『インプット大全』(樺沢紫苑)(◯)
インプットとは、INしてPUTすること(定着してなんぼ)。
昨年の『アウトプット大全』と対をなすインプットの質を高めるノウハウ集です。「日本一アウトプットする精神科医」のインプット術。メルマガ毎日発行14年、Facebook毎日更新9年、YouTube毎日更新6年、毎日3時間以上の執筆12年、年2〜3冊の出版11年連続、新作セミナー毎月2回以上10年連続。この膨大なアウトプットを支えるインプットのノウハウはまさに実践からのフィードバック。実践している方からの情報は現場の知恵なので、とっても役立つ1冊でした。
【3つの学び】
①アウトプット前提のインプット(AZで行こう)
②セミナーは最前列で学ぶ(緊張感、ヤーキーズ・ドットソンの法則)
③セミナーは3つの質問を考えて聞く
(印象に残ったところ)
◯基本法則
・インプットするときは、「方向性」と「ゴール」を設定する
①何をインプットする?
②方向性(具体的には?)
・次にアウトプットへ(どうなりたい?)
①いつまでに?
②ゴール(目標)
◯アウトプット前提(AZで行こう)
・2週間で3回以上アウトプットする
・心理的プレッシャーは緊張状態を作り、ノルアドレナリンが分泌され、集中力が高まり、記憶力、思考力、判断力が高まる。
・美術展に行くなら、感想を話す前提で観る。
◯本を読む
・「深読」。たくさん読むよりも深く読む。「内容について議論できる水準」が目安。10分でその本の内容を人に説明できるか?
・感想を前提に読む。
・バランスよく読む。①賛成派、②反対派、③中立派の3点読み。賛成派・反対派の2冊でもいい。
・パラパラ読み。①目的を明確にする、②目次を見て興味ある項目を3つ選択、③①と②の内容を探しながらパラパラめくって読む、④各章のまとめに注意しながら本の内容を把握する
◯セミナー
・生で聞く。非言語コミュニケーションも伝わるので、圧倒的に情報量が多い。感情を揺さぶるので、記憶力を増強するドーパミンが分泌され、圧倒的に記憶に残る。
・最前列で聞く。「適度な緊張が学習効果を最大にする」(ヤーキーズ・ドットソンの法則)
・講義を見る時間:ノートを取る時間=7:3か8:2くらい。
・箇所書きで3つ「今日のセミナーの目的」を書く。
・質問を前提に聞く。質問ができるということは、人の話を聞いて、自分は何がわかっていて、何がわからないのかを知っている状態。
・メモは集中力が高まり、内容の理解も深まる。一方、メモをたくさん取ると記憶力が低下するという研究結果もある。
◯音楽
・勉強する時に音楽をかけると、著しく効果が下がる。特にテンポの速い曲の悪影響は大きく、無音と比べて記憶力テストの得点が約50%も低下した。
・勉強すると音楽を聴くは同時にやっているようで、脳の中ではそれらの処理を交互行なっている。
・歌詞のある曲は「言語脳」に負荷をかけるので特に良くない。
・仕事や勉強の「開始前」に、テンポの速い曲や自分の好きな曲を聴いてテンションを上げるのは、脳科学的に効果がある。
・手順や段取りが決まっている作業、あまり頭を使わない単純作業に関しては、音楽はプラスに働く。
◯インプット直後にアウトプットする
・感動する映画を見たとき、ノートに「全アウトプット」を行う。自分の気づきや心に残った場面を、その場面の解釈、重要と思えるところを、脳の中から全てを吐き出すようにノートに記録する。
・セミナーを全て聞いたからこそ出てくる感想やアイデア、まとめをノートに追記する。
◯脳内図書館を構築する
・曼荼羅シートを使って、今までにインプットされた情報が「きちんと整理された図書館」の各分類棚に、ジャンル、内容ごとに整理して収められている状態を作る。
◯学びを欲張らない
・脳が一度に記憶して処理できる情報は3つまで。「3つの気づき」が得られれば十分。
・それが終われば、次の3つの処理が可能になる。気づきが3つで少なすぎると思った場合に「3+3」で記憶していく。
◯寝る前の時間
・インプットをした後に何もせずに眠ると記憶として定着しやすい。
・何もしないで眠ると「記憶の衝突」が起きないので、脳は余計な情報を整理する必要はなく、そのままストーンと記憶に定着する。
◯移動する
・場所を変えただけで記憶力が40%アップした研究がある。
・著者も1日に3回場所を変えて仕事をしている。
本書を読んですでに実践しているなというところはサッと読んで、取り組んだことがないところはじっくり読んで、自分に取り入れられそうなことを発見していく。3つ取り入れるだけで、それを毎日重ねれば、半年後、1年後、それは大きな差になっていくと思います。