どうでもいいこと、周りがやっているからうちもそうする、みたいなことに多額のお金を使うくらいなら、その分は、人生再設計のための原資にすればいい。
〇オリジナル人生を手に入れるために
①手に入れたい人生を明確にしよう
②複数の将来シナリオを持とう
③市場で稼ぐ力をつけよう
20年ほど働いた40代が自分に合う仕事を見つけるベストタイミングとは、なるほどね~という感じでしっくりきます。確かに、社会のことも分かり、自分のことも分かってくる。80歳まで働くとして40年近くあり、将来の再設計もしたくなる時期。パラレルでチャレンジしてみたり、いろいろと動ける時期であると思います。