MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

アファメーション(ルー・タイス)

アファメーション』(ルー・タイス)(◯)

 「人間は言葉を操ることができ、その言葉がその人間の人生を決定する」

 コーチングの創始者であり、心理学者。米国自己啓発界・能力開発の世界的権威である著者の名著です。五輪金メダル8個を獲得したマイケル・フェルプスタイガー・ウッズなども学んだと言われる成功法則。世界60ヵ国で延3,300万人がそのプログラムを受講した、5つの法則が紹介されています。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

アファメーション

アファメーションという言葉は、持って生まれた潜在能力、思い描いている理想、望まれる結果を自分に信じ込ませ、効果的な目標設定を行うことを意味している。アファメーションは、5つの成功法則全てに必要になる。

・ポジティブに将来を見据える思考法を取り入れることで、ビジョンを生み出し、態度を変化させ、選択肢を見出し、機会をつかみ、コンフォートゾーン(自分が快適に感じられる領域)を広げ、より良いチームと組織を育てることに役立つ。

 

◯5つの成功法則

①「ビジョン、使命、価値観、動機、モチベーション、態度」を明らかにする

②創造的な思考、ポジティブなセルフトークを取り入れる

 一瞬で自分を変える「アファメーションの法則」〜新しい自己イメージの作り方〜」

③ターゲットを定義し、目標の刷り込みを行う

 新しいゴールを脳にプログラミングする方法

④行動を起こし、方向を正す

 自身のエフィカシーを高めるアファメーション〜行動を起こし、方向を正す技術〜

⑤人を育て、組織を改善する

 他人とチームを育てる「アファメーション」の法則

 

◯第1の法則

・最初に結果ありき。ビジョンは「人類の役に立ちたい」といった漠然とした望みではなく、もっと明確なものでなくてはならない。

・自分の価値観を明らかにする

①自分の体から心臓を取り出して、手のひらに乗せているところをイメージする

②命を脅かすような出来事を想像(あるいは経験)してみる

③痛みを経験する

④自分が本当に幸せだと感じるものは何かを考える

⑤厳しい質問を投げかける

・しなければ(have to)から建設的な、したい(want to)に態度を変え、創造性と情熱を解き放つこと。歯医者のほとんどは、自分の人生を「しなければ」だらけの状況で過ごす。

 

◯第2の法則

・意識的な思考の5つの基本的機能

①認識

②吸収

③連想

④評価

⑤決断

・スコトーマ(盲点):どちらか一方だけをみると、もう一方に対して、スコトーマが生まれる。一つの意見、信念、態度に縛られると、自分の信じることと矛盾するものに対してスコトーマを築く。スコトーマを理解すると、人生のより多くの選択肢と機会が見えるようになる。

⇨「答えはそこにある。今はまだ見えていないだけだ。でも、すぐに見えるようになる」と思い出す。「私は自分に対してどんな固定観念を持っているだろう、どんな質問、信念、真実に囚われているだろう」と自分に問いかける。

ピグマリオン効果:特定のイメージを持って他者を扱うと、彼らはそのイメージ通りに振る舞うようになる。

・潜在意識は、自分への語り掛けの言葉を信じ、その言葉と一致するような行動を取らせようとする。言葉の力が行動を引き起こす。したがって、セルフトークをコントロールできれば、潜在意識の力を借りて目標を達成することができる。

 

◯第3の法則

・人は、頭の中のイメージを外部環境合わせて調整してしまう(慣れてしまう)。自分が他人からどう扱われるべきか、収入や借金はどれくらいであるべきか、世界つの質はどうあるべきかについての現状のイメージに慣れるあまり、潜在能力を発揮できずに終わることが少なくない。

・目標設定とは、自分が将来、どんなことに慣れるかを意図的に決めること。目標を定めれば、方法が見えてくる。頂点にいるパフォーマーは、ビジョンと目標、結果のイメージに誘導される。平凡な人は、信じる前に証拠を要求する。

・目標を既に達成されたことのようにイメージすれば、達成するために必要なものが見つかる。大抵の人は、自分の将来を現在わかっていることを基準に考える。現在のリソースとスキルを基にした目標の達成方法が分からないと、「まだ私には無理なんだ」と考え、「先へ進むのは2〜3ヶ月待ってからにしよう」と、現状とそう変わらない目標に戻ってしまう。

・目標思考の8つの原則

①行動を起こす前位に心の準備を整える

②イメージの中の現実を変える

③目標の設定は「そこまで」ではなく「その次には」を考える

④普通ではないことを普通にする

⑤機会を逃さず、自分に逃げ道を与えない

⑥自分の価値に相応しいものを選ぶ

⑦目標に向かって成長する

⑧リソースについて心配しない

 

◯第4の原則

・エフィカシー(自己効力感)は、事を起こして実現させていく力。行動力を高めるには、想像力とアファメーションを使って内面を強くすることから始める。

・目の前の現実を見つめる一方で、頭の中に理想を持つことによって、その2つのイメージの矛盾を解決しようと、アイデアやエネルギーが生み出される。「現在地」と「目的地」の距離が欲求を生み出す。

・行動を変えるには、まずアファメーションで自己イメージを変えれば、後から行動がついてくる。可能性を最大限に引き出す秘訣は、自分はこうだと頭の中で思っているその内面の考え方、基準なり自己イメージなりを改め、そこから行動が自然に出てくるようにすること。

 

◯第5の法則

・グループの目標を定める

①全体像を描く

②パズルを順番に埋めていく

③周囲の人を効果的に関与させる

④建設的なイメージを作る

⑤責任を共有する

⑥時間の制約を避ける

⑦目標を達成した姿を思い描く

⑧秘密を重視する

⑨変化を継続する

⑩グループの目標を書き出し、刷り込みを行う

 一人称を使う、ポジティブである、現在形を使う、達成思考である、比較をしない、行動を表す言葉を使う、感情を表す言葉を使う、目標を正確に表現する、バランスを図る、現実的な目標にする。

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