『チームの生産性をあげる。』(沢渡あまね)
生産性=アウトプット/インプット。ビジネスだけでなく普段の生活でも生産性をいかに高めるかは永遠の課題です。本書は、仕事の進め方を変えて、アウトプットを最大化する取り組みを、4つのアプローチと8つのステップにまとめた実務書です。図表、線引き、2色刷りなど、読みやすさにも配慮されています。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇生産性向上の4フェーズと8ステップ
1.現状把握フェーズ
①業務を洗い出す
・業務一覧で「隠れ業務」を洗い出す
地味で目立たない業務、季節業務、レア業務、属人化した業務・・
・「この業務何のためにやっているんだっけ?」
・問題の原因にアタリをつける業務の5要素
1)インプット
2)アウトプット
3)目的・目標
4)関係者
5)効率
・ラスボス(本当のお客さん)は誰か?
経営者、お客様、社員・・・
・定常業務の割合を把握(所要時間)
・「のび太のくせに生意気だ」‥大して重要でない業務にずいぶん時間がかかっているんだな・・
・各業務の4つの方向性
1)強化、2)効率化、3)現状維持、4)縮小・廃止
・意識していないと測定できない
「定義できないものは、管理できない。管理できないものは、測定できない。測定できないものは、改善できない」
②ムダに気づく
・仕事の処理速度をあげる3要素
1)すぐやる、2)速くやる、3)ミスがない
⇒ネガティブな仕事だと・・・
1)やる気が起きない、2)だらだらしがち、3)ミスだらけでやり直し
・ネガティブワードは宝の山
「わざわざ」「いちいち」「毎度毎度」「結構(多い)」「すごく(多い・大変)」
・この作業がなかったら誰がどう困るんだろう?
・外の風を当てる
外部専門家・他部署の人に聞く、転職者の活用、外部講演会を聞く、本を読む
・ムダな時間
1)思い出す時間、2)探す時間、3)悩む時間、4)問い合わせる時間
・切り替えのムダ
1)場所の切り替え、2)気持ちの切り替え、3)環境の切り替え
2.検討フェーズ
③改善策を考える
・書き出す、見出す、ひねり出す
・面リスト(多面思考)‥コスト面と売上面、費用面効果面など
・苦手なことはやらない
⇒得意な人に任せる、やってくれる人に見返り、外注、やらない(捨てる)
④標準化する
・「繰り返し性」×「重要度」の視点
・「発生頻度」×「所要時間」の視点
・「優先度」と「属人度」の視点
・レア作業こそ手順書をつくる
5つの要素図(インプット、アウトプット、目的、関係者、効率)、説明書き、写真などの観点。
⇒1)思い出す時間、2)探す時間、3)悩む時間、4)問い合わせる時間の削減
3.実践フェーズ
⑤横入りをなんとかする
・可視化⇒共有化⇒向き合い方を決める
・インシデント管理簿をつくる
・既知か未知か?
・ときには逃げる判断も大事
1)対応する、2)断る、3)先延ばし、4)効率化検討、5)ツール・システム化
⑥やってみる
・やりやすいところからやってみる
・3段階でやめる基準を決める
1)効果測定、2)共有、3)振り返り
・キャッチコピーをつける
4.浸透フェーズ
⑦定着させる
・既存の行動に取り込む
・自動化する
・見返りを与える
・未知なものに対する恐怖心を取り除く。改善後の世界をイメージさせる。
・人は納得すると主体的に動く
⑧振り返る
・数字⇔感覚チェック
「おやっ?」と思って数字で確かめる。数字を見て、「おやっ?」と思う。
・失敗を分析
1)知らなかった、2)できなかった、3)気づかなかった
生産性は、企業や個人レベルだけでなく、人口減少、労働力人口減少の中、日本全体でも今後ずっとキーワードになっていくはず。「生産性」本は、最近流行っていますが、個人的には、何と言っても製造業に学ぶのが一番と思う領域。工場内の生産性向上に向けた活動は長年研究と実践が繰り返されてきた歴史があり、そこから応用させていただくのが、学びの生産性も高まるかと思います。
チームの生産性をあげる。―――業務改善士が教える68の具体策
- 作者: 沢渡あまね
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