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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

シンプルに考える(森川亮)

『シンプルに考える』(森川亮)(〇)

 あすか会議2015第七部(全体会)に登壇される元LINE社長の森川さん。本書では、本書のタイトルどおり、シンプルに本質を追求していく経営の考え方がまとめられています。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇ビジネスの本質

①ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること

②ユーザーのニーズに応える情熱と能力を持つ社員だけを集める

③能力を最大限に発揮できる環境を創り出す

④そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。

 

〇経営は管理ではない

イノベーションを生み出すのは人間であって、システムではない。

・社員をシステマティックに管理しようとすればするほど、イノベーションから遠ざかる

 

〇何もないから鍛えられる

・リソースに恵まれた環境にいることは、必ずしも喜ばしいことではない。

・何もない状況でこそ大きく成長できる。リソースが足りなくても成功できるという確信こそがビジネスパーソンの自信の源。

 

〇成功は捨て続ける

 クリエイティブな能力を発揮してヒット商品を生み出した後は、オペレーション部門に引き継いでもらう。他人に手渡すのは悔しい気もするが、それを手放し、また新たな価値の創造に向かうことが重要。

 

〇率直にモノを言う

・正しい目的を達成するために必要なことであれば、自分がどう思われようが、率直に相手に伝える。それこそが、ビジネスパーソンとして本当の意味で真摯な姿勢。

・お互いにいいものをつくるために働いているという信頼感がベースにあってこそ、率直にモノをいう文化が有効に機能する。

 

〇人事評価はシンプルがベスト

・360度評価で「いなくてもいい」と評価された人には改善を求めるシンプルな仕組み

・複雑な評価システムにすればするほど攻略は増える。逆に結果を出している社員の不満は高まるという本末転倒な状況が生まれる。

 

〇会社は学校ではない

・「成長できないのは会社が教育しないから」は、教育を言い訳にしているだけ

・「自分には足りないものがある」「このままでは誰にも必要とされない」と気づくまで放置したほうがいい。それに気づいたときにはじめて、人は真剣に学び始める。

 

〇統制はいらない

・意思決定には、①自分で決める、②「決める人」を決める、の2種類がある。

・「決める人」を決めるのは、その事業領域について自分より強い人に権限を委譲してすべての意思決定を一任すること。「誰に任せるか?」これこそがリーダーの最も重要な意思決定。

 

〇ビジネスに情けはいらない

・社長の仕事は社員に好かれることではない。社員を成長させ、企業を成長させるのが社長の仕事。たとえ厳しくても、ビジネスの原則をシンプルに貫徹する覚悟を持たなければならない。

 

〇戦略はシンプル

・「どこよりも速く、最高のクオリティのプロダクトを出す」

 

〇計画はいらない

・インターネットの世界は、あまりにも変化が早い。市場が変われば計画を変更しなければならない。これが社内に不協和音を生み出す。

・いかに変化に素早く適応するかがビジネスの最重要ポイント

事業リーダーに、達成して欲しいベースラインを伝え、あとは、それぞれの判断に委ねる。

 

〇情報共有はいらない

・良いサービスを出していれば、いつか結果がよくなるはず。それを信じてユーザーに価値を提供することだけに集中する。それが成功への最短距離。会社が余計な情報を出すことで、社員が目の前の仕事に集中できない環境を作り出すことの方が問題。

 

〇差別化は狙わない

ベンチマークした商品の中で、ユーザーにとって最も重要な価値にフォーカスする。そして、その価値をとことん磨き上げる。その時ははじめて、真の差別化を生み出すことができる。

 

〇Quality×Speed

・Quality×Speedを最大化することが、あらゆるビジネスの成功の鉄則

 

 本書では、まず目次をパラッと見ることがお薦めです。

 「空気を読まない」「成功は捨て続ける」「統制はいらない」「モチベーションは上げない」「ビジョンはいらない」「計画はいらない」「ルールはいらない」・・。えっ、そんなんで会社経営大丈夫?って思ったら読んでみる価値ありだと思います。

 ついつい、自分の常識の範囲で経営を考えしまいまいがちですが、ビジネスの一線で活躍する経営者の経験から導かられた経営哲学は示唆に富んでいます。講演会では、文字の表面上では感じられない部分を感じたいという興味が湧いてきました。

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