『プロカウンセラーが教える1on1コミュニケーション入門』(編著:諸富祥彦、著:島田友和、青木美帆)(◯)
これまでに読んだ1on1の書籍で一番良かった一冊。職場における1on1コミュニケーションの実践、理論、事例がバランスよく書かれており、「あるある!」という共感と「どうすれば良いか」というハウツーが学べます。現場で1on1を実践する前にざっと目を通したり、振り返る際の参考として1on1の要点を確認するなど、実践で使いやすい内容になっています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯部下の話を聞く「3つの条件」
①受容
②共感
③一致
◯まずは、この「4つのテクニック」から始めよう
①説教したいのをグッと我慢する
②「あなたはどうしたいのかな」と尋ねる
③「そうか」「うんうん・・」と、うなずきとあいづちだけで黙って1分聴く。それ以外は言わない。
④「そうか。あなたならできると思う」と信頼と期待を伝える
◯1on1「11のメソッド」
①「心理的安全性」で不安をゼロにする
②「4つの動機」でモチベーションを高める
1)達成欲求(自分で設定した目標を達成したい)
2)親和欲求(他者から良く見られたい)
3)権力欲求(他人に影響力を与えコントロールしたい)
4)回避欲求(失敗や批判を避けたい)
③「自己開示」で心理的距離感を縮める
④「学習性無力感」を克服して限界を知る
⑤「課題の分離」で問題点をシンプルにする
→それは誰の課題か?
⑥「12の禁句」でモチベーションを下げない
1)命令、指示
2)注意、脅迫
3)説教
4)忠告、解決策の提示
5)講義、論理の展開
6)批判、避難
7)(やみくもな)称賛、同意
8)悪口、馬鹿にする
9)分析、診断
10)激励、同情
11)質問、尋問
12)中止、注意を他へそらす
⑦「NVC」(ノンバーバル<非言語>コミュニケーション)で悪循環をストップする
⑧「ストレスマネジメント」で心の状態を知る
⑨「アンガーマネジメント」で心の限界を知る
⑩「アンガーマネジメント」で感情に呑み込まれないようにする
⑪「ピグマリオン効果」で相手の能力を引き出す
◯実践1on1「16のスキル」
①自分の「聴き方」をチェックする
1)話を否定することが多い
2)話を奪ってしまうことがある
3)感情に寄り添えない
4)アドバイスが好き
5)沈黙が苦手
6)話に関心がない
7)決めつける
8)議論が好き
9)違いを理解できない
10)結論や根拠が好き
→ビジネス会話は結論と根拠をわかりやすく、理路整然と、テンポ良く話すことが求められるが、1on1はその反対
②「安心して話せる人」になる
③「心の状態」をクリアにする
④「心の声」を聴く
⑤「おもてなし」する気持ちを持つ
⑥「相手のキーワード」を繰り返す
⑦「あなたの味方」という姿勢で接する
⑧「いいね!」で承認欲求を満たす
⑨「伝え返し」で相手の心を言語化する
⑩「2つのクエスチョン」で聞きやすい空気をつくる
⑪「3つのシンプルな質問」で気づきを引き出す
1)具体化する
「具体的には?」「もうちょっと教えて?」「たとえば?」
2)広げる
「それから?」「他には?」
3)まとめる
「一番大事なことは?」「話してみてどうですか?」「一番言いたいことは言えた?」
⑫「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」で解決策を引き出す
「奇跡が起きて、問題がすべて解決していたとしたらどんな状態ですか?」
2)例外探しの質問
3)スケーリング・クエスチョン
「一番いい時を10点、最悪を0点として、今何点ですか?」
「1点上げるためにどんなことができそう?」
4)サバイバルクエスチョン
「一番大変だった時に、どのようにやって来られましたか?」
5)タイムマシーンクエスチョン
「◯年後の自分はどうなっていますか?」
6)アウトカムクエスチョン
「この状態がどうなるといいですか?」
⑬「GROWモデル」で解決策をリストアップする
1)Goal「どうなりたいか?」
2)Reality「現実は?」
3)Options「そうなるために、できることはあるか?」
4)Will「どうしたい?」
⑭「アサーション」でお互いの立場を尊重する
⑮「Iメッセージ」「Youメッセージ」で感じたことを伝える
⑯「DESC法」(事実、気持ち、提案、代替案)で伝えたいことを整理する