MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ハッタリの流儀(堀江貴文)

『ハッタリの流儀』(堀江貴文

 表紙とタイトルで引いてはいけません。ハッタリというマイナスイメージの言葉ですが、本書では、「挑戦ビジネス」のように、大きく言ってそれを実現するため、本気で勝負をし続ける。その「過程」こそが注目や共感を呼ぶコンテンツ。大切なのは成功するという結果ではなく、挑戦する様を見せていること。そんなメッセージが伝わってくる一冊です。

 ある意味、最近テーマとなっている直感や感性を重視したアートな行動でもあり、他人の視線・評価を気にしない自分軸を生きる生き方でもあります。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯労働はオワコン

・テクノロジーによって、人々の仕事が失われることはない。むしろ人に新しい仕事をもたらしてくれる。ロボットのメンテナンス、AIアプリの開発の仕事は、しばらくの間慢性的に人が足りない状態になるだろう。

・単純労働をできるだけ捨て去り、目の前の仕事に対して「自分内面の熱を発散できているか」「誰もやったことのない革新的な挑戦をしているか」を見ていこう。

・熱のないところにハッタリは立たない

 

◯ボケの時代

・仕事でも趣味でもなんでもいい。まずは、徹底的に何かにハマること。気の向くままに好きなことにはまっていると、唯一無二の感覚が備わってくる。それが思いがけないことにつながっていく。

・とりあえず、目の前の本当に興味のあることにハマりまくる。後からその点をつなぎ合わせ、線にしていくことしかできない。スティーブ・ジョブズスタンフォード大学の卒業式のスピーチで語った、「点と点が後から見たらつながっていた」と同じこと。

 ・ボケ最強の時代は、使われる「モノサシ」が大きく変わってくる。「役立つ・意味がある」という価値が下がる。「面白い・心が動く」という基準が重視されるようになる。

・計算可能な頭脳労働はもはやAIの方が得意。意味があること、役立つことは、ロボットの方が正確にやってくれる。しかし、意味はないけど面白いことは、ロボットにはできない。

・想いを持って毎日発信する。

 

◯ほっとけない孫になれ

・言い方は生意気だが、これからは他人に「応援させてあげる人」が価値を持つ。手がかかる可愛い孫のように、可愛げたっぷりに甘えればいい。そのためには、ガツンとハッタリをぶちかまし、誰もが驚くような途方も無い夢を語るのが大切。ある種、気持ちよく騙してあげるのだ。

・「どこかで見たストーリー」に人は熱狂しない。

 

◯いいプレゼンの絶対条件

・もし、あなたが「全く新しいビジネス」を提案したかったとする。まずは周りを見回してみよう。話を聞いてくれそうな人の中に、新しい物好きな人はいないだろうか?そういう人に会いに行き、まずは気に入られること。これが、プレゼンの第一手。

・人を紹介してもらうなんて難しい。そう感じるかもしれない。しかし、ことは意外と単純。「そういう人いないですかね?」と知り合いや友人にとことん尋ねればいいだけ。飲み会や立ち話のときに、アンテナを張り続けるべき。

・巧みなプレゼンをしたり、きれいな資料作りをしている時間があるならば、自分の提案を欲しがりそうな相手を探すことに時間をかけたほうがいい。

・プレゼンをしたい相手を見つけた後は、①「こいつはどうにも面白いやつだな」と思ってもらうこと、②プレゼンが終わるまでに「こいつの話に乗っておかないと、逆にこちらが損をしてしまうな」というところまで持っていくこと。

・スクリーンに映し出すスライドは「何かを解説するための資料というよりも、口頭で次の話題を出すためのきっかけに過ぎない。要は、プレゼンの途中で次の話題はなんだったかを確認するために、箇所書きでお題を書きとめたようなものが「いいスライド」。

 

◯もっともらしい言葉を捨てろ

・「そんなことできるわけないじゃん」ということを自信満々に言い切るのが肝。世間の99%が持っているような「こうあるべき」という常識を頭から外さなければ、ハッタリはかませない。ハッタリはその業界その世界の人間たちが眉をひそめるようなことでなくてはならない。

 

 ◯プライドを捨てろ

・今の時代「つっこみ」であることには何の得もない。「ボケ」をかまして最大の恥をかく。そして周りから叩かれる。これこそが最高のプロモーションになる。プライドを捨てろ、そして、自ら恥を探しに行くのだ。

 

◯パクって、パクって、パクリまくる

・「この人、いいな」と思ったら、どんどん真似すること。じっくり観察し、それと同じことをやってみる。すでに馬食っている方法をパクるのは基本中の基本。大して才能もない人間が、机の前であーだこーだ考えている時間ほど無駄なものはない。

 

◯まずは自分にハッタリをかませ

・ハッタリをかます人には共通点がある。それは「根拠のない自信」を持っていること。ハッタリ人間たちは、「やったことはないけれど、きっと自分だったらできるはず」だと信じている。つまり、他人より先に自分に対してハッタリをかましているのだ。

・「ハッタリをかましてそのあとでつじつまを合わせること」は、あらゆる場面で大きな成果をもたらしてくれる。僕はこれを人生最高奥義だと思っている。

・ただ「ハッタリをかませ」と聞くと、多くの人は、外に向かって虚勢をはることを想像するだろう。確かに外に向かってハッタリをかますのは大切なこと。しかし、いきなり外に向かってハッタリをかませられる人など、そう多くはいないだろう。その前に、まずは自分自身に向かって「自分ならきっとできる」とハッタリをかまそう。

 

 この本の最後にQRコードがあり、クラウドファンディングのような実験企画にアクセスできます。1500円〜ウン百万円まで幅があり、私が見た時点で8千万円を超えていました。これも著者流のビジネスかと思うと、ほんと色々試してみる価値があるんだなと驚きます。

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