『感動の会議』(寺沢俊哉)(〇)<3回目>
Dr.テラこと寺沢先生の著書です。素晴らしいファシリテートに感銘を受けている先生ですがが、本書では、「会議を通じて人を動かす技術」について書かれた書籍です(講師としての観点も入っています)。経験から得られたノウハウがたくさん盛り込まれており、とても実践的な内容です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇著者がこれまで出会ってきた、会議の達人の3要素
①自ら明確なゴール(意図)を持っていること
②課題達成だけでなく、参加者の満足を引き出していること
③会議のオーナーとしての責任を取っていること
〇参加者の満足の源泉
①課題への貢献感
②自分自身の成長実感
③それを周りが見ていてくれること(承認)
〇オーナーシップの10項目
①範囲(会議で何をとりあげたいか)、②開催理由、③理想の姿、④タイトルづくり(どうしたら理想の姿になるのか)、⑤会議のゴール、⑥グラウンドルール、⑦関連情報、⑧参加者(多様な視点)、⑨時と場所、⑩進行表(共鳴→発見→合意)
〇2の原則
①人は2分無言だと不安になる
②20分までは、一方的な話でも、どうにか聞き続けることができる
③20分間の昼寝は満足感が得られる
④終日の会議でも、1つのテーマは2時間まで
〇共鳴→発見→合意
方針発表だからといって、共鳴・発見・合意を10:0:0にせず、必ず共鳴→発見→合意のプロセスを入れる。対話が双方向に進み、参加者満足度が高まるから。
〇あいさつの黄金律
こんにちは→ありがとう(相手への感謝)→うれしい(自分の気持ち)
〇つかみの3パターン
①だれでも共感できる物語を入れる
物語を活用するときは、すべて、「〇〇の大切さを訴求するために使う」
②質問から入る
③簡単な実習を入れる
〇達人の質問プロセス
(1)3つの基本プロセス
①即行動型:現状→行動
②現状分析型:現状→原因→行動
③理想追求型:現状→理想→行動
(2)4つのプロセスを揺さぶる質問パターン
①時間軸を動かす質問
②視点を変える質問
③チャンクを上下させる質問
④前提を投げ込む質問
〇視点を変える質問パターン(世阿弥から学ぶ)
①我見:舞台からお客様を見る目
②離見:お客様から自分を見る目
③離見の見:それら全体を見る目
〇チャンクアップ・ダウン(目的⇔手段)
・ダウン:具体的には? 例えば?
・アップ:目的は? 何のため?
〇チャンクアップ・ダウン(結果⇔原因)
・ダウン:原因は? なぜ?
・アップ:その結果? だから?
〇前提を投げ込む質問パターン
・もし~ ?
・~できないか?
このジャンルは、書籍で言葉で読むんで頭で理解するのと実際にやってみるのでは大違いですね。その点、寺沢先生は実際のファシリテートが素晴らしいので、やはり、やってみて訓練しながら一つひとつ地道に習得しなければいけないなと、基本の大切を実感します。
- 作者: 寺沢俊哉
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/07/17
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