タイトルに惹かれて購入した本書。タイトル通り、ほぼほぼ分かるくらいの緩めの本でイラスト多数と、とっつきやすいです。「いきなりAIの本は難しそう。でも気になる分野・・」という方におすすめです。まとめも緩めで。。。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯AIの歴史
①第1次AIブーム(1950年代後半〜60年代)
・コンピュータで推論や探索をすることで特定の問題を解く研究が進んだ。
②第2次AIブーム(1980年代)
・コンピュータに知識を入れて賢くし、特定分野の専門的な知識を取り込むことで、その分野のエキスパートのように振る舞う人工知能(エキスパートシステム)が開発されていった。
③第3次AIブーム(現在)
・知識をコンピュータに入れることが容易になり、コンピュータが自律的に学習できるようになった。
◯五感を人工知能に取り込む
①視覚
高精度カメラやリアルタイムに情報を取り込めるセンシング技術が発達している。ロボットのように身体にカメラを取り付ければ良い。
②聴覚
音声認識技術が発達しているため、問題ない。
③嗅覚
香りの好みなどを考慮しなければ、センサーが開発しているので取り込めるだろう。
④味覚
味そのものはセンシングできるかもしれないが、そもそも人工知能が何かを食べることがないので、考える必要はないのかもしれない。
⑤触覚
何らかの形で実現する必要がある。手触りは論理というより、人の身体から生まれる生の感覚で、例えば指の変形から生じる肉体的な経験。このような感覚は、身体を持たない人工知能に取り込むことは難しいので、アンドロイドなどロボット研究との連携が必要。
◯人工知能のレベル
①レベル1
・入力と出力の関係を一義的に義務付けているだけのような単純な制御プログラムが入っている家電製品などを指す場合。
②レベル2
・センシングと質問に対する応答のパターンが多彩、つまり入力と出力を関係付ける方法が洗練されている人工知能。
③レベル3
・機械学習を取り入れた人工知能。検索エンジンに内蔵されていたり、Web上から取得したビッグデータをもとに自動的に判断したりする人工知能。
④レベル4(現在)
・機械学習の過程で、コンピュータが自ら特徴量を抽出して学習を進めていくディープラーニング(深層学習)。何かの目的に特化したAI(=特化型人工知能)。
⑤レベル5
・ドラえもんや鉄腕アトムのように人と同じように振る舞うことができ、時に人よりも優れた能力を発揮するもの。
◯シンギュラリティ(技術的特異点)
人工知能が自分能力を超える人工知能を自ら生み出せる時点。2045年にはコンピュータの性能が人間の脳を超えるという予測がある。この予測は、コンピュータチップの性能が18ヶ月(1.5年)ごとに2倍になると予測した「ムーアの法則」に基づいて作られている。
◯人工知能に入れにくいもの
・意味付け
人間は文字で視覚を通して得る言語や、音声として聴覚を通して得る言語から、ごく自然に「意味」を認識している。しかし、人工知能は「意味」を取得することは苦手と言われている。意味は「文脈」に依存しているため、音声や文字自体を正しく認識できても、それを文脈の中で正しい意味と結びつけることは難しいということがある。
・触覚の実現
触覚は全身に分布しており、手や指でなぞるといった探索的な動作が必要。そもそも人間は接触面での肉の変形によってセンシングしているとされ、視覚や聴覚と比べ、人間でも皮膚の状態によって個人差が生じやすいので本当に大変。
◯機械学習
・教師あり学習
「学習データと正解のペア」を、教師データ、教師あり学習プログラム、教師あり学習器という。「こういう特徴のある画像は、◯◯だ」というルールを見つけること。文字や画像の認識なら画像を与え、音声認識なら音声を与えることで、コンピュータに入力できる形になっているものなら、どんなものでも学習できる。
・分類問題
教師あり問題は、分類問題と回帰問題に分けられる。分類問題の例はスパムメール検出。「この単語が入っていたら-0.25点。この単語が入っていたら+0.53点・・」というルールに従ってメールに点数をつけられるようにして、合計点数が0点以上だったらスパムメールと判断するということをできるようにする。
・回帰問題
例えば、天気の場合、降水量という変数を、温度、湿度、気圧、風向きなどの別の変数の値で予測する式(一次関数)を作る。
・教師なし学習
正解がよくわからないデータをコンピュータに分析させて、何かしらの構造やルールを見つける。お客さんごとに適した商品を紹介する「レコメンド」というサービスなど。
などなど。ほぼほぼ分かるといっても、まだちょい難しいかなーと思いつつ、読みました。この分野は、繰り返しこの分野に触れながら、イメージを作っていき、興味があるところはもうちょっと深掘って見るくらいのゆるい感じで臨みたいと思います。