MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

シゴトの流れを整える(三谷宏治)

『シゴトの流れを整える』(三谷宏治

 仕事も渋滞も同じ。一度渋滞したらいきなり失速・墜落する。だからそもそも渋滞を起こさないようにすること。本書は、仕事の進め方のコツをシンプルにまとめたものです。要点は、「分ける」「減らす」「早めにやる」。仕事を、そして人生の種々を上手く流れるようにするための「整理術」です。

 

■ひとことまとめ

 「分ける」「減らす」「早めにやる」

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇分ける

■視点

・「こだわるもの」「こだわらないもの」に分ける

・分けるための「決め方」を決める

・「コミュニケーションルート」を分ける

■実践

・こだわりレベルを定義する

 ①すごくこだわる ⇒納得いくまで吟味

 ②少しだけこだわる ⇒5分考える

 ③全くこだわらない ⇒考えない

・自分ルールを決める ⇒品質or価格、費用高or費用低、工数大or工数小など

・迷った時のルールを決める

 ⇒最初の感覚を信じる、より分からない方へ進む、素人の意見に従う、一段上がって大局的に正しいことを言う など 

 

〇減らす

■視点

・仕事を打ち返す(思いつき仕事を減らす)

・みんなが困るまで待つ(余計な障害を減らす)

・メールなどの使い方に注意する(無用なコミュニケーションを減らす)

■実践

・モノの総量を減らすには、①増やさない、②減らす、③まとめる

・大事な仕事中は携帯は出ずに掛け直す

 ⇒残されたメッセージですぐ掛け直すべきか判断。電話に出るのは緊急の仕事を増やしているのと同じ。

・メールは即レスせずに、24時間以内に返信する。即レスはメールのチャット化のもと。

Microsoft Officeは、ショートカット機能を習得

・みんなに聞く作戦。捨てるべきは自分のささやかなプライド

 

〇早めにやる

■視点

・気分に合わせ仕事をする(生産性が上がる)

・無理そうなものを把握する(スタックしなくなる)

・答えのカケラを納得いくまで探す(後工程が楽になる)

・1日分の余裕を持つ(保険ができる)

■実践

・気分に合わせた仕事の配分

 頭が回るとき⇒クリエイティブワーク

 頭は回るが重いとき⇒力仕事

 頭が回らないとき⇒軽作業

・仕事を細切れ化する

 集中力が切れたところ、悩んで進まないところ、頭の使い方が違うところ、で切る

・見えなくなったら

 探してみる、作ってみる、話してみる、寝てみる

 

〇習慣化するために

・参入障壁を下げる

 マネする、既存の習慣にくっつける、気楽に3回やる

・参入障壁を上げる

 途中でやめられないようにする、他人に宣言する、個人戦ではなく集団戦にする

 

 道路が渋滞すると車が流れる総量は半分以下に落ち込むそうです。仕事も同じ。ちょっとした工夫で仕事の流れを作ることで、効率がアップする。好循環を生み出す要点を確認するのにお手頃な本でした。

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