『行動の科学』(マイケル・ボルダック)
著者の経験がすごすぎる。ゆえに、真実味がある。そんな一冊。
著者は7歳のときに父親が母親を殺害するという衝撃的な事件を体験。そのショックから重度の吃音症と極度の対人恐怖症となる。16歳のときには養父母の家から追い出され高校中退し絶望的な少年時代を過ごす。たまたま友人に誘われて参加したセミナーをきっかけに自己変革に目覚め吃音症を克服。その後、目標達成コーチとしてキャリアを積み、世界的ビジネスコンサルティングの権威であるブライアン・トレーシーから世界№1と称されるようになった。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇思考から結果へのプロセス
「すぐにやれない人など存在しない」。すぐに行動に移せないことで困っている人がいるとすれば、その人はただ、すぐやれない状態にあるだけ。行動できないという結果は、行動できないような感情が原因となって生まれている。行動に向かっていけるような感情をデザインし、行動できる状態をつくれば、誰でも見違えるようにアクティブになれる。
〇痛みと快楽
行動のすべては大きく分けると2つのモチベーション。①できる限りの快楽を得るため、②痛みを避けるため。動機づける能力とは、痛みと快楽にコントロールされるのではなく、快楽をコントロールする能力のこと。痛みと快楽は表裏一体。どちらを表にし、どちらを裏にするか。そのように意識的に考えることが、痛みと快楽にコントロールされない、そして自らコントロールするための第一歩。
行動に対する意味づけが成功にとって極めて重要。失敗には即座に感じる大きな「痛み」を結び付け、行動には即座に感じる大きな「快楽」を結び付ける必要がある。
〇具体的なゴールが快楽を呼ぶ
ゴールを設定する際に、具体的すぎるということは絶対にない。今現在の自分とゴールの間にあるギャップを認識することが重要。
「自分がゴールを達成したと実感できるのはどんな状況になったときか?」
視覚的、聴覚的、身体感覚(感情)等、ゴールを達成したと分かる感覚に基づいた証拠を見つける。
「ゴールを達成したときに何が見えますか?何が聞こえますか?何を感じますか?」
〇ビリーフ
信念であり、確信の度合いの高い思い込みのこと。私たちのゴールの大きさは自分が達成できると信じているものによって決まる。
「すべての行動は感情によって起こる」
「人の心が思い描き信じられることは、すべて実現可能」
「あなたができると思っても、できないと思っても、どちらも正しい」
ビリーフとは、何を避けて、何に向かっていけばいいのかを知らせてくれるプログラム。
〇小さなゴールと大きなゴール
不確実感とは痛みの一種であり、人は痛みを避けたいので、つねに小さめのゴール設定で満足する。しかし、小さなゴールはモチベーションを喚起させてくれない。モチベーションの欠如は、更なる失敗を引き起こし、多くのリミッティング・ビリーフを作りだす。
〇失敗を正しく解釈するために、自分に聞くべき質問
・この出来事の良い点は何だろう?
・何がまだ完ぺきではないのだろう?
・望む状態を実現するために、進んで何をやる?
・望む状態を実現するために、何をやめる?
・どのようにそのプロセスを楽しむことができるだろう?
〇20分間でモチベーションを高める
このステップが頭に入るまでは、他のページはいっさい読まなくてもいい。
①20分間のモチベーションを高める習慣を、何らかの運動と組み合わせるのがベスト。
②運動をしながら、自分が望む理想の人生を表すビジョンボードを見て、一度につき1つのゴールとそのゴールの達成から得られる自分へのメリットに集中する。「このゴールを達成した今、何が見えるだろう?」
③すでに成功したと現在完了形で頭の中で画像化(映像化)することが重要。
④このゴールを達成したとき、あなたは自分になんと言いますか?他の人はあなたに何と言うでしょう?もし自分に何か言うのであれば、声に出して言いましょう。
⑤自分の思いをしっかり感じ、完全にその思いを今、ここで感じる。「このゴールを達成した今、どう感じるだろう?」
⑥力強く声に出して「理想の人生を生きるために何が何でもやっている」と言う。
姉妹本の『達成の化学』とともに、感情のコントロールが原動力になっています。ビジュアル化、言語化して、イメージを自分自身に刷り込んでいく感じ。自分をコントロールする術として、惹かれる内容でした。
行動の科学――先送りする自分をすぐやる自分に変える最強メソッド
- 作者: マイケル・ボルダック,高野内謙伍,吉田裕澄
- 出版社/メーカー: フォレスト出版株式会社
- 発売日: 2015/12/06
- メディア: 単行本
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