MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

目標達成する技術(マイケル・ボルダック)

『目標達成する技術』(マイケル・ボルダック)(〇)

 著者の経歴がすごすぎ、それだけで説得力があります。まず帯に「私が7歳のとき、父が母を殺しました・・・」とある実話。このショックで吃音が激しく人とまともに対話ができない状態に。しかしその後、世界ナンバーワンコーチと呼ばれるアンソニー・ロビンズ氏と出会い、トップセールスマンに。そして20代にして、アンソニー・ロビンズ&アソシエイツの副社長に就任。そんな著者が「1063人の収入を60日で41%アップ」させた、目標達成の手法とは。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇痛みと快楽

・人は痛みから遠ざかり、快楽を求める。痛みと快楽の感情を自由自在にコントロールすることが行動を生み出す。

・痛みが変化への原動力となり、痛みが後押しとなって基準を上げる。

・痛みの感情を使って、強力なスタートダッシュを切ったら、次は快楽の感情を使う。

 

〇行動を生む6つのニーズ

 ゴールそのものは、最終的な目的ではない。ゴールとは「得たい感情」という究極の目的に到達するための乗り物でしかない。人間の究極的な目的は、次の6つの「感情的ニーズ」。このニーズが「行動を駆り立てる」

①確実感(確信、安心感)

②不確実感(退屈)

③重要感(尊敬)

④つながりと愛

⑤成長

⑥貢献

 

〇成功の80%は感情

・人生をマスターするには、①感情、②健康、③人間関係、④お金、⑤時間をマスターすること。感情以外の4項目は「感情」をマスターしないと得ることができない。感情が人生のすべての行動要因。

・行動するには感情的な理由が必要。人は自分自身のためよりも、他の人のためのほうが、より高いモチベーションを持つことができる。

 

〇大きなビジョン

 5万ドル稼ごうとするよりも、2倍の10万ドル稼ごうとするほうが、5倍も行動する。大きなゴール設定により、モチベーションが高まり、行動し続けることができる。

 

〇究極のビジョン

 ゴールは本当に欲しいと思える感情や価値観と矛盾しないものである必要がある。目標を達成する人は、目標を作ったときには、方法なんて知らない。でも、どうしてもそれを達成しなくてはならない感情的な理由を持っている。

 

〇心地よい状態

 心地よい状態というのは、「成長する」とは反対。「成長は居心地の悪さから来るもの」「成長は居心地の悪さをどれだけ、居心地よくするか」。

 

〇モチベーションが続かない理由

①痛みを感じることでやる気が出る

②やる気が行動を起こす

③行動すると結果が出る

④進歩すると痛みが消える

⑤その結果、痛みがなくなると、やる気もなくなる。

 成功している人は・・・

①痛みによってやる気が起こる

②やる気によって行動を起こす

③行動を継続するために、快楽の感情をいつもイメージする

 

〇フォーカスの法則

・「自分がフォーカスしたものを得る」。良いことであっても、悪いことであっても。

・思考のフォーカスをコントロールできれば、自由に感情をコントロールできるようになる。

・フォーカスをコントロールする一番の近道は「質問」。質問をコントロールすることで、思考のフォーカスをコントロールできる。

 

〇質問とフォーカスの関係

①質問→②フォーカス(思考の焦点)→③感情→④行動→⑤結果

 

〇意味づけの力

・身に起こるどんな出来事に対しても、好きなように意味づけできる。意味づけがすべて。「これはどういう意味なんだろう?」「それについて、私は何をすべきだろう?」。多くの人はその意味付けをネガティブにしてしまう。

・「この出来事の良い点は何だろう?」「この経験をどうやって生かせるだろう?」「この出来事から得られるギフトはなんだろうか?」

 

〇信念

 新しいレベルに達しようとするなら、現在持っている信念を変える必要がある。

・リミッティング・ビリーフ(自分を制限する信念)

→「私は期限までにゴールを達成することができない。なぜなら~」の後にどんな文章が続くか?

→このリミッティング・ビリーフを変えること。

例えば、変な声でコミカルな漫画のキャラクターの声で、「私は仕事が苦手だにゃ~。にゃにゃにゃにゃにゃ~」と声のトーンを変えて言ってみる。

 

〇力強いゴールをつくる

 価値観に一致する明確なゴールこそが、最高に力強いゴール。「やめる人は決して勝てない。勝者は決してやめない」。そのゴールを達成する目的は何なのか。それが何を与えてくれるのか。それによってどう感じるのか。

 何が欲しいのかを知るだけでは不十分。欲しいものを手に入れるための感情的な理由が必要。成功の80%は「なぜ私はこれを得たいのか」という問いかけ。

 

 感情をコントロールすることで、目標達成するための持続力を得る。出来事という客観的事実に対し、自分がどういう意味付けをするのか。今まさにチームフローで学んでいる考え方と同じ。とても共感できる内容でした。しばらく、著者を追いかけたいと思います。

-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~

-1063人の収入を60日で41%アップさせた-目標達成する技術 ~どんな目標も達成できる「成功の心理学」~

 

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