『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』(アービンジャー・インスティチュート)
「箱」シリーズ第2弾。ロングセラーとなっている『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の続編。深堀り又は横展開かと思いきや、エッセンスを絞って優しく分かりやすくしたような内容でした。内容は、職場でも家庭でもイライラを募らせているビジネスマンが自分の自己欺瞞に気づき、それを解決していく物語です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇心の持ち方(心の奥深くの感情)
・人は表面の行動じゃなくて、心の奥深くにある感情を感じ取れる。だから、そもそもの考え方が間違っていた場合は、いくら外見上正しい行動をしても、相手に与える影響は違ったものになる。
・心の持ち方には、①人を人として見る【思いやりの心】、②人をモノとして見る【抵抗心】がある。
①思いやりの心
共感、共鳴。相手は同じ人間。何かをしてほしいと思うし、新しいチャレンジをするときには不安や恐怖も感じる。喜びもするし、悲しみもする。まったく自分と同じ、人なんだということ。
②抵抗心
上から目線。相手をモノとしてみると、実は現状を見ていないということが起こる。事実が見えなくなる。もし見えていたとしても、相手や相手のしていることには、自分や自分がしていることほどの価値はなく、意味もないと思っている。
⇒1)邪魔者、障害物、2)便利な道具、3)無関係、無関心
〇自己裏切り
・自分をだます、自分を裏切る。他人に対して、心ではすべきだと思っていることに背く行為をすること。相手を非難し自分を正当化している状態を、『箱に入っている』という。
(例)妻が洗濯物をたたまなくていいように自分でたたもうと思った。
⇒選択:①尊重する、②自己裏切り
⇒自己裏切り
⇒自分をどのように見始めたか(疲れている、忙しい、俺の仕事じゃない、手伝っている)、相手をどのように見始めたか(悪い妻、だらしない、お礼も言わない、文句を言う)
〇共謀(2人またはそれ以上の人間がお互いに対して箱に入った状態)
・妻:他の人がする(イライラする)こと‥準備が遅い
・私:自分に見えること(相手をどのように見ているか)‥のろま、ぐず
・私:自分がすること(私がどのような行動をとるか)‥急かす
・妻:相手は自分はどう見るか‥小さい男
〇箱から出る4ステップ
①自分の箱に気づくこと
まずは気づくだけでいい。
②箱の外の世界を探すこと
結局、相手に対する非難の気持ちを持ったまま行動するから、うまくいかない。『箱の外にいるなぁ』って感じられる人、例えば、尊敬する人とか、自分の人生にいい影響を与えてくれた人を考えてみる。その人たちを思い出したり、接してみたりすること。人でなくても、場所や環境でもいい。好きな映画、音楽、好きな本とかでもいい。
③新たに状況を考え直す
自分が箱に入って接していると思う人に次のことをする。
・その人が経験しているだろうと思われる障害、重荷、苦痛を考えてみる
・自分が加えたいと思われる障害、重荷、苦痛を書き出す
・大きい小さいに関わらず、その人を不正に扱ったり、見下したりしてみたことはないか
・これらのことを踏まえて、その人に自分がすべきことは何か(10年後とかの長期プランじゃなくて、今すぐにでも出来る簡単なこと)
④感じたことをする
これをやっていれば箱からは出られる。箱に入っても、また出ればいい。だから生まれ変わることを恐れなくていい。
〇箱の外の世界
毎日気づかずに触れている。ほとんどの場合がこの世界で生きている。しかし、一度何かの刺激で箱の中に入って、その中で生活すると、途端に箱の外が見えなくなる。でも、実は自分が箱の中にいるかもしれないと思うだけで、箱が半分開いた状態になっている。
「箱」に入っているイメージが挿絵で理解できると、すーっと読み進められます。自分で「箱」に入っているかな?と思ったら、とりあえず気づくこと、というのは、まさにその通りだなと思います。一旦、心を鎮めれば、冷静に状況も見えてくるわけで、「箱」にはいったままだと、相手も「箱」に入ってしまい、泥沼化してしまう。日常よく直面することであり、活かせる場面も多い内容だと思います。
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
- 作者: アービンジャー・インスティチュート
- 出版社/メーカー: きずな出版
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る