『人生がうまくいく人の感情リセット術』(樺沢紫苑)(◯)
タイトル通りの内容なのですが、実にわかりやすい。悩みの9割はネガティブな感情が原因。他人を変えるのには時間がかかるが、「ネガティブな感情」をリセットすることはできる。本書で紹介されている内容は、すべて心理学、精神医学、脳科学などの研究に裏付けされているので、再現性が高いものばかりである点もありがたいです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯3大ストレスホルモン
①ノルアドレナリン(苦しい)
②アドレナリン(イライラ)
③コルチゾール(ストレス)
◯楽しい時に分泌する脳内物質
①ドーパミン(幸福)
②エンドルフィン(快楽)
③セロトニン(癒し)
・ドーパミンは、目標を設定し、困難を克服し、自分の壁やハードルを突破した時に分泌される。何かにチャレンジし、人間を進歩と向上へ駆り立てる、モチベーションの源となる物質。ドーパミンは、簡単すぎる課題をクリアしても分泌されない。ある程度の難易度、困難を乗り越えて初めて分泌される。
・「成功した自分を明確にイメージする」とドーパミンが分泌する。
・義務感、やらされ感⇨自発的、肯定的な言葉へ変える。「〜しないといけない」⇨「〜したい」
・目標を繰り返し確認する、楽しみながら実行する、達成するプロセスを変える、自分流の工夫をする。ドーパミンは工夫が大好き。
◯一気にやる気を高める
・制限時間を設定する。人は追い込まれるとノルアドレナリンとアドレナリンが分泌される。元々は危険な状態から一刻も早く抜け出すために、心と身体の能力を瞬時に高める物質。
・自分で締め切りを設定すると、集中力とモチベーションが高まる。追い込まれた時のノルアドレナリンと明確な目標設定によるドーパミンの働きによる。
・モチベーションには二つしかない。
①ドーパミン型モチベーション
楽しさ、褒美、褒められる=快適なことを求める
②ノルアドレナリン型モチベーション
恐怖、不快、叱られる=逃げるために頑張る
◯エンドルフィン
・「仲間のため」「人のため」に行動するときには、「ドーパミン」以外に、感謝の脳内物質「エンドルフィン」も分泌される。
・エンドルフィンは、ドーパミンの幸福感を10〜20倍に増強する。
◯過去と他人、自分と未来
・「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」(エリック・バーン)
・人を変える努力はムダ。人間関係を変える努力をする。
・人間関係を変える第一歩は、相手を「肯定する」こと。
・初対面の相手の印象が良くなくても「この人とは相性が良くない」と決めつけず、「よく話してみないとわからない」「もっと付き合ってから判断しよう」と考える。
・人間の印象は初対面で90%を決定し、後からその印象を変えるのは非常に難しい(初頭効果)
◯3行ポジティブ日記
・寝る前に今日あった楽しいことを3つ書く。それぞれ1行ずつ、合計3行。
・効果
①ポジティブ思考が強化される
②自己洞察力、内省能力が高まる
③表現による「癒し」の効果。ストレスが発散される。
④「楽しい」「幸せ」を発見する能力が高まる。
⑤人生が楽しく、毎日が幸せになる。
◯泣く効果
・セロトニンが活性化される。
・副交感神経(リラックスの神経)が優位となり、ストレス発散の効果が、生理学的に確認されている。
◯ぐっすり眠る7つの習慣
①部屋を真っ暗にして寝る
メラトニンは光を嫌う。
②入眠前に薄暗い部屋でリラックスする
照明を落とした状態、あるいは間接照明の部屋で入眠前の1〜2時間を過ごす。
③入眠前にブルーライトを浴びない
メラトニン分泌が良くされてしまう。赤色灯(電球)は夕焼けの「赤」の波長なので、身体は眠りの準備に入るため、メラトニンが分泌される。
④深夜のコンビニで立ち読みしない
明るさと蛍光灯で、メラトニン分泌が強く抑制される。
⑤入眠前にスマホ、ゲーム、パソコンをしない
ブルーライトのためメラトニンの分泌が抑制される。
⑥日中のセロトニンの活性化
メラトニンの原料となる物質はセロトニン。セロトニンを活性化する方法は、太陽の光を浴びる、リズム運動、咀嚼。
⑦朝、太陽の光を浴びる
朝起きて太陽の光を浴びた15時間後にメラトニンの分泌がスタートする。
本書を読んで感じたのは、「自分で自分をコントロールする」ことが大切であること。自分の意思でコントロールできていれば、かなりの問題は解決しそうです。過去と他人は変えられないけど、自分と未来は変えられる。まさにその通りだと思います。