『最新!トランスパーソナル心理技法』(諸富祥彦・日本トランスパーソナル学会)
精神分析学、認知行動心理学、人間性心理学に続く第四の心理学理論と言われるトランスパーソナル心理学。あらゆる心理学を統合するアカデミックとスピリチュアルの狭間の存在。本書は、そんなトランスパーソナルが扱う技法をはじめ、34のテーマについて、多くの著者が執筆した共著です。一つひとつの技法がコンパクトにまとまっており(しかも濃い内容)、エクササイズのイメージもあり、心理学やセラピーを広く学ぶのに適した良書でした。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯ヨガとトラウマ
・トラウマに取り組むには、今この瞬間にいることが大事な要素
・実際にトラウマからの影響が強く出ている場合は、今この瞬間に戻るのは容易ではないため、いわゆるマインドフルネス瞑想をするのではなく、ヨガの要素を取り入れて、目を開けたまま身体に意識を向けたり、身体の動きと呼吸を合わせるなど工夫は必要となる。
◯バイロン・ケイティ・ワーク
・自分の考えを信じているときは苦しむ。信じていないときは苦しまない。
・〜であってはいけない、〜すべきではなかったというように、自分の考えが現実と闘うとき、私たちはストレスを感じたり苦しむ。
・ストレスや苦しみをもたらしていたり、自分の可能性を制限しているビリーフに対し、「4つの質問と置き換え」を通じて、問いかけ、探求していくもの。
■4つの質問
①それは本当でしょうか?
②その考えが本当であると、絶対言い切れますか?
③そう考えるとき、あなたはどのように反応しますか?
④その考えがなければ、あなたはどうなりますか?
■置き換え
①内容を反対に置き換える
②主語を置き換える
③自分自身のことに置き換える
◯ディマティーニ・メソッド
①世界はバランスでできている
全てのポジティブな事柄には同じだけのネガティブなことが含まれており、反対に、全てのネガティブなことにも同じだけのポジティブなことがある。
②宇宙は偉大な知性によって統治されており、私たちが最高に成長するためにいつも最善のことが起きている。
いつも「支え・サポート」と「挑戦・試練」が同じ程度にもたらされている。
③エネルギーは増幅することはなく、形を変えるだけである
自分が失ったと思っていたすべてのポジティブな特性が、他の人から与えられていることに気づいたとき、夫が彼女自身の一部として確かに存在していることが感じられ、喪失感は消える。
・質問1:その対象の人について、最も嫌いな特性または行動を一言で言うと何ですか
・質問2:その人のその嫌いな特性をあなたが持っていると知っているのは誰ですか
・質問3:その人のその嫌いな特性によって、あなたはどんなプラスを得てきましたか
◯エニアグラム(9つの性格分類)
・本能:改革する人、平和を好む人、挑戦する人
・フィーリング:助ける人、達成する人、個性を求める人
・思考:観察する人、信頼を求める人、熱中する人
◯本書に記載されているその他のセラピー
・統合的セラピー
・瞑想と心理療法
・祈りと心理療法
・プロセスワーク
・フォーカシング
・ハコミ・セラピー
・ホロトロピック・ブレスワーク
・前世催眠療法
・身体志向セラピー
・ゲシュタルトセラピー
・森田療法
・グリーフセラピー
・ファミリー・コンステレーション・ワーク
これは体験してみないと分からないなと思いつつも、セラピーって、こんなにたくさんあるのか。まずはざっと押さえて、興味のあるものを受講してみるというふうにしないと、どれを受講していいのかも分からずです。セラピーごとに本を買うのも時間がかかりすぎるし・・。と思ったタイミングには最適でした。しかしまぁ、いろいろありますね。これを監修していらっしゃる諸富先生がすごいということか!