『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)[Kindle版] (〇)
Facebookに投稿されていた記事を読んで気になったこの本。とても有名なのに、まだ、読んだことなかったんですよね。どんな物語か予備知識がなかったので、タイトルからいろいろな展開を想像しましたが、「あ、こういういいお話なのね!」とちょっと心温まる感覚でした。
今の自分に活かせるとすると、大人になっていつの間にか気が付かなくなってしまった視点をこども心を通じて学ぶという姿勢でしょうか。普段読んでいるビジネス書とはまた違った気づきが得られる良書でした。
(印象に残ったことば‥本文からの抜粋)
〇大人は、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいる大人は、いくらもいない。)
〇大人というものは、数字が好きです。新しくできた友だちの話をするとき、大人の人は、肝心かなめのことはききません。〈どんな声の人?〉とか、〈どんな遊びが好き?〉とか、〈チョウの採集をする人?〉とかいうようなことは、てんできかずに、〈その人、いくつ?〉とか、〈兄弟は、何人いますか〉とか、〈体重はどのくらい?〉とか、〈お父さんは、どのくらいお金を稼いでいますか〉とかいうようなことを聞くのです。そして、やっと、どんな人か、わかったつもりになるのです。
大人の人たちに〈桃色のレンガでできていて、窓にジェラニュウムの鉢がおいてあって、屋根の上にハトのいる、きれいな家を見たよ〉と言ったところで、どうもピンとこないでしょう。大人たちには〈十万フランの家を見た〉と言わなくてはいけないのです。すると、大人たちは、とんきょうな声を出して、〈なんて立派な家だろう〉というのです。
〇「さっきの秘密を言おうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。肝心なことは、目に見えないんだよ」。「肝心なことは、目には見えない」と、王子さまは、忘れないように繰り返しました。
「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ」「ぼくが、ぼくのバラの花を、とてもたいせつに思ってるのは」と、王子さまは、忘れないようにいいました。「人間っていうものは、この大切なことを忘れてるんだよ。だけど、あんたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうみた相手には、いつまでも責任があるんだ。守らなけりゃならないんだよ、バラの花との約束をね」と、キツネはいいました。
挿絵が雰囲気を醸し出すのも絵本のいいところですね。ちょっと疲れていた時に読んだこともあり、なんだかホッとするような、気持ちをリフレッシュする一冊でした。
- 作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,内藤濯
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/03/10
- メディア: ハードカバー
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