完全版『鏡の法則』(野口嘉則)
『完全版『鏡の法則』』(野口嘉則)(〇)
本書は、2006年100万部の大ヒットとなった『鏡の法則』を大幅に加筆、再編集し、2017年1月に再出版されたものです。本編64ページ、改正62ページ。子供・夫・父親を巡る問題が心の中では繋がっていたという一つの物語を通じて、人生に起きる問題は、自分の心を映し出す鏡であり、自分の中に解決する力があることを教えてくれます。人間関係に不満を持ったら、自省するための一冊として秀逸です。今学んでいるコーチングのヒントにもなりました。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇現実に起きる出来事は一つの結果であり、その原因は心の中にある。私たちの人生の現実は、私たちの心を映し出す鏡である。
〇自分の心の波長に合った出来事が起きてくる。例えば、心の中で不満ばかり抱いていると、その心を映し出すように、ますます不満を言いたくなるような人生になる。逆に心の中で感謝することが多いと、その心を映し出すように、さらに感謝したくなるような出来事が起きてきて、感謝に溢れた人生になってくる。
つまり、自らの人生に起きていることを見ることによって、自分の心のありようを推察することができ、それによって自らを変えるヒントを探っていける。
〇「必然の法則」。人生で起きるどんな問題も、何か大切なことを気づかせてくれるために起きる。つまり偶然起きるのではなくて、起こるべくして必然的に起こる。自分に解決できない問題は決して起きない。起きる問題は、すべて自分が解決できるから起きるのであり、前向きに取り組みさえすれば、あとで必ず「あの問題が起きて良かった。そのおかげで・・・」と言えるような恩恵をもたらす。
〇人生において困難な問題に直面したとき、その問題をメッセンジャーとして捉えることができる。「自分の心の中を見つめ直す必要がある」ということを教えてくれるメッセンジャーである。
〇とはいえ、外に働きかけることを全くせず、自分の心の中を探ってばかりいたら、事態は何も変わらない。何よりも、具体的・現実的な行動によって問題の解決を図ることが大切。
〇なかなか原因が見つからないときは、意識を切りかえて、今できる行動に焦点を当て直した方が建設的。
〇「ゆるす」とは、過去の出来事へのとらわれを手放し、相手を責めることをやめ、今この瞬間のやすらぎを選択すること。「ゆるす」前にやることは、2つ。①現実的な対策を講じて自身をしっかり守る、②感情を吐き出すこと。感情を吐き出すのは、誰かに対する怒りの感情を心の底に押し込めると、その怒りのエネルギーが自分に向かうようになり、自責の念や自己嫌悪に悩まされるようになってしまいがち。
〇「ゆるす」ための8ステップ
①相手との間に境界線を引く
②感情を吐き出す
③行為の動機を探る
④感謝できることを書き出す
⑤感謝の言葉を復唱する
⑥謝りたいことを書き出す
⑦学んだことを書き出す
⑧宣言する
・「〇〇さん、私は私自身の自由のために、あなたをゆるします」
・「〇〇さん、私は私自身の幸せのために、あなたをゆるします」
・「〇〇さん、私は私自身のやすらぎのために、あなたをゆるします」
本書を読んで、特に人間関係の問題に直面したとき、「あれ?この感情、自分も誰かに対して持っていないかな?」「誰かに同じような態度をとっていないかな?」という問いを自分で立ててみようと思いました。自分が普段意識していなくても持っている気持ちに気付くことは、内省することや目の前の問題を客観視するために必要な観点であり、本書はその大切さに気づかせてくれました。