グローバル・パースペクティブを受講すると、自ずと経済・歴史を学びなおさないといけないという気持ちになり、今回は社会人第一歩で学んだ日経新聞の読み方に再度目を通すことにしました。本書は、日経新聞の月曜日に掲載される景気指標欄を使って、主な指標とその読み方を説いた内容です。財務諸表から企業が見えるように、景気指標から経済を見ることができるようになることを目的としています。
(ポイント‥本書より)
〇GDP関連
GDP=民需+政府支出+貿易収支
一年間で生み出された付加価値の合計
②消費支出(2人以上世帯)
家計支出は、GDPの55%
③機械受注(船舶・電力除く)
実際の設備投資の先行きを占う先行指標
④法人企業統計(設備投資・営業利益)
企業の設備投資は、GDPの15%
⑤公共工事請負金額
⑥貿易・通関(輸出・輸入)
〇企業活動全般
①日銀短観業況判断
景況感が「良い」と答えた企業割合から「悪い」と答えた割合を引いた値
②景気動向指数(CI)
③鉱工業指数
鉱業と工業の生産高・出荷数量・在庫状況を表す
④稼働率指数:製造工業
〇業種別の動向
①生産指数:集積回路
②粗鋼生産高
鉄は、建設・自動車など用途が広いので幅広い業種に影響
③広告扱い高
景気が悪くなると削減される3Kの一つ(広告費・交通費・交際費)
④第三次産業活動指数
⑤建設工事受注
建設業の業績は世の中の景気より少し遅れて動く
⑥新設住宅着工
⑦マンション契約率(首都圏・近畿圏)
契約戸数/建設戸数なので、絶対数が多いとは限らない
⑧小売業販売額
⑨全国百貨店売上高
⑩旅行取扱状況
⑪新車販売台数
総合産業のため、他産業への波及効果が大きい
〇雇用
①現金給与総額
一人当たりの給与総額
②所定外労働時間:全産業
現金給与総額、鉱工業指数の生産指数、製品在庫率指数、稼働率指数との関係が深い
③常用雇用指数:全産業
④有効求人倍率
求人数/求職者数
〇物価
①国内企業物価指数
国内企業間取引の価格水準
②消費者物価指数(生鮮除く)
サービスの比重が高い
③輸入物価指数
④企業向けサービス価格指数
サービス価格は、モノの価格より振れが小さい
〇金融の動向
①M3増加率
現金通貨+預金+譲渡性預金+ゆうちょ
②マネタリーベース
日銀が流通させる通貨の量
③コールレート翌日物
政府や日銀がコントロールしている金利は、コールレート翌日物だけ
④新発10年物国債利回り
⑤銀行計貸出残高
⑥国内銀行貸出約定平均金利
⑦企業倒産件数
⑧国際収支(経常収支、貿易・サービス収支、直接投資)
国際収支=経常収支(貿易収支・サービス収支・所得収支)+資本収支
直接投資:外国企業の10%以上の株式を取得した場合が対象
⑨外貨準備高
〇市場の動き
①円相場(対ドル、対ユーロ)
②日経景気インデックス
生産、需要、所得、労働を代表する指標がベース
③日経通貨インデックス
④日経公社債インデックス
⑤日経平均
225銘柄が対象。東証一部全銘柄を対象とするのは、TOPIX。
その他米国の景気指標の解説が続きます。こうしてまとめると、「景気指標が何を見ようとしているのか?」「関連する指標は何か?」ということを整理して読むと理解しやすいことに気付きます。そして、定点観測的に同じ指標を毎週ずっと見続けることが大切であり、ずっと見続け、その時の経済状況と数値を関連付けることにより、相場観が徐々に養われていくのだと思います。指標は数多いのでひとまず自分の仕事に関係するところから押さえたいところですね。