『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』(遠藤功)
「あの遠藤功さんがホットケーキ??」っていう惹きがなんとも素晴らしいコンセプト。本書は、現場力などで有名なコンサルタント(ローランドベルガー日本法人会長)が個人的に好きなホットケーキ(パンケーキとは違う)のお店を紹介されていることに加え、なぜホットケーキがメイン商品で経営が成り立つのかというコンサルタント視点が相まった内容で、甘党の私にとっては、とっても魅力的な内容でした。前半戦は、東京を中心とした喫茶店等を31店舗紹介、後半戦は、10の観点からホットケーキの経営的視点についてまとめられています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯紹介されている31店舗
①喫茶ニット(錦糸町)
②喫茶ワンモア(平井)
③小野珈琲(森下)
④喫茶天国(浅草)
⑤フルーツパーラーゴトー(浅草)
⑥喫茶ミモザ(奥浅草)
⑦オンリー(南千住)
⑧フルーツパーラープチモンド(赤羽)
⑨自家焙煎珈琲 みじんこ(湯島)
⑩自家焙煎 珈琲庵(春日)
⑪ホットケーキパーラーFru-Full
⑫石釜bake bread茶房 TAM TAM(神保町)
⑬カフェ香咲(外苑前)
⑭渋谷西村フルーツパーラー道玄坂店(渋谷)
⑮HOTCAKEつるばみ舎(経堂)
⑯ルポーゼすぎ(八幡山)
⑰喫茶 黒田珈琲(祖師ヶ谷大蔵)
⑱ピノキオ(大山)
⑲ぺドラブランカ(戸越銀座)
⑳喫茶さいとう(武蔵小山)
㉑きつねとはちみつ(池上)
㉒シビタス(蒲田)
㉓自家焙煎 珈琲苑(川崎)
㉔COFFEE SHOP リラ(鶴見)
㉕珈琲専門店 珈琲家(稲田堤)
㉖イワタコーヒー店(鎌倉)
㉗スマート珈琲店(京都)
㉘純喫茶アメリカン(大阪道頓堀)
㉙アラビヤコーヒー(大阪道頓堀)
㉚喫茶サンシャイン(東梅田)
㉛萩原珈琲店(神戸)
◯ホットケーキ繁盛店から学ぶべき10のヒント
①一見ありふれたものにこそチャンスはある
・いたってシンプルで、差別化できるところなどどこにもないように見える。しかし、繁盛店はそのホットケーキに様々な工夫を凝らし、普通のホットケーキとは全く別物の差別化された魅力ある食べ物にすることに成功している。
・どこにでもある定番がめちゃめちゃ美味しかったら必ず売れる。
②真の差別化は「価値の複合化」から生まれる
・組み合わせることによって価値は高まる。
・美味しい×美しい、美味しい×遊び心、美味しい×コト消費など
・美味しい、値ごろ感、美しい、並ぶ・待つ、レトロ感を味わう、経験を発信する
③シンプルなものでもイノベーションは生まれる
・神保町のTAM TAMの石釜で焼くホットケーキはまさにホットケーキのイノベーション。
④真の差別化を生み出すには、試行錯誤が不可欠である
・美味しいにしても、美しいにしても、そこそこ美味しい、そこそこ美しいではやがてお客様は他に逃げてしまう。めちゃめちゃ美味しい、めちゃめちゃ美しい、めちゃめちゃ安い・・。「めちゃめちゃ」こそが、真の差別化キーワード。
⑤お客様の声は神の声
・お客様の声に様々なヒントが隠れている。まさに、お客様の声は「神の声」。
⑥損して得とれ
・値ごろ感を大切に。価格には地域格差というものが存在する。値ごろ感は地域によって異なる。
・ホットケーキの場合、地域格差には、価格の他に「大きさ」がある。
⑦口コミは最高のマーケティング
・お客様は世界中にいる。地元客のほか、ホットケーキ目当ての全国客、ホットケーキ目当ての外国人客がいる。
⑧立地の価値は「変数」である
・立地の価値を「変数」としてとらえ、どうしたらそれを高められるのか、そこにビジネスの醍醐味がある。
⑨お客様目線を忘れずに、進化を止めない
・守るためには攻める。
⑩本気で向き合い、心血を注ぐ
ホットケーキの名店を知りながら経営を学ぶ。一石二鳥のお得感がありました。
食べることに関しては、私の場合、「感謝ワーク」「美味しい瞑想」に取り組んでいるので、紹介されているお店に行ってホットケーキを食べながら、経営を学び、感謝ワークをし、美味しい瞑想をすると考えると、私にとっては、一石四鳥のまさに「おいしい」一冊でした。