あなたはあなたが使っている言葉でできている(ゲイリー・ジョン・ビショップ)
『あなたはあなたが使っている言葉でできている』(ゲイリー・ジョン・ビショップ)
著者は、世界有数の人材開発企業でシニアプログラムディレクターでありコーチでもある。本書は自分の本当の才能に目覚め、自分を責めるのをやめて輝かしい人生に歩み出すのをサポートする一冊。タイトルのとおり、答えは外側ではなく、自分の中にある。ポジティブ思考とは違い、正しい言葉を使って人生を上向かせることを目的に書かれています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯ネガティブな言葉がネガティブな感情を呼ぶ
・「人間の感情の大部分が思考から生み出されているのなら、感情をコントロールするには思考をコントロールすればいい。もっと言うなら、心の中で思い描く文章、つまり自分との会話に使う言葉を変えればいい。そもそも感情はそこから生まれているのだから」(アルバート・エリス:米国の心理学者)。
・問題をどうとらえ、どう表現するかは、すべて自分次第。それは足かせにもなれば、前へ進むための踏み台にもなる。
◯脳を少しずつ鍛え直そう
・最初の一歩は、自分のためにならないしゃべり方はやめて、ためになるしゃべり方を意識すること。正しい言葉を使い、問題を別の角度からとらえ直すことで、物の見方、世界との関わり方は劇的に変わる。
◯セルフトークをアサーティブ(主張型)に変える
・気をつけていないと犯してしまいがちなミスがある。「〜する予定だ」とか「〜するつもり」と言った言葉は使ってはいけない。さらに「〜すべき」や「〜したい」なんてもってのほか。そんなことをすれば、無意識は、「それなら今やらなくてもいいか」と思いこでしまうから。
・「自分は〜だ」「〜を歓迎する」「受け入れる」「主張する」と言った現在形の力強い断定的な言葉を使い、「〜するつもりだ」とか「〜が目標だ」と言った言葉は避けよう。
◯この本で紹介されている「積極性を引き出すアサーティブな言葉」
①「私には意志がある」
・「でも」はナシ。邪魔なだけだ。身軽な旅に、「でも」のような余計な荷物は必要ない。
・「状況は人を作ったりしない。状況は自分を映し出す鏡でしかない」(エピクテトス:ギリシャの哲学者)
・ツキのなさを嘆くのはやめよう。
・他の人のせいにするのはやめよう。
・外的要因や、状況のせいにするのはやめよう。
・子供時代や、育った環境のせいにするのはやめよう。
「仮にどうしようもない出来事が起こったとしても、その後どんな人生を送ったかは、100%自分の責任だ」
・「大きな意志のあるところに、大きな困難はない」
②「私が勝つに決まっている」
・人は人生のほとんどを自動操縦モードで過ごしている。意識的に何かを考えることのないまま、ぬかるみをはい進んでいる。
・「幸せを得られるかどうかは、思考の質に左右される。それゆえ、適宜注意を払い、悪辣で無分別な考えに溺れることがないようにしなければならない。
③「私にはできる!」
・「イヤな気分について、一つ奇妙なことがある。我々は全くのウソを自分自身に語り、自分を騙して惨めな気持ちを作り出すことがよくあるのだ」(デビッド・D・バーンズ:米国の認知療法の専門家)
・問題にピントが合わないなら、もう一歩下がろう。ダメならもう一歩。さらにもう一歩。「本当はどういう状況なのか」を自分に問いかけよう。そのうちに問題が印象と切り離されて、クリーンに、そしてクリアに見えてくるはずだ。辛抱強く下がっていけば、人生の道行き全体が見えてきて、目の前の問題が道の一つのこぶにすぎないことに気づく。
④「先がわからないからおもしろい」
・よくわからない状況から逃げて確かさを追いかけ求めるのは、単なる幻想を手に入れる代償に人生で唯一確実なことを否定しているのと同じだ。ソクラテスは「唯一わかるのは、自分が何も知らないということだ」と言った。賢人の多くは、ほとんど何も知らないという自覚を知恵の拠り所にしていた。
⑤「自分は思考ではなくて行動だ」
・あなたという人間を決めるのは、頭の中にあるものじゃない。何をするか、つまりは行動だ。
・「行動せずにいると疑念や恐怖が生まれる。行動すれば自信と勇気が生まれる。恐怖を克服したいなら、家でじっと考えるだけではいけない。外へ出て忙しく過ごさなくてはならない」(デール・カーネギー)
⑥「私はがむしゃらになる」
・望みを叶えたいなら、とにかく粘り強く前へ進み、自らの権利を主張し、必死で頑張ることだ。
・がむしゃらになるコツは、目の前の問題に集中すること。全神経を注ぐこと。そうやって、全てを無くしたように見える中でも前進する人間になろう。答えは常にそこにある。あとは見つけるだけだ。
⑦「私は何も期待せず、すべてを受け入れる」
・問題が人生をおかしくするのではない。隠れた期待がおかしくするのだ。「期待」は百害あって一利なしだ。あなたを苦しめているのは、実は状況そのものではなく、期待の方だ。何がいけないって、期待が問題を実際よりも大きく見せ、問題に対して効果的に、力強く取り組むパワーを奪い取ることだ。私は何も斬新なことは言っていない。期待を「手放す」という考え方はずっと昔からある。しかし私たちの(西欧の)文化では実践している人はほとんどいない。
・そこで提案だ。期待を切り捨てよう!不必要で非生産的な期待にしがみついて泥沼にはまるより、人生は予測がつかないという事実を受け入れ、実際の状況と向き合う方がずっとパワフルだ。
・何も期待しないとき、あなたは今という瞬間を生きられる。未来への不安も、過去の拒絶もなく、シンプルに訪れた状況を歓迎できる。そして全てを受け入れるとは、仕方なく妥協するという意味じゃない。引き受けて責任を取るという意味だ。自分が権利と責任を持っているものは、いつでも変えられる。問題を解決する唯一の効果的な方法になることもある。だから引き受けよう。
毎日使う言葉をどんな言葉にすると毎日の質が上がるのか。とっても興味があるテーマです。本書は、割と精神的な側面が強いので、具体的な方法は?という細部は、別の本に行ったほうがいいと思います。
あなたはあなたが使っている言葉でできている Unfu*k Yourself
- 作者: ゲイリー・ジョン・ビショップ
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2018/10/19
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